宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第7問〜第9問|総則

重要度:A 論点:無権代理の相手方の保護

問7:Bが代理権がないのにAの代理人と称して、Cとの間でA所有の甲土地の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:Cは、Bに代理権がないことを知っていた場合でも、Aに対して追認するかどうかを催告することができる。
  • B:Cは、Bに代理権がないことを知っていた場合でも、Aの追認前であれば契約を取り消すことができる。
  • C:Cが善意無過失であっても、Bが自己に代理権がないことを知らなかった場合には、CはBに対して履行または損害賠償の請求をすることができない。
【第7問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。催告権は相手方の善意悪意を問わず認められる。【試験対策】無権代理の相手方の3つの保護手段は要件が異なる=催告権(悪意でも可)/取消権(善意なら可)/無権代理人への責任追及(原則善意無過失。ただし無権代理人が悪意なら相手方に過失があっても可)。手段ごとの要件のずらしが定番のひっかけ。
・B:誤り。取消権は善意の相手方にのみ認められる。悪意の相手方は取消しできない。
・C:誤り。無権代理人が自己の無権限について善意であっても、相手方が善意無過失であれば履行または損害賠償を請求できる(無権代理人の責任は無過失責任)。


重要度:B 論点:無権代理と相続

問8:Bが代理権がないのにAの代理人としてA所有の甲土地をCに売却し、Aが生前に追認も追認拒絶もしないまま死亡した後の相続に関する次の記述のうち、判例によれば、正しいものはどれか。

  • A:Aが死亡してBが単独で相続した場合、Bは本人の資格で追認を拒絶することができる。
  • B:Aが死亡してBが単独で相続した場合、無権代理行為は当然に有効となり、Bは追認を拒絶することができない。
  • C:Bが死亡してAが相続した場合、Aは追認を拒絶することができない。
【第8問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。無権代理人が本人を相続した場合に追認拒絶を認めると、自らした無権代理行為の責任を免れることになり信義則に反する。
・B:正しい。本人が生前に追認も追認拒絶もしないまま死亡し、無権代理人が本人を単独相続した場合、無権代理行為は当然に有効となる(最判昭40.6.18)。ただし、本人が生前に追認を拒絶していた場合は、その後に無権代理人が本人を相続しても有効にならない(最判平10.7.17)。【試験対策】「無権代理人が本人を相続→原則として有効(拒絶不可)/本人が無権代理人を相続→拒絶可」。相続の方向と本人による事前の追認拒絶の有無を確認する。
・C:誤り。本人が無権代理人を相続した場合、本人の資格での追認拒絶は信義則に反しない(判例)。相続の方向の入れ替え。


重要度:A 論点:取得時効・消滅時効

問9:時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:占有開始時に善意無過失であった占有者は、占有中に悪意となった場合、20年間占有を継続しなければ所有権を時効取得できない。
  • B:債権は、債権者が権利を行使できることを知った時から10年間行使しないときに消滅する。
  • C:占有開始の時に善意かつ無過失であれば、10年間の占有継続により所有権を時効取得でき、債権は権利を行使できることを知った時から5年間の不行使で消滅する。
【第9問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。善意無過失は「占有開始時」に判定し、途中で悪意になっても10年で足りる。判定時点をずらすひっかけ。
・B:誤り。「知った時から」の期間は5年。10年は「権利を行使できる時から」の客観的起算点の期間であり、起算点と年数の組合せの入れ替え。
・C:正しい。取得時効10年(開始時善意無過失)、消滅時効は主観5年・客観10年。【試験対策】時効の数字は「取得:10年/20年(開始時判定)」「消滅:知った時5年/行使できる時10年」のセットで暗記。完成猶予(裁判上の請求等)と更新(確定判決→新たに10年)の用語もあわせて確認。


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