宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第59問〜第61問|債権

重要度:B 論点:危険負担・危険の移転

問59:Aを売主、Bを買主とする甲建物の売買契約が締結された後、甲建物が当事者双方の責めに帰することができない事由により滅失した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、Aは甲建物の引渡しの履行を提供しておらず、Bもその受領を拒み、または受けることができない状態ではないものとする。

  • A:引渡し後に滅失した場合でも、Bは代金の支払いを拒むことができる。
  • B:引渡し前に滅失した場合、Bは代金の支払いを拒むことができない。
  • C:引渡し前に滅失した場合、Bは代金の支払いを拒むことができる。
【第59問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。引渡し後に当事者双方の責めに帰することができない事由で目的物が滅失したときは、買主は代金の支払いを拒むことができない(567条1項)。なお、引渡し前でも、売主が契約適合物の引渡しを提供したのに買主が受領を拒み、または受領できない場合は、提供後の双方無責の滅失について同様となる(同条2項)。
・B:誤り。本問のように、売主が引渡しの履行を提供しておらず、買主も受領拒絶等をしていない場合、引渡し前の双方無責の滅失では、買主は反対給付である代金の支払いを拒むことができる(536条1項)。
・C:正しい。本問では引渡し前で、567条2項の受領拒絶等の例外もないため、買主は代金の支払いを拒むことができる(536条1項)。【試験対策】原則の分岐点は「引渡し」だが、引渡し前でも、契約適合物の履行提供後に買主が受領を拒み、または受領できない場合は、危険が買主側へ移る。


重要度:A 論点:債権譲渡

問60:債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:債権譲渡の通知は、譲受人が自己の名で債務者に対して行うことができる。
  • B:譲渡制限特約の付された債権を譲渡した場合、その譲渡は無効である。
  • C:債権譲渡を債務者以外の第三者に対抗するには、確定日付のある証書による通知または承諾が必要である。
【第60問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。民法467条の通知は譲渡人がしなければならず、譲受人が自己の名で行う通知では対抗要件とならない。ただし、譲受人が譲渡人の代理人として通知することはできる。通知主体の入れ替えに注意。
・B:誤り。譲渡制限特約があっても譲渡自体は有効(令和2年改正)。「無効」とするのは改正前の悪意・重過失の場合の効果を引きずった旧法トラップ。
・C:正しい。第三者対抗要件は確定日付のある証書による通知・承諾。【試験対策】対抗要件の2段構え=「債務者に対して:通知または承諾(確定日付不要)」「第三者に対して:確定日付のある証書」。誰への対抗かで要件が変わる点と、通知の主体は譲渡人(譲受人からの通知は無効)である点がセットで頻出。


重要度:B 論点:連帯債務

問61:A・B・CがDに対して300万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:DがAに対して債務を免除した場合、B・Cの債務も消滅する。
  • B:DがAに対して履行を請求した場合、その効力はB・Cにも及ぶ。
  • C:AがDに対して300万円を弁済した場合、B・Cの債務も消滅する。
【第61問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。免除も相対効であり、他の債務者の債務は消滅しない(改正で相対効化)。
・B:誤り。令和2年改正により、請求は相対効となった(他の連帯債務者に効力が及ばない)。絶対効とする旧法トラップ。
・C:正しい。弁済は当然に絶対効であり、全員の債務が消滅する。【試験対策】改正後の絶対効は「弁済等・更改・相殺・混同」の4つだけ。請求・免除・時効完成は相対効に変わった=改正前の知識で作られた肢は旧法トラップとして切る。語呂「弁更相混(べんこうそうこん)だけ絶対」。


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