「誤差分類・最確値・標準偏差」の問題集です。一問一答4問、五肢択一6問。各問題の「正解・解説を見る」を開いて答えを確認してください。
このページの略称:準則=作業規程の準則(国土交通省告示)
一問一答(○×)
問1 ○×
測定誤差を、共通の偏りbと観測ごとに変動する成分εの和とするモデルでは、共通の偏りbは系統誤差に当たります。
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正解:○
正しいです。法則的な成分と、変動する偶然成分を分けて扱います。
根拠:計算で検証:誤差モデルl=x+b+εの定義
問2 ○×
同じ対象を同じ方法で繰り返し測定すれば、偶然誤差は毎回同じ値になります。
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正解:×
誤りです。同条件でも偶然成分は変動し得ます。同じ方法で測ることは偶然誤差の固定を意味しません。
根拠:計算で検証:確率変数εと反復観測の定義
問3 ○×
転記ミスが疑われる観測値は、最小二乗調整へ入れる前に原記録との照合や再観測などで原因を点検します。
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正解:○
正しいです。過誤を正常な観測誤差として調整で正当化しません。異常に見えるだけで機械的に除外することとも違います。
根拠:計算で検証:観測モデルの前提と過誤の別扱い;誤転記の算術例;作業規程の準則 第65条・第69条(不良観測の再測等) [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
問4 ○×
全観測に同じ系統的な偏りが加わっていても、観測回数を増やして算術平均をとるだけで、その偏りは取り除けます。
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正解:×
誤りです。平均にも共通の偏りbがそのまま残ります。独立な偶然成分の減少とは区別します。
根拠:計算で検証:平均モデル及び共通偏りの反例
五肢択一
問5 正しいもの
同じ距離を独立・不偏・同精度で3回観測し、7.995 m、8.001 m、8.004 mを得ました。最小二乗法による最確値xと、2回目の残差v₂=観測値−xの正しい組を選んでください。各値は0.001 m位で示します。
- x=8.000 m、v₂=−0.001 m
- x=8.001 m、v₂=0.000 m
- x=8.000 m、v₂=+0.001 m
- x=24.000 m、v₂=−15.999 m
- x=7.998 m、v₂=+0.003 m
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正解:3
正解は3です。x=(7.995+8.001+8.004)/3=8.000 m。v₂=8.001−8.000=+0.001 mです。残差の符号は設問の定義に従います。
根拠:計算で検証:最小二乗目的関数の微分Σ(l_i−x)=0
計算で検証:平均を代入した残差和の恒等式
選択肢1:誤りです。最確値は正しいですが、残差を逆符号で計算しています。
選択肢2:誤りです。2回目の観測値を最確値にしており、3値の平均ではありません。
選択肢3:正しいです。算術平均と、観測値−平均による残差です。
選択肢4:誤りです。観測値の合計を3で割っていません。
選択肢5:誤りです。最初の2値だけの平均で、3回目を落としています。
問6 正しいもの
同一距離の独立・不偏な2観測は、30.000 m(標準偏差2 mm)と30.006 m(標準偏差1 mm)でした。既知分散の逆数に比例する重量で最小二乗法の最確値を求めてください。途中を丸めず、最後に0.001 m位へ四捨五入します。
- 30.001 m
- 30.003 m
- 30.004 m
- 30.005 m
- 30.006 m
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正解:4
正解は4です。重量比は(1/2²):(1/1²)=1:4。最確値=(30.000+4×30.006)/5=30.0048 m→30.005 mです。
根拠:計算で検証:重量付き最小二乗の微分
計算で検証:重量の定義;作業規程の準則 第70条第1項第二号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
選択肢1:誤りです。重量比を4:1と逆にすると30.0012 m→30.001 mになります。
選択肢2:誤りです。異精度を無視して単純平均をとっています。
選択肢3:誤りです。標準偏差の逆数で重量比1:2にすると30.004 mで、分散の逆数ではありません。
選択肢4:正しいです。重量比1:4で平均し、最後に四捨五入します。
選択肢5:誤りです。精度の高い観測だけを採用しています。両観測を指定重量で使います。
問7 正しいもの
同精度で独立な3観測12.002 m、11.998 m、12.000 mから、単観測の標準偏差を推定します。平均を最確値とし、不偏分散の平方根を用いると何mmですか。結果は1 mm単位の整数で答えてください。
- 1
