論点:総合
問29:労働基準法に定める寄宿舎及び労働基準監督官に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:使用者は、寄宿舎規則の作成又は変更について、寄宿する労働者の過半数を代表する者の意見を聴けば足りる。
- B:労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法巡査の職務を行う。
- C:使用者は、寄宿舎における寮長の選任について、労働者に対し指揮することができる。
- D:使用者は、寄宿舎規則の作成又は変更について、寄宿する労働者の過半数を代表する者の同意を得なければならない。
- E:事業場に労働基準法違反の事実がある場合において、労働者が行政官庁に申告したことを理由として、使用者が当該労働者を解雇することは、労働基準法上禁止されていない。
【第29問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】寄宿舎規則には同意が必要である。意見聴取で足りるのは就業規則である。
・B
【選択肢解説】労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う(労基法102条)。
・C
【選択肢解説】使用者は寄宿舎生活の自治に必要な役員の選任に干渉してはならない(労基法94条2項)。
・D
【論点】寄宿舎規則の手続(労基法95条)と就業規則との対比。【考え方】就業規則は労働者側の「意見を聴く」ことで足りるのに対し、寄宿舎規則は「同意を得る」ことが必要である。この意見聴取と同意の対比は、労基法における最も典型的なひっかけの一つである。また、使用者は寄宿舎に寄宿する労働者の私生活の自由を侵してはならず、寮長・室長その他寄宿舎生活の自治に必要な役員の選任に干渉してはならない(94条)。【選択肢解説】寄宿舎規則には同意が必要であるから、本記述は正しい。
・E
【選択肢解説】申告をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されている(労基法104条2項)。
論点:総合
問30:労働基準法に定める割増賃金の算定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:時間外労働が深夜に及んだ場合の割増率は、5割以上である。
- B:1か月について60時間を超える時間外労働に係る割増率は5割以上であり、令和5年4月1日から中小事業主にも適用されている。
- C:使用者は、労使協定により、1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金の引上げ分の支払に代えて、有給の休暇を与えることができる。
- D:住宅に要する費用に応じて算定される住宅手当は、割増賃金の算定基礎となる賃金から除外することができる。
- E:割増賃金の算定基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当及び皆勤手当を算入しないことができる。
【第30問:正解と解説】
正解:E
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】時間外2割5分以上+深夜2割5分以上で5割以上となる。
・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】中小企業への猶予は令和5年4月1日に廃止された。
・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労基法37条3項のとおりであり、代えられるのは引上げ分(2割5分)に相当する部分である。
・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】住宅に要する費用に応じて算定される住宅手当は除外できる。ただし、「住宅手当」という名称だけで除外できるわけではなく、住宅費用にかかわらず一律に支給されるものは算定基礎に算入する。
・E
【論点】割増賃金の算定基礎から除外できる賃金(労基法37条5項、則21条)。【考え方】除外できるのは「①家族手当②通勤手当③別居手当④子女教育手当⑤住宅手当⑥臨時に支払われた賃金⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」の7つに限られ、これは限定列挙である。したがって役職手当・皆勤手当・精勤手当・資格手当等は除外できない。なお、これらの手当は平均賃金の算定においては除外されない点も併せて対比する。【選択肢解説】皆勤手当は限定列挙に含まれず除外できないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

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