情報セキュリティマネジメント 法務・標準・情報倫理 択一式(応用) 第26問〜第30問

重要度:B

問26:S社の従業員Tは、公益通報者保護法の対象となる通報対象事実について、不正の目的なく、S社が定めた社内通報窓口へ同法上の公益通報を行った。公益通報者保護法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:通報を理由とするTの解雇は無効となり、降格・減給などの不利益な取扱いも禁止される。
  • B:通報の内容が事実であっても、社外秘の情報に関わる通報は保護されない。
  • C:通報への対応が済むまで、Tを自宅待機とする処分は正当と認められる。
  • D:通報窓口の整備は事業者の任意であり、法律上の義務を負う事業者はない。
【第26問:正解と解説】

正解:A

・A
正しい。公益通報を理由とする解雇は無効となり、降格、減給、自宅待機その他の不利益な取扱いも禁止される。

・B
通報内容に社外秘の情報が含まれるという理由だけで、公益通報者保護法上の保護が当然に否定されるわけではない。対象となる通報事実、通報先及び不正目的の有無など、法定要件に基づいて判断する。

・C
調査上の必要性など、通報とは別の正当な理由に基づく措置まで一律に禁止されるわけではないが、公益通報を理由とする自宅待機などの不利益な取扱いは、名目を問わず禁止される。

・D
2026年8月1日時点では、常時使用する労働者が300人を超える事業者に内部公益通報対応体制の整備が義務付けられ、300人以下の事業者には努力義務がある。


重要度:B

問27:災害の発生直後に、善意の利用者が誤った救援情報を事実と信じてSNSで拡散した。この情報の分類として、最も適切なものはどれか。

  • A:だます意図をもって作られた虚偽の情報であるため、ディスインフォメーションに当たる。
  • B:事実に基づき悪意をもって広められた情報であるため、マルインフォメーションに当たる。
  • C:誤りではあるが、広めた側にだます意図がないため、ミスインフォメーションに当たる。
  • D:発信の経路がSNSであるため、3つの類型のいずれにも分類されない。
【第27問:正解と解説】

正解:C

・A
ディスインフォメーションは、だます意図の存在が分類の決め手である。

・B
マルインフォメーションは事実に基づく点で、誤情報の本問とは異なる。

・C
正しい。内容の誤りと、意図の不在の組合せがミスインフォメーションである。

・D
分類は内容と意図で決まり、発信の経路には左右されない。


重要度:B

問28:U社の広報担当者は、自社に関する真偽不明の情報がSNSで拡散しているのを発見した。対応の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • A:誤りと断定できるまでは対応を保留し、投稿の拡散が収まってから訂正を検討する。
  • B:拡散した投稿は削除されれば影響も消えるため、削除の依頼だけで対応を完結させる。
  • C:社内で共有されている見解を、一次情報との照合は待たずに先に対外発表する。
  • D:一次情報で事実関係を検証し、複製が残り続ける前提で速やかに事実を説明する。
【第28問:正解と解説】

正解:D

・A
対応を保留している間にも誤情報が拡散・定着し、複製や転載が残る可能性がある。直ちに誤りと断定するのではなく、一次情報による検証を速やかに始め、確認できた事実を適切な時期に説明する。

・B
一度拡散した情報は複製や転載で残り続け(デジタルタトゥー)、削除だけで影響が消えることは期待できない。

・C
検証を経ない発表は、誤りだった場合に自ら誤情報を発信することになる。

・D
正しい。ファクトチェックの考え方で一次情報に当たって検証し、デジタルタトゥーの性質を踏まえて速やかに事実に基づく説明を行う。


重要度:B

問29:金融商品取引法に基づく内部統制報告制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:全ての中小企業に対して、内部統制報告書の提出を義務付ける制度である。
  • B:上場会社等が財務報告に係る内部統制を評価し、報告して監査を受ける制度である。
  • C:情報システム部門が、システム障害の発生件数を金融庁へ届け出る制度である。
  • D:内部統制の評価は任意であり、提出するかどうかは会社の判断に委ねられる。
【第29問:正解と解説】

正解:B

・A
対象は上場会社等であり、全ての中小企業に課されるものではない。

・B
正しい。財務報告の信頼性の確保を目的とし、ITの統制も評価対象に含まれる。

・C
障害件数の届出制度ではなく、内部統制の評価と報告の制度である。

・D
対象会社にとって評価と報告書の提出は法律上の義務である。


重要度:C

問30:V社の従業員が、生成AIサービスを使って顧客向けの提案資料を作成しようとしている。法務・情報倫理の観点から最も適切な利用方法はどれか。

  • A:生成された文章や図は、体裁を整える修正だけを行って顧客へ提出する。
  • B:資料の質を高めるため、顧客の機密情報も必要に応じてサービスへ入力する。
  • C:出力の正確性や著作権・個人情報への影響を確認し、人が最終責任をもって利用する。
  • D:内容の誤りに関する顧客への責任は、サービスの提供者が負うものと整理する。
【第30問:正解と解説】

正解:C

・A
体裁の修正だけでは、内容の誤りや権利への影響が確認されないまま顧客へ渡ることになる。

・B
入力内容の保存期間、モデル改善への利用、管理者による制御などは、サービス、契約、プラン及び設定によって異なる。顧客の機密情報は、社内規程と契約上の守秘義務を確認し、入力が承認された環境・条件である場合を除いて入力しない。

・C
正しい。確認と責任の所在を人に置くことが、業務利用の前提である。

・D
サービス提供者が契約や法令に基づく責任を負う場合はあるが、利用企業が出力を確認せず顧客向け資料として使用した責任まで、当然に提供者へ移るわけではない。利用企業は、正確性、権利侵害、個人情報、機密情報などを確認し、利用判断に責任を持つ。


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