- 2
- 3
- 4
- 8
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正解:2
正解は2です。平均12.000 mに対する残差は+2、−2、0 mm。二乗和8 mm²、不偏分散8/(3−1)=4 mm²よりs=2 mmです。
根拠:計算で検証:平均を代入した残差和の恒等式
計算で検証:E[Σ(l_i−平均)²]=(n−1)σ²の導出
選択肢1:誤りです。残差の絶対値4 mmを自由度2で割った2 mmを分散と誤認し、平方根を丸めると1になります。分散は二乗和から求めます。
選択肢2:正しいです。√{8/(3−1)}=2 mmです。
選択肢3:誤りです。分母を落として√8を整数へ丸めています。
選択肢4:誤りです。不偏分散4 mm²を標準偏差の数値として答えています。
選択肢5:誤りです。残差の二乗和8 mm²のままで、自由度による除算と平方根を行っていません。
問8 誤っているもの
単観測の標準偏差が6 mmである独立・不偏・同精度の観測を平均します。正確さに関する次の説明で誤っているものを選んでください。共通の系統誤差はありません。
- 4回の平均の標準偏差は3 mmです。
- 16回の平均の標準偏差は1.5 mmです。
- 観測回数4回と16回では、平均の標準偏差の比は2:1です。
- 平均の分散は単観測の分散を観測回数で割った値です。
- 回数を4回から16回へ増やすと、平均の標準偏差は4分の1になります。
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正解:5
正解は5です。平均の標準偏差は6/√n mm。n=4で3 mm、n=16で1.5 mmです。4倍の回数で半分になり、4分の1にはなりません。
根拠:計算で検証:Var(Σl_i/n)=Σσ²/n²
計算で検証:σ/√(4n)=σ/(2√n)
選択肢1:正しい説明です。6/√4=3 mmです。
選択肢2:正しい説明です。6/√16=1.5 mmです。
選択肢3:正しい説明です。3:1.5=2:1です。
選択肢4:正しい説明です。分散は36/n mm²です。
選択肢5:誤った説明です。標準偏差は平方根の逆数に比例し、この場合は半分です。
問9 組み合わせ
誤差と精度について、正しい記述の組を選んでください。重量は独立・不偏観測の既知分散の逆数に比例させます。
ア:法則的に現れる偏りは系統誤差として区別します。
イ:転記の過誤が疑われても、原因を調べず調整へ混ぜて正常な観測として扱います。
ウ:標準偏差が半分の観測には4倍の重量を与えます。
エ:共通偏り+2 mmは、単純に平均するだけでは取り除けません。
- ア・ウ・エ
- ア・イ・ウ
- イ・ウ・エ
- ア・エ
- ウだけ
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正解:1
正解は1です。ア・ウ・エが正しく、イは誤りです。過誤の点検、分散に反比例する重量、平均に残る共通偏りをそれぞれ区別します。
根拠:計算で検証:誤差モデルl=x+b+εの定義
計算で検証:観測モデルの前提と過誤の別扱い;誤転記の算術例;作業規程の準則 第65条・第69条(不良観測の再測等) [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
計算で検証:重量の定義;作業規程の準則 第70条第1項第二号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
計算で検証:平均モデル及び共通偏りの反例
選択肢1:正しいです。系統誤差、重量比、平均の偏りの3記述が正しいです。
選択肢2:誤りです。イは過誤の未点検を正当化し、正しいエを落としています。
選択肢3:誤りです。イを除き、アを加えます。
選択肢4:誤りです。重量比を述べるウも正しいです。
選択肢5:誤りです。ア・エも正しいです。
問10 正しいもの
独立・不偏・同精度のn回観測(n≥2)から平均を推定しました。残差二乗和をSとし、単観測の標準偏差推定s=√{S/[ア]}、平均の標準偏差推定=s/[イ]とするとき、空欄の正しい組を選んでください。
- ア=n、イ=n
- ア=n−1、イ=n
- ア=n−1、イ=√n
- ア=n+1、イ=√n
- ア=n、イ=√(n−1)
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正解:3
正解は3です。平均1個を推定した自由度はn−1です。平均の標準偏差はs/√nとなります。
根拠:計算で検証:E[Σ(l_i−平均)²]=(n−1)σ²の導出
計算で検証:Var(Σl_i/n)=Σσ²/n²
選択肢1:誤りです。不偏分散の自由度と標準偏差の縮小率がどちらも違います。
選択肢2:誤りです。不偏分散の分母は正しいですが、標準偏差をnで割りません。
選択肢3:正しいです。自由度n−1と、平均の標準偏差の平方根則です。
選択肢4:誤りです。推定した平均を考慮すると自由度は減り、n+1にはなりません。
選択肢5:誤りです。不偏分散の分母はn−1、平均化の分母は√nです。
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