減価償却の定率法 計算問題【全5問】

【2027年度(2027年4月~)受験の方】

定率法は、2027年4月1日以降の試験で出題範囲となる論点です。

【2026年度(~2027年3月)受験の方】 この単元は出題範囲外です。


共通前提:各社の決算日は3月31日である。


重要度:A/難易度:初級 論点:定率法の初年度 2027年度から

問1(初級)

当期首に取得した備品(取得原価 ¥1,500,000)について、定率法(償却率 20%)により減価償却を行う。当期の減価償却費を求めなさい。

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正解¥300,000

算定過程

  • 当期首取得の初年度なので、期首帳簿価額 = 取得原価 = ¥1,500,000
  • 減価償却費 = 1,500,000 × 20% = ¥300,000

解説

  • 着眼点初年度は帳簿価額=取得原価なので、定額法と同じ土台で計算できます。
  • 手順①:資料から取得原価と償却率を拾う。
  • 手順②:取得原価 × 償却率。
  • よくある誤り:耐用年数で割ってしまう誤り(定額法との混同)。定率法では耐用年数を使いません。

重要度:A/難易度:初級 論点:2年目の定率法(帳簿価額への切り替え) 2027年度から

問2(初級)

問1の備品について、取得の翌年度(2年目)の減価償却費を求めなさい。なお、期首の備品減価償却累計額は ¥300,000 である。

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正解¥240,000

算定過程

  • 期首帳簿価額 = 1,500,000 − 300,000 = ¥1,200,000
  • 減価償却費 = 1,200,000 × 20% = ¥240,000

解説

  • 着眼点2年目からは帳簿価額が土台になります。 取得原価ではありません。
  • 手順①:取得原価 − 期首の累計額 = 期首帳簿価額。
  • 手順②:期首帳簿価額 × 償却率。
  • よくある誤り:取得原価 ¥1,500,000 に掛けて ¥300,000 とする誤り。本問のように通年で保有している年度どうしで同じ金額が出たら、取得原価に掛け続けている可能性があります。 各年度を通じて保有していれば、定率法の年額は通常年々減っていきます。

重要度:A/難易度:標準 論点:累計額と帳簿価額の推移 2027年度から

問3(標準)

車両運搬具(取得原価 ¥2,400,000、期首の車両運搬具減価償却累計額 ¥864,000)について、定率法(償却率 30%)により減価償却を行う。次の金額を求めなさい。

(1)当期の減価償却費 (2)当期末の車両運搬具減価償却累計額 (3)当期末の帳簿価額

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正解

(1)減価償却費:¥460,800 (2)期末の累計額:¥1,324,800 (3)期末の帳簿価額:¥1,075,200

算定過程

  • (1)期首帳簿価額 = 2,400,000 − 864,000 = ¥1,536,000

減価償却費 = 1,536,000 × 30% = ¥460,800

  • (2)期末の累計額 = 864,000 + 460,800 = ¥1,324,800
  • (3)期末の帳簿価額 = 2,400,000 − 1,324,800 = ¥1,075,200

(検算:期首帳簿価額 1,536,000 − 460,800 = 1,075,200 ✓)

解説

  • 着眼点累計額は積み上がり、帳簿価額は減っていきます。 3つの金額の関係を押さえてください。
  • 手順:①期首帳簿価額を出す → ②償却費を出す → ③累計額に足す → ④取得原価から引く。
  • 検算:期首帳簿価額 − 当期償却費 = 期末帳簿価額。2つの経路で同じ答えになれば正しいと確認できます。
  • よくある誤り:(2)で当期の償却費だけを答えてしまう誤り(累計額は期首残高に加算します)。

重要度:A/難易度:標準 論点:期中取得の月割と翌年度の計算 2027年度から

問4(標準)

×1年9月1日に取得した備品(取得原価 ¥1,200,000)について、定率法(償却率 25%)により月割で減価償却を行っている。次の金額を求めなさい。

(1)×2年3月期(取得年度)の減価償却費 (2)×3年3月期(翌年度)の減価償却費

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正解

(1)取得年度:¥175,000 (2)翌年度:¥256,250

算定過程

  • (1)使用期間は9月〜3月の7か月

年額 = 1,200,000 × 25% = ¥300,000 減価償却費 = 300,000 × 7/12 = ¥175,000

  • (2)×3年3月期の期首帳簿価額 = 1,200,000 − 175,000 = ¥1,025,000

減価償却費 = 1,025,000 × 25% = ¥256,250月割は不要

解説

  • 着眼点取得後そのまま保有・使用する場合、取得年度は使用月数で月割し、翌年度を1年間保有するなら1年分を計上します。 取得年度の月割額を毎年繰り返すわけではありません。
  • 手順①(取得年度):年額を出してから月割。
  • 手順②(翌年度):取得年度の償却費が累計額になっているので、それを取得原価から引いて帳簿価額を出す。
  • よくある誤り:取得年度の月割額をそのまま翌年度にも当てはめる誤り。また、翌年度の土台を取得原価 ¥1,200,000 のままにする誤り。
  • 年額の大小に注意:(2) の ¥256,250 は (1) の ¥175,000 より大きくなっています。取得年度を月割した場合、翌年度の1年分が取得年度より大きくなることがあります。
  • 月数の確認:9・10・11・12・1・2・3 で7か月

重要度:A/難易度:応用 論点:複数資産・方法混在の総合計算 2027年度から

問5(応用)

次の固定資産について、当期(×2年4月1日〜×3年3月31日)の減価償却費の合計額を求めなさい。それぞれ指定された方法によること。

資産 取得原価 償却方法 条件 期首の累計額
建物 4,000,000 定額法 耐用年数25年・残存価額ゼロ 480,000
備品 1,000,000 定率法 償却率 20% 360,000
車両運搬具 1,800,000 定率法 償却率 25%・×2年10月1日取得
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正解¥513,000

算定過程

  • 建物(定額法):4,000,000 ÷ 25年 = ¥160,000

※定額法では期首の累計額を使わない

  • 備品(定率法):期首帳簿価額 = 1,000,000 − 360,000 = ¥640,000

640,000 × 20% = ¥128,000

  • 車両運搬具(定率法・期中取得):使用期間は10月〜3月の6か月

年額 = 1,800,000 × 25% = ¥450,000 450,000 × 6/12 = ¥225,000

  • 合計 = 160,000 + 128,000 + 225,000 = ¥513,000

解説

  • 着眼点方法・条件が資産ごとに違う。 第3問(決算総合問題)の縮図です。
  • 手順:資産を1つずつ処理し、最後に合計します。まず「どの方法か」を確認してから計算に入ってください。
  • 方法ごとの違い
  • 定額法:取得原価が土台。期首の累計額は使わない
  • 定率法期首帳簿価額が土台。累計額を控除する
  • 期中取得:初年度のみ月割
  • よくある誤り
  • 建物で期首の累計額 ¥480,000 を控除してしまう誤り(定額法では不要
  • 車両運搬具の月割を忘れる誤り(¥450,000 としてしまう)
  • 備品に定額法を当てはめる誤り


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