電験三種(第三種電気主任技術者)「法規」のうち、発電関連の計算(水力・太陽光・設備利用率)の問題です(大分類:電気施設管理(計算)・重要度A)。一問一答3問 → 五肢択一9問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:水力発電所の出力は、使用水量をQ[m³/s]、有効落差をH[m]、総合効率をηとすると、P=9.8QHη[kW]で求められる。
解答を見る
正解:○
水の位置エネルギーから、P=9.8QHη[kW]です。
重要度:A 難易度:★★☆
問2:調整池などを持たない流れ込み式水力発電所では、河川の流量が最大使用水量を超える期間、その超える分の水は発電に利用されず溢水となる。
解答を見る
正解:○
流れ込み式では最大使用水量を超える流量は使えず、溢水となります。
重要度:A 難易度:★★☆
問3:太陽電池発電設備を設置した需要家の自給率は、自家消費した電力量を太陽電池の発電電力量で割って求める。
解答を見る
正解:×
自給率は、自家消費した電力量を需要家の消費電力量で割って求めます。発電電力量で割る値は、発電した電力のうち自家消費に回った割合(自家消費率)です。
五肢択一
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:使用水量20m³/s、有効落差50m、水車と発電機の総合効率85%の水力発電所の出力[kW]として、正しいものはどれか。
- 81,634
- 11,529
- 9,800
- 8,330
- 850
【第4問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。P=9.8QHη=9.8×20×50×0.85=8,330kW
1:誤り。9.8を2回掛けています。
2:誤り。効率で割っています。
3:誤り。効率を掛けていません。
4:正しい。
5:誤り。9.8を掛けていません。
重要度:A 難易度:★★☆
問5:定格出力5,000kWの発電所の年間発電電力量が30,000MWhであった。この発電所の年間の設備利用率[%]として、最も近いものはどれか。
- 25.0
- 31.5
- 68.5
- 80.6
- 82.2
【第5問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。設備利用率=年間発電電力量/(定格出力×8,760h)×100=30,000,000/(5,000×8,760)×100≒68.5%
1:誤り。1日(24時間)で割っています。
2:誤り。1から引いています。
3:正しい。
4:誤り。効率で割っています。
5:誤り。日数を約300日で計算しています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:流れ込み式水力発電所があり、有効落差は80m、水車と発電機の総合効率は80%で一定である。年間を通じて河川流量は5m³/sで一定であり、すべて発電に使用できるものとする。
(a) この発電所の出力[kW]として、正しいものはどれか。
- 4,900
- 3,920
- 3,136
- 2,509
- 320
【第6問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。P=9.8×5×80×0.8=3,136kW
1:誤り。効率で割っています。
2:誤り。効率を掛けていません。
3:正しい。
4:誤り。効率を2回掛けています。
5:誤り。9.8を掛けていません。
重要度:A 難易度:★★☆
問7:流れ込み式水力発電所があり、有効落差は80m、水車と発電機の総合効率は80%で一定である。年間を通じて河川流量は5m³/sで一定であり、すべて発電に使用できるものとする。
(b) この発電所の年間発電電力量[MWh]として、最も近いものはどれか。
- 1,145
- 2,258
- 16,483
- 27,471
- 34,339
【第7問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。年間発電電力量=3,136kW×8,760h≒27,471,360kWh≒27,471MWh
1:誤り。時間を掛けず日数だけを掛けています。
2:誤り。1か月分です。
3:誤り。設備利用率60%を掛けています(出力一定なので不要です)。
4:正しい。
5:誤り。効率を掛けていません。
重要度:A 難易度:★★☆
問8:調整池式水力発電所がある。河川の自然流量は10m³/sで一定である。毎日、ピーク時の6時間だけ25m³/sの水を使って発電し、それ以外の時間は発電を停止して自然流量を調整池に貯める。有効落差は40m、総合効率は85%で一定とする。
(a) ピーク時の運転に必要な調整池の有効貯水量[m³]として、正しいものはどれか。
- 648,000
- 540,000
- 324,000
