1.問題メタデータ
重要度:A 難易度:標準
- 大問:第2問
- パターン:P05 商品有高帳と売上総利益
- 当サイト配点:20点
- 採点設計:A〜G各2点、H・I各3点=20点
- 払出方法:先入先出法
- 出題方針:商品有高帳の受入・払出・残高を原価で追い、月末締切まで完成させたうえで、売上原価と売上総利益へつなげる
- 注意:20点という配点は当サイトの本試験形式・模擬試験用の設計です。
2.問題
当社は商品Aについて商品有高帳を使用しています。6月中の取引は次のとおりです。
商品の払出単価は先入先出法によって計算します。商品有高帳の受入・払出・残高は販売価格ではなく原価で記入してください。
資料
- 6月1日 前月繰越:40個、原価単価500円
- 6月8日 仕入:60個、原価単価520円
- 6月15日 売上:70個、販売単価800円
- 6月22日 仕入:50個、原価単価540円
- 6月27日 売上:45個、販売単価800円
次の商品有高帳の空欄 A〜G を埋め、6月の売上原価 H と売上総利益 I を求めなさい。
商品有高帳(商品A)
| 日付 | 摘要 | 受入 数量 | 受入 単価 | 受入 金額 | 払出 数量 | 払出 単価 | 払出 金額 | 残高 数量 | 残高 単価 | 残高 金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6/1 | 前月繰越 | 40 | 500円 | 20,000円 | 40 | 500円 | 20,000円 | |||
| 6/8 | 仕入 | 60 | 520円 | 31,200円 | 40 | 500円 | 20,000円 | |||
| 60 | 520円 | 31,200円 | ||||||||
| 6/15 | 売上 | 40 | 500円 | A | ||||||
| 30 | 520円 | B | 30 | 520円 | C | |||||
| 6/22 | 仕入 | 50 | 540円 | 27,000円 | 30 | 520円 | 15,600円 | |||
| 50 | 540円 | D | ||||||||
| 6/27 | 売上 | 30 | 520円 | 15,600円 | ||||||
| 15 | 540円 | E | 35 | 540円 | 18,900円 | |||||
| 6/30 | F | 35 | 540円 | G | ||||||
| 合計 | 150 | 78,200円 | 150 | 78,200円 |
売上原価・売上総利益
6月の売上高は、
(70個+45個)×800円=92,000円
です。
- H=売上原価( )円
- I=売上総利益( )円
3.正解
| 空欄 | 正解 |
|---|---|
| A | 20,000円 |
| B | 15,600円 |
| C | 15,600円 |
| D | 27,000円 |
| E | 8,100円 |
| F | 次月繰越 |
| G | 18,900円 |
| H | 59,300円 |
| I | 32,700円 |
4.採点基準
| 採点箇所 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| A | 6/15・最古層40個の払出金額20,000円 | 2点 |
| B | 6/15・2層目30個の払出金額15,600円 | 2点 |
| C | 6/15後の残高30個の金額15,600円 | 2点 |
| D | 6/22受入50個の残高金額27,000円 | 2点 |
| E | 6/27・2層目15個の払出金額8,100円 | 2点 |
| F | 月末締切の摘要「次月繰越」 | 2点 |
| G | 次月繰越35個の金額18,900円 | 2点 |
| H | 6月の売上原価59,300円 | 3点 |
| I | 6月の売上総利益32,700円 | 3点 |
| 合計 | 20点 |
配点検算:2点×7+3点×2=20点
朱記の色そのものは採点対象にしません。
5.算定過程
① 6月15日の払出し
6月15日は70個を販売します。先入先出法なので、先に受け入れた商品から順に払い出します。
まず、前月繰越の40個をすべて払い出します。
40個×500円=20,000円
よって、A=20,000円です。
まだ30個不足しているため、6月8日に仕入れた520円の商品から30個を払い出します。
30個×520円=15,600円
よって、B=15,600円です。
520円の商品は60個あり、そのうち30個を払い出したので、残りは30個です。
30個×520円=15,600円
よって、C=15,600円です。
② 6月22日の仕入れ
50個を540円で仕入れます。
50個×540円=27,000円
先入先出法では単価の異なる在庫を分けて残します。したがって、520円の30個と540円の50個を別の層として管理します。
よって、D=27,000円です。
③ 6月27日の払出し
45個を販売します。
まず、残っていた520円の商品30個をすべて払い出します。
30個×520円=15,600円
さらに15個必要なので、540円の商品から15個を払い出します。
15個×540円=8,100円
よって、E=8,100円です。
540円の商品は50個あり、そのうち15個を払い出したため、残りは35個です。
35個×540円=18,900円
④ 月末締切
6月末に残った35個・18,900円を翌月へ繰り越します。
月次の商品有高帳では、月末残高を払出欄に次月繰越として記入して締め切ります。
したがって、
- F=次月繰越
- G=18,900円
です。
⑤ 売上原価
実際の売上に対応する払出原価だけを合計します。次月繰越は締切の記入なので売上原価へ含めません。
6月15日の払出原価:
20,000円+15,600円=35,600円
6月27日の払出原価:
15,600円+8,100円=23,700円
したがって、
35,600円+23,700円=59,300円
よって、H=59,300円です。
⑥ 売上総利益
売上高は92,000円です。
92,000円-59,300円=32,700円
よって、I=32,700円です。
6.検算
数量の検算
受入側は、
40個+60個+50個=150個
です。
払出側は、実際の売上115個と次月繰越35個なので、
70個+45個+35個=150個
となり一致します。
金額の検算
受入側は、
20,000円+31,200円+27,000円=78,200円
です。
払出側は、
59,300円+18,900円=78,200円
となり一致します。
売上原価の別ルート
前月繰越+当月仕入-次月繰越でも確認できます。
20,000円+58,200円-18,900円=59,300円
払出原価の合計と一致します。
7.主な間違いやすいポイント
1.販売単価800円を商品有高帳へ書かない
商品有高帳は商品の数量と原価を管理する帳簿です。販売単価800円は売上高の計算に使いますが、商品有高帳の払出単価には使いません。
2.先入先出法では古い層から払い出す
6月15日は500円の層から、6月27日は520円の層から先に払い出します。単価の違う在庫を平均してはいけません。
3.次月繰越を売上原価へ含めない
次月繰越は6月30日の締切処理です。6月中の売上に対応する払出しではないため、売上原価59,300円には含めません。
4.受入合計と払出合計を最後に照合する
数量と金額の両方について、受入合計と払出合計が一致するか確認すると、層の取り崩しや繰越の誤りを見つけやすくなります。

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