減価償却の基本 計算・応用問題【全9問】

共通前提:当社の決算日は3月31日、会計期間は4月1日から翌年3月31日までである。減価償却の方法は定額法、記帳は間接法による。


重要度:A/難易度:初級 論点:定額法による1年分の減価償却費(残存価額ゼロ)

問1(初級)

次の備品について、当期の減価償却費を求めなさい。

  • 取得原価:¥600,000 耐用年数:5年 残存価額:ゼロ
  • 当期首以前に取得し、当期は耐用年数内で1年間を通じて使用している。
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正解:¥120,000

算定過程

  • 600,000 ÷ 5年 = 120,000円

解説

  • 着眼点:残存価額の指定を最初に確認する。ゼロなので取得原価をそのまま割ります。
  • 手順①:残存価額を確認する(ゼロ)。
  • 手順②:(取得原価 − 残存価額)÷ 耐用年数 で年額を求める。
  • よくある誤り:耐用年数を経過年数と取り違える。定額法の年額は、償却対象額を耐用年数で割って求めます。

重要度:A/難易度:初級 論点:定額法による1年分の減価償却費(建物・長期耐用年数)

問2(初級)

次の建物について、当期の減価償却費を求めなさい。

  • 取得原価:¥4,500,000 耐用年数:30年 残存価額:ゼロ
  • 当期首以前に取得し、当期は耐用年数内で1年間を通じて使用している。
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正解:¥150,000

算定過程

  • 4,500,000 ÷ 30年 = 150,000円

解説

  • 着眼点:建物は耐用年数が長く、桁が大きくなります。割り算の桁を慎重に。
  • 手順①:残存価額ゼロを確認。
  • 手順②:4,500,000 ÷ 30 = 150,000。
  • よくある誤り:桁を1つ間違えて 15,000 や 1,500,000 とする。年額 × 耐用年数 = 取得原価で検算できます(150,000 × 30 = 4,500,000)。

重要度:A/難易度:初級 論点:残存価額10%の定額法

問3(初級)

次の建物について、当期の減価償却費を求めなさい。

  • 取得原価:¥3,000,000 耐用年数:30年 残存価額:取得原価の10%
  • 当期首以前に取得し、当期は耐用年数内で1年間を通じて使用している。
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正解:¥90,000

算定過程

  • 残存価額=3,000,000 × 10% = 300,000円
  • 減価償却対象額=3,000,000 − 300,000 = 2,700,000円
  • 2,700,000 ÷ 30年 = 90,000円

解説

  • 着眼点:残存価額が「取得原価の10%」と指定されている。引いてから割る
  • 手順①:取得原価に10%を掛けて残存価額を求める。
  • 手順②:取得原価から残存価額を差し引く(=取得原価の90%)。
  • 手順③:耐用年数で割る。
  • よくある誤り:残存価額を引き忘れて 3,000,000 ÷ 30 = 100,000 とする。この10,000円の差が、そのまま計算結果の差になります。

重要度:A/難易度:標準 論点:期中取得の月割(9か月)

問4(標準)

×1年7月1日に取得した次の備品について、×2年3月31日決算における当期の減価償却費を月割で求めなさい。

  • 取得原価:¥720,000 耐用年数:6年 残存価額:ゼロ
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正解:¥90,000

算定過程

  • 年額=720,000 ÷ 6年 = 120,000円
  • 使用月数=7月・8月・9月・10月・11月・12月・1月・2月・3月 = 9か月
  • 120,000 × 9/12 = 90,000円

解説

  • 着眼点:期中取得なので月割が必要。年額を出してから月割する。
  • 手順①:年額を求める。
  • 手順②:取得月から決算月までを1か月ずつ数える。
  • 手順③:年額 × 使用月数 ÷ 12。
  • よくある誤り:月割を忘れて 120,000 とする。月数を8か月と数える(取得月を含めるのを忘れる)。

重要度:A/難易度:標準 論点:期中取得の月割(4か月)

問5(標準)

×1年12月1日に取得した次の車両運搬具について、×2年3月31日決算における当期の減価償却費を月割で求めなさい。

  • 取得原価:¥1,440,000 耐用年数:6年 残存価額:ゼロ
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正解:¥80,000

算定過程

  • 年額=1,440,000 ÷ 6年 = 240,000円
  • 使用月数=12月・1月・2月・3月 = 4か月
  • 240,000 × 4/12 = 80,000円

解説

  • 着眼点:期末に近い時期の取得。使用月数が少ないほど月割の影響が大きくなります。
  • 手順①〜③:問4と同じ。
  • よくある誤り:12月取得を「あと3か月」と数える。取得した月そのものを1か月目として数えます。

重要度:A/難易度:標準 論点:期中取得の月割(3か月・会計期間の確認)

問6(標準)

×3年1月1日に取得した次の備品について、×3年3月31日決算における当期の減価償却費を月割で求めなさい。

  • 取得原価:¥960,000 耐用年数:8年 残存価額:ゼロ
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正解:¥30,000

算定過程

  • 年額=960,000 ÷ 8年 = 120,000円
  • 使用月数=1月・2月・3月 = 3か月
  • 120,000 × 3/12 = 30,000円

解説

  • 着眼点:会計期間(4月1日〜3月31日)の途中である1月に取得しているため、当期の使用は3か月だけ。
  • よくある誤り:暦年と会計期間を混同し、1月から12月までの12か月分としてしまう。決算日は3月31日です。

