1.問題メタデータ
重要度:A 難易度:標準
- 大問:第2問
- パターン:P08 推定問題・固定資産台帳との照合
- 当サイト配点:20点
- 採点設計:A4点+B4点+C3点+D4点+E5点=20点
- 減価償却方法:定額法・間接法
- 出題方針:固定資産台帳と勘定残高資料を照合し、直接与えられていない取得原価・当期減価償却費・帳簿価額を残高関係から推定する
- 注意:20点という配点は当サイトの本試験形式・模擬試験用の設計です。
2.問題
当社の会計期間は毎年4月1日から翌年3月31日までです。備品は定額法・間接法で減価償却し、残存価額は0円とします。
当期は ×3年4月1日から×4年3月31日まで です。次の固定資産台帳と勘定残高資料には一部欠落があります。資料間の関係から空欄 A〜E を推定しなさい。
資料1 固定資産台帳
| 資産 | 取得日 | 取得原価 | 耐用年数 | 当期使用月数 |
|---|---|---|---|---|
| 備品甲 | ×1年4月1日 | 720,000円 | 5年 | 12か月 |
| 備品乙 | ×3年11月1日 | A | 4年 | 5か月 |
資料2 備品勘定に関する情報
- 期首残高:720,000円
- 当期中の売却・除却・廃棄:なし
- 期末残高:1,200,000円
資料3 備品減価償却累計額に関する情報
- 期首残高:288,000円
- 当期中の減少:なし
- 期末残高:482,000円
- 当期減価償却費合計:B
資料4 当期減価償却費
- 備品甲の当期減価償却費:C
- 備品乙の当期減価償却費:D
- 当期減価償却費合計:B
資料5 決算整理後の帳簿価額
- 備品取得原価合計:1,200,000円
- 備品減価償却累計額:482,000円
- 決算整理後の備品帳簿価額:E
3.正解
| 空欄 | 正解 |
|---|---|
| A | 480,000円 |
| B | 194,000円 |
| C | 144,000円 |
| D | 50,000円 |
| E | 718,000円 |
4.採点基準
| 採点箇所 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| A | 備品乙の取得原価480,000円 | 4点 |
| B | 当期減価償却費合計194,000円 | 4点 |
| C | 備品甲の当期減価償却費144,000円 | 3点 |
| D | 備品乙の当期減価償却費50,000円 | 4点 |
| E | 決算整理後の帳簿価額718,000円 | 5点 |
| 合計 | 20点 |
配点検算:4+4+3+4+5=20点
5.算定過程
① A:備品乙の取得原価
備品勘定は、
期首残高+当期増加-当期減少=期末残高
の関係で確認します。
当期中の売却・除却・廃棄はないため、当期減少は0円です。
720,000円+当期取得額=1,200,000円
したがって、
A=1,200,000-720,000=480,000円
です。
② B:当期減価償却費合計
備品減価償却累計額は、当期中の減少がないため、
期首累計額+当期増加額=期末累計額
となります。
288,000円+当期増加額=482,000円
したがって、
B=482,000-288,000=194,000円
です。
③ C:備品甲の当期減価償却費
備品甲は当期を通じて使用しています。
720,000円÷5年=144,000円
よって、
C=144,000円
です。
④ D:備品乙の当期減価償却費
まず、当期減価償却費合計から備品甲分を差し引きます。
194,000円-144,000円=50,000円
したがって、
D=50,000円
です。
固定資産台帳から別の方法でも確認できます。
備品乙の1年分の減価償却費は、
480,000円÷4年=120,000円
です。
11月1日から3月31日までは5か月なので、
120,000円×5か月÷12か月=50,000円
となり、差額で求めた金額と一致します。
⑤ E:決算整理後の帳簿価額
間接法では、
帳簿価額=取得原価-減価償却累計額
で確認できます。
1,200,000円-482,000円=718,000円
したがって、
E=718,000円
です。
6.別ルートで検算
当期減価償却費
- 備品甲:144,000円
- 備品乙:50,000円
144,000+50,000=194,000円
資料3の期首・期末差額、
482,000-288,000=194,000円
と一致します。
帳簿価額
備品甲の期末減価償却累計額は、
288,000+144,000=432,000円
なので、備品甲の帳簿価額は、
720,000-432,000=288,000円
です。
備品乙の期末減価償却累計額は50,000円なので、帳簿価額は、
480,000-50,000=430,000円
です。
したがって、
288,000+430,000=718,000円
となり、資料5から直接求めた金額と一致します。
7.解答するときの整理順
この問題では、空欄を上から順番に埋める必要はありません。まず、期首残高・期末残高・増減の有無から直接逆算できる箇所を探します。
- 備品勘定の期首・期末から当期取得額Aを求める
- 累計額の期首・期末から当期減価償却費合計Bを求める
- 固定資産台帳から備品甲のCを計算する
- BとCの差額からDを求め、月割計算で確認する
- 取得原価合計と累計額からEを求める
残高差額で推定した値を、個別計算でも確認すると、計算の取り違えに気づきやすくなります。
8.年度・範囲確認
- 定額法のみを使用
- 間接法では`備品減価償却累計額`を使用
- 11月1日取得の備品乙は、当期5か月分を月割計算
- 定率法は使用しない
- 売却・除却・廃棄の処理は扱わない
- 紙媒体の手形・小切手は使用しない
本問の「売却・除却・廃棄なし」は、備品勘定の期首・期末差額から当期取得額を一意に推定するための条件です。

コメント