重要度:A 論点:債権
問35:売買契約における債務不履行による解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:債務の全部の履行が不能であるときは、その履行不能が債権者の責めに帰すべき事由による場合を除き、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- B:債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示していない限り、債権者は無催告で契約を解除することはできない。
- C:当事者の一方が数個の債務を負担する場合において、その一部の履行が不能であるときは、常に契約の全部を解除することができる。
- D:債権者の責めに帰すべき事由によって債務の履行ができなくなったときであっても、債権者は契約を解除することができる。
【第35問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】無催告解除事由(542条1項1号)と解除が制限される場合(543条)。【選択肢解説】正しい。債務全部の履行不能の場合は無催告解除が認められる。ただし、その履行不能が債権者の責めに帰すべき事由による場合、債権者は解除できない。これが正解肢。
・B
【選択肢解説】誤り。無催告解除事由は明確な拒絶以外にも、全部の履行不能、一部不能かつ残存部分のみでは契約目的を達成できない場合、定期行為の履行時期徒過等が列挙されている(542条1項)。
・C
【選択肢解説】誤り。一部の履行不能の場合、原則としてその部分についてのみ解除でき、残存部分のみでは契約目的を達成できないときに限り契約全部を解除できる(542条1項3号)。
・D
【選択肢解説】誤り。債権者の責めに帰すべき事由による履行不能の場合、債権者は契約を解除することができない(543条)。
重要度:B 論点:債権
問36:Bの委託を受けて、CがBのAに対する債務を保証した場合において、Cが自己の財産をもってBの債務を弁済したときに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- A:Cは、Bに対して求償権を取得するが、これによりAが有していた債権及びその担保権は、当然にはCに移転しない。
- B:Cは、弁済をするについて正当な利益を有する者であるから、弁済により当然にAに代位し、Aが有していた債権及びその担保権を行使することができる。
- C:Cが弁済によりAに代位した場合であっても、Cは自己の求償権の範囲を超えてAの債権を行使することができる。
- D:弁済による代位が生じた場合、原債権は消滅し、Cは求償権のみを行使することができる。
【第36問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】誤り。正当な利益を有する者が弁済した場合、原債権及びその担保権は法律上当然にCに移転する(法定代位、499条・500条)。
・B
【論点】弁済による代位(499条・500条)。【考え方】保証人は「弁済をするについて正当な利益を有する者」に当たり、弁済により当然に(債権者の承諾等を要せず)債権者に代位する。【選択肢解説】正しい。これが正解肢。
・C
【選択肢解説】誤り。代位者は自己の求償権の範囲内でのみ原債権及び担保権を行使できる(501条2項)。
・D
【選択肢解説】誤り。Cは求償権を取得するだけでなく、その求償権の範囲内で、Aが有していた債権の効力及び担保としての一切の権利を行使することができる(501条1項・2項)。

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