給料・税金 章末総合問題

1.この章末問題のねらい

この章末問題では、C08のうちT03〜T05の税金関連論点を横断して確認します。

確認する内容 対応する単元 設問
収入印紙・郵便切手の未使用分を貯蔵品へ振り替える C08-T03「租税公課と貯蔵品」 問1・問2
法人税等の年税額を確定し、中間納付分を充当して未払額を求める C08-T04「法人税、住民税及び事業税」 問3・問4
税抜方式で本体価格と消費税額を分けて記録する C08-T05「消費税(税抜方式)」 問5

構成は次の2部です。

設問 内容
第1部 問1〜問4 共通資料から、貯蔵品への振替 → 振替後の費用残高 → 法人税等の確定 → 貸借対照表・損益計算書の表示を確認します
第2部 問5 消費税の税抜方式による期中処理を確認します

当サイトでは、第3問対策を意識した共通資料型として第1部を構成しています。 第1問・第2問・第3問という区分は当サイトの演習設計であり、公式の出題形式が将来まで固定されていることを意味しません。

この章末問題で必要な率・金額は、すべて問題文に示しています。 実際の法人税率などを覚えている必要はありません。


2.共通資料

青森商事株式会社(会計期間:×2年4月1日〜×3年3月31日)の決算に関する次の資料にもとづいて、各問に答えなさい。

[資料Ⅰ]決算整理前残高試算表(一部)

借方残高 勘定科目 貸方残高
36,000 租税公課
21,000 通信費
120,000 仮払法人税等

[資料Ⅱ]決算整理事項

  1. 収入印紙 ¥5,000郵便切手 ¥3,000 が未使用のまま残っているため、貯蔵品へ振り替える。
  2. 税引前当期純利益 ¥900,000 の 30% を法人税、住民税及び事業税として計上する。なお、仮払法人税等の残高は中間納付によるものである。

3.設問

問1 決算整理事項1の仕訳を示しなさい。

問2 決算整理後における、租税公課と通信費の残高(損益計算書に計上される金額)をそれぞれ求めなさい。

問3 決算整理事項2の仕訳を示しなさい。

問4 決算整理後の貸借対照表に計上される①貯蔵品、②未払法人税等の金額と、③損益計算書に計上される法人税、住民税及び事業税の金額を求めなさい。また、④この問題の仮払法人税等が貸借対照表にいくら計上されるか答えなさい。


# 第1部 解答・解説

問1 貯蔵品への振替

借方科目 金額 貸方科目 金額
貯蔵品 8,000 租税公課 5,000
通信費 3,000

算定過程

貯蔵品 = 5,000(収入印紙)+ 3,000(郵便切手)= 8,000

借方合計 8,000 = 貸方合計 5,000 + 3,000 = 8,000

解説

  • 収入印紙は購入時に租税公課、郵便切手は購入時に通信費で処理しているので、未使用分をそれぞれの費用から減らします。
  • 合計 ¥8,000 を資産である貯蔵品へ振り替えます。
  • 貯蔵品へ振り替えるのは未使用分だけです。使用済み分は当期の費用のままです。

問2 決算整理後の費用残高

租税公課:¥31,000  通信費:¥18,000

科目 計算 金額
租税公課 36,000 − 5,000 31,000
通信費 21,000 − 3,000 18,000

解説

決算整理前残高から、問1で貯蔵品へ振り替えた未使用分を差し引きます。未使用分は当期の費用ではないため、損益計算書には振替後の金額を計上します。


問3 法人税等の計上

借方科目 金額 貸方科目 金額
法人税、住民税及び事業税 270,000 仮払法人税等 120,000
未払法人税等 150,000

算定過程

項目 計算 金額
年税額 900,000 × 30% 270,000
中間納付分 仮払法人税等の残高 120,000
未払法人税等 270,000 − 120,000 150,000
検算 120,000 + 150,000 270,000

解説

  • まず年税額 ¥270,000 を計算します。
  • 中間納付済みの ¥120,000 は仮払法人税等を取り崩して充当します。
  • 残額 ¥150,000 を未払法人税等とします。
  • 費用に計上するのは未払額 ¥150,000 ではなく、年税額 ¥270,000 の全額です。

問4 貸借対照表・損益計算書の表示額

# 項目 金額
貯蔵品(貸借対照表・資産) 8,000
未払法人税等(貸借対照表・負債) 150,000
法人税、住民税及び事業税(損益計算書) 270,000
仮払法人税等(貸借対照表) 0

解説

  • ①は問1、②・③は問3の結果です。
  • ④は、この問題では仮払法人税等 ¥120,000 の全額を問3で年税額に充当するため、決算整理後の残高は 0 です。
  • 「仮」のつく科目が常に必ずゼロになる、という一般ルールではありません。問題ごとに、その科目がどのように精算・振替されるかを確認してください。

# 第2部 消費税の税抜方式(問5)

4.設問

問5 次の各取引について、税抜方式による仕訳を示しなさい。なお、消費税の税率は 10% とする。

  1. 商品を仕入れ、代金は本体価格 ¥150,000 と消費税 ¥15,000 の合計を掛けとした。
  2. 商品を売り上げ、代金は本体価格 ¥240,000 と消費税 ¥24,000 の合計を掛けとした。

5.解答・解説

問5 消費税(税抜方式)の期中処理

1.仕入時

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 150,000 買掛金 165,000
仮払消費税 15,000

2.売上時

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 264,000 売上 240,000
仮受消費税 24,000

算定過程

取引 計算 金額
仕入時の消費税 150,000 × 10% 15,000
仕入時の掛代金 150,000 + 15,000 165,000
売上時の消費税 240,000 × 10% 24,000
売上時の掛代金 240,000 + 24,000 264,000

解説

  • 税抜方式では、本体価格と消費税額を分けて記録します。
  • 支払った消費税は仮払消費税、受け取った消費税は仮受消費税です。
  • 期末に仮払消費税と仮受消費税を整理する処理は、C14-T06「消費税の決算整理」で扱います。

6.間違いやすいポイント

1.貯蔵品へ振り替えるのは未使用分だけ

収入印紙・郵便切手の購入額すべてを貯蔵品にするのではありません。決算時点で未使用のものだけを資産へ振り替えます。

2.租税公課と法人税等を混同しない

収入印紙などは租税公課で処理しますが、法人税・住民税・事業税は法人税、住民税及び事業税を使います。

3.年税額と未払額を分けて考える

損益計算書に計上する費用 = 年税額

未払法人税等 = 年税額 − 中間納付額

中間納付額は仮払法人税等としてすでに支払っているため、決算時に年税額へ充当します。

4.税抜方式では本体価格と消費税を分ける

仕入・売上の本体価格に消費税を含めず、仮払消費税・仮受消費税を別に記録します。


7.まとめ

場面 基本的な処理
収入印紙・郵便切手の未使用分 (借)貯蔵品 /(貸)租税公課・通信費
法人税等の中間納付 (借)仮払法人税等 /(貸)普通預金など
法人税等の確定 (借)法人税、住民税及び事業税 /(貸)仮払法人税等・未払法人税等
税抜方式の仕入 (借)仕入・仮払消費税 /(貸)買掛金など
税抜方式の売上 (借)売掛金など /(貸)売上・仮受消費税

この章末問題では、C08-T03〜T05の内容を確認しました。

  • C08-T03「租税公課と貯蔵品」
  • C08-T04「法人税、住民税及び事業税」
  • C08-T05「消費税(税抜方式)」

消費税の決算整理は、C14-T06「消費税の決算整理」で扱います。


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