商品棚卸と売上原価の決算整理 一問一答【全5問】

前提:三分法により、売上原価を仕入勘定で算定する場合とします。


重要度:A 論点:期首商品の振替(向きと意味)

問1(二択)

期首商品を当期の売上原価計算へ加えるための決算整理仕訳として適切なのはどちらか。

A:借方「仕入」・貸方「繰越商品」  B:借方「繰越商品」・貸方「仕入」

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正解:A(借方「仕入」・貸方「繰越商品」)

解説

期首商品は、前期末から繰り越され当期首に存在していた商品です。決算では、期首商品を販売可能商品原価へいったん全額加えるため、仕入へ振り替えます。そのうえで、期末に残った商品を2本目の仕訳で売上原価から除きます。

理由
借方:仕入 当期の売上原価計算へ加えるため、仕入を増やす
貸方:繰越商品 「期首時点の在庫」ではなくなるため、資産の繰越商品を減らす

売上原価の式でいえば「期首商品を足す」の部分にあたります。

B が誤りである理由:こちらは期末商品の振替の向きです。2本の仕訳は借方・貸方がちょうど逆になるため、いま扱っているのが期首か期末かを先に確かめてください。


重要度:A 論点:期末商品の振替(向きと意味)

問2(二択)

期末商品を当期の売上原価から除き、資産として翌期へ繰り越すための決算整理仕訳として適切なのはどちらか。

A:借方「仕入」・貸方「繰越商品」  B:借方「繰越商品」・貸方「仕入」

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正解:B(借方「繰越商品」・貸方「仕入」)

解説

期末商品は、決算日にまだ売れ残っている商品です。当期に売れていない以上、当期の売上原価には含めません。

理由
借方:繰越商品 翌期に売るための財産なので、資産として計上する
貸方:仕入 当期に売れていない分を、当期の売上原価から除く

売上原価の式でいえば「期末商品を引く」の部分にあたります。

A が誤りである理由:こちらは期首商品の振替の向きです。向きを逆にすると、売れ残りまで当期の費用に含めることになってしまいます。


重要度:A 論点:決算整理前残高試算表の繰越商品残高=期首商品

問3(二択)

決算整理前残高試算表に計上されている繰越商品の残高は、何を表しているか。

A:期首商品  B:期末商品

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正解:A(期首商品)

解説

繰越商品勘定は、期中には動かしません(商品の仕入れは仕入勘定、売上げは売上勘定で処理します)。したがって決算整理前の残高は、前期末から繰り越されてきたまま、つまり期首商品の金額です。

一方、期末商品の金額は試算表には載りません。決算日の実地棚卸によって判明するため、決算整理事項として別に与えられます。

与えられ方 何の金額か
決算整理前残高試算表の繰越商品 期首商品
決算整理事項の「期末商品棚卸高」 期末商品

B が誤りである理由:「繰越商品」という名前から「翌期へ繰り越す商品=期末商品」と読んでしまうためです。決算整理の残高であれば期末商品ですが、決算整理前は期首商品です。


重要度:A 論点:決算整理後の仕入残高の意味

問4(二択)

商品棚卸の決算整理を行ったの「仕入」勘定の残高は、何を表すか。

A:当期仕入  B:当期の売上原価

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正解:B(当期の売上原価)

解説

決算整理前の仕入残高は当期仕入を表しています。そこへ2本の振替を通すと、次のようになります。

当期仕入 + 期首商品 − 期末商品

これは売上原価の式そのものです。したがって、この単元で扱う基本形(三分法で売上原価を仕入勘定で算定する方法)では、決算整理後の仕入残高が当期の売上原価を表します。

損益計算書では、この金額が売上原価として表示されます。

A が誤りである理由:当期仕入を表しているのは決算整理前の残高です。「決算整理の前か後か」で意味が変わります。


重要度:A 論点:決算整理後の繰越商品残高の意味

問5(二択)

商品棚卸の決算整理を行ったの「繰越商品」勘定の残高は、何を表すか。

A:期首商品  B:期末商品

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正解:B(期末商品)

解説

2本の振替が繰越商品勘定に与える効果を順に追うと、次のようになります。

繰越商品勘定 動き
決算整理前の残高 期首商品
1本目(仕入/繰越商品) 期首商品が貸方で消える
2本目(繰越商品/仕入) 期末商品が借方で入る
決算整理後の残高 期末商品

期首商品がいったんゼロになり、そこへ期末商品が入る——これが2本の振替の正味の効果です。

この残高は資産として翌期へ繰り越され、貸借対照表では商品という表示名で流動資産に載ります。

A が誤りである理由:決算整理の残高が期首商品です(問3)。前後で意味が入れ替わる点に注意してください。



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