重要度:A/難易度:応用 論点:固定資産台帳から累計額・帳簿価額まで算定

問7(応用)

次の固定資産台帳の資料から、備品の①当期減価償却費、②期末減価償却累計額、③期末帳簿価額を求めなさい。

  • 取得年月日:×1年4月1日 取得原価:¥800,000 耐用年数:8年 残存価額:ゼロ
  • 当期は×3年4月1日から×4年3月31日までである。
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正解

  • ① 当期減価償却費:¥100,000
  • ② 期末減価償却累計額:¥300,000
  • ③ 期末帳簿価額:¥500,000

算定過程

  • 年額=800,000 ÷ 8年 = 100,000円 …①
  • 経過年数:×1年4月1日取得、当期は3年目(×1年度・×2年度・×3年度)
  • 期首(決算整理前)累計額=100,000 × 2年 = 200,000円
  • 期末累計額=200,000 + 100,000 = 300,000円 …②
  • 期末帳簿価額=800,000 − 300,000 = 500,000円 …③
  • 検算:取得原価 800,000 = 累計額 300,000 + 帳簿価額 500,000 ✓

解説

  • 着眼点:3つの金額(当期費用・累計額・帳簿価額)を区別して求める。それぞれが表す期間・残高を取り違えないことがポイントです。
  • 手順①:年額を求める。
  • 手順②:取得年度から当期までの経過年数を数え、期首累計額を求める。
  • 手順③:期首累計額に当期分を足して期末累計額、取得原価から引いて帳簿価額。
  • よくある誤り:経過年数を1年ずらす。当期は取得から3年目であり、期首時点では2年分が積み上がっています。

重要度:A/難易度:応用 論点:耐用年数の長い資産の累計額・帳簿価額の算定

問8(応用)

次の固定資産台帳の資料から、建物の①当期減価償却費、②期末減価償却累計額、③期末帳簿価額を求めなさい。

  • 取得年月日:×1年4月1日 取得原価:¥6,000,000 耐用年数:30年 残存価額:ゼロ
  • 当期は×5年4月1日から×6年3月31日までである。
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正解

  • ① 当期減価償却費:¥200,000
  • ② 期末減価償却累計額:¥1,000,000
  • ③ 期末帳簿価額:¥5,000,000

算定過程

  • 年額=6,000,000 ÷ 30年 = 200,000円 …①
  • 経過年数:当期は5年目(×1〜×5年度)
  • 期首累計額=200,000 × 4年 = 800,000円
  • 期末累計額=800,000 + 200,000 = 1,000,000円 …②
  • 期末帳簿価額=6,000,000 − 1,000,000 = 5,000,000円 …③
  • 検算:6,000,000 = 1,000,000 + 5,000,000 ✓

解説

  • 着眼点:桁の大きい資産で、経過年数から累計額を積み上げる。問7と同じ手順を、耐用年数の長い建物で確認します。
  • よくある誤り:経過年数を1年ずらす。当期は取得から5年目であり、期首時点では4年分が積み上がっています。
  • 帳簿価額の式:帳簿価額=取得原価 − 累計額。残存価額は差し引きません(残存価額は年額を計算するときだけ使います)。

重要度:A/難易度:応用 論点:複数資産・月割・償却対象外を含む総合算定

問9(応用)

次の固定資産台帳の資料から、当期(×3年4月1日〜×4年3月31日)の減価償却費の合計額、および各資産の期末帳簿価額を求めなさい。残存価額はいずれもゼロである。

資産 取得年月日 取得原価 耐用年数
建物 ×1年4月1日 ¥3,600,000 30年
備品 ×3年10月1日 ¥600,000 5年
土地 ×1年4月1日 ¥2,000,000
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正解

  • 当期減価償却費の合計:¥180,000
  • 期末帳簿価額 建物:¥3,240,000/備品:¥540,000/土地:¥2,000,000

算定過程

  • 建物:年額=3,600,000 ÷ 30年 = 120,000円
  • 当期は3年目 → 期首累計額=120,000 × 2年 = 240,000円
  • 期末累計額=240,000 + 120,000 = 360,000円
  • 期末帳簿価額=3,600,000 − 360,000 = 3,240,000円
  • 備品:年額=600,000 ÷ 5年 = 120,000円
  • 当期取得(×3年10月1日)→ 10月から3月まで6か月 → 120,000 × 6/12 = 60,000円
  • 期末累計額=60,000円(当期が1年目)
  • 期末帳簿価額=600,000 − 60,000 = 540,000円
  • 土地使用期間にわたって取得原価を規則的に費用配分する減価償却の対象としない。 期末帳簿価額=取得原価のまま 2,000,000円
  • 当期減価償却費の合計=120,000 + 60,000 = 180,000円

解説

  • 着眼点:資産ごとに条件が異なる総合問題。1つずつ表に整理してから計算します。
  • 手順①:期首以前取得か当期取得かを判定し、当期取得なら月割する。
  • 手順②:土地を計算対象から外す。
  • 手順③:資産ごとに累計額と帳簿価額を求める。
  • よくある誤り:土地も償却してしまう。備品を月割せず120,000円としてしまう。建物の期首累計額の年数を1年ずらす。


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