- 5,400
- 90
【第8問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。ピーク時の不足分=(25-10)m³/s×6h×3,600s/h=324,000m³
1:誤り。停止時間に貯まる水量を答えています。
2:誤り。自然流量を差し引いていません。
3:正しい。
4:誤り。時間を分で換算しています。
5:誤り。秒に換算していません。
重要度:A 難易度:★☆☆
問9:調整池式水力発電所がある。河川の自然流量は10m³/sで一定である。毎日、ピーク時の6時間だけ25m³/sの水を使って発電し、それ以外の時間は発電を停止して自然流量を調整池に貯める。有効落差は40m、総合効率は85%で一定とする。
(b) ピーク時の発電所の出力[kW]として、正しいものはどれか。
- 3,332
- 4,998
- 8,330
- 9,800
- 11,529
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。P=9.8×25×40×0.85=8,330kW
1:誤り。自然流量で計算しています。
2:誤り。不足分の流量で計算しています。
3:正しい。
4:誤り。効率を掛けていません。
5:誤り。効率で割っています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問10:太陽電池発電設備を設置した需要家の1か月の実績は、太陽電池の発電電力量6,000kWh、需要家の消費電力量8,000kWh、そのうち太陽電池の電力を自家消費した電力量4,500kWhであった。
(a) 系統へ送電した電力量(余剰電力量)[kWh]として、正しいものはどれか。
- 6,000
- 4,500
- 3,500
- 2,000
- 1,500
【第10問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。余剰電力量=発電電力量-自家消費電力量=6,000-4,500=1,500kWh
1:誤り。発電電力量を答えています。
2:誤り。自家消費電力量を答えています。
3:誤り。消費電力量から自家消費を引いています(系統から買った電力量)。
4:誤り。消費電力量と発電電力量の差を答えています。
5:正しい。
重要度:A 難易度:★☆☆
問11:太陽電池発電設備を設置した需要家の1か月の実績は、太陽電池の発電電力量6,000kWh、需要家の消費電力量8,000kWh、そのうち太陽電池の電力を自家消費した電力量4,500kWhであった。
(b) この需要家の自給率[%]として、最も近いものはどれか。
- 25.0
- 43.8
- 56.3
- 75.0
- 133.3
【第11問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。自給率=自家消費電力量/消費電力量×100=4,500/8,000×100≒56.3%
1:誤り。余剰電力量を発電電力量で割っています。
2:誤り。系統から買った電力量の割合です。
3:正しい。
4:誤り。自家消費電力量を発電電力量で割っています(自家消費率)。
5:誤り。消費電力量を発電電力量で割っています。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:ある河川地点の流況曲線は、横軸を日数d[日]、縦軸を流量Q[m³/s]とする連続した直線Q=30-0.05d(0≦d≦365)で表されるものとする。この地点に最大使用水量20m³/sの流れ込み式水力発電所を設けたとき、1年間のうち河川流量が最大使用水量を超える期間(溢水が生じる期間)の日数として、正しいものはどれか。
- 600
- 400
- 200
- 165
- 100
【第12問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。流況曲線は流量の大きい順に並べた連続曲線なので、流量が20m³/sを超える期間は30-0.05d>20、すなわち0≦d<200の範囲です。よって溢水が生じる期間は200日です。
1:誤り。30を0.05で割っています。
2:誤り。20を0.05で割っています。
3:正しい。
4:誤り。365日から200日を引いています(溢水しない日数)。
5:誤り。(30-20)を0.1で割っています。
「電気施設管理(計算)」の他の論点
- 需要率・負荷率・不等率と最大需要電力
- 変圧器の損失と効率(全日効率・トップランナー変圧器)
- 力率改善と進相コンデンサ・直列リアクトル
- 電圧降下と配電線路の計算
- 地絡電流と接地抵抗の計算(B種・D種、非接地系)
- 絶縁耐力試験の計算
- 架空電線路の強度計算(風圧荷重・弛度・支線)
- 高調波の計算
- 絶縁抵抗・漏えい電流の計算
- 短絡電流と遮断容量(%インピーダンス法)
- 接地抵抗の測定と接地極