情報セキュリティマネジメント 法務・標準・情報倫理 択一式(応用) 第16問〜第20問

重要度:B

問16:SNS上で自分への誹謗中傷の投稿を発見した利用者への対応に関連して、情報流通プラットフォーム対処法が大規模なプラットフォーム事業者に義務付けている内容はどれか。

  • A:全ての投稿を公開する前に人手で審査し、権利侵害を事前に遮断すること
  • B:投稿者の氏名と住所を、被害を訴える利用者へ直ちに開示すること
  • C:侵害情報の送信防止を求める申出方法を公表し、調査後、原則14日以内に結果を通知すること
  • D:誹謗中傷を行った利用者を、事業者自身の判断で刑事告発すること
【第16問:正解と解説】

正解:C

・A
事前の全件審査までは義務付けられていない。求められるのは申出への対応である。

・B
本法には発信者情報開示請求と発信者情報開示命令の制度があるが、被害を申し出ただけで氏名・住所が直ちに開示されるわけではない。法定要件を満たす開示請求や裁判手続などによる。

・C
正しい。大規模特定電気通信役務提供者は、権利を侵害されたとする者が侵害情報送信防止措置を申し出る方法を定めて公表し、申出後に必要な調査を行う。原則として申出を受けた日から14日以内に、措置を講じたか、講じなかった場合はその旨と理由を通知する。送信防止措置の実施基準や実施状況の公表も求められる。

・D
刑事告発の義務はない。本法は削除申出への対応の仕組みを定める。


重要度:A

問17:L社の従業員Mが、業務としてL社の指示により開発したプログラムの著作権の帰属に関する記述として、最も適切なものはどれか。契約や勤務規則に特段の定めはないものとする。

  • A:実際に創作したのは従業員Mであるため、著作権は常にMに帰属する。
  • B:著作権は使用者であるL社と創作者Mが2分の1ずつ共有することになる。
  • C:MがL社を退職した時点で、著作権はMへ移転する。
  • D:職務著作の要件を満たすため、L社が著作者となり著作権はL社に帰属する。
【第17問:正解と解説】

正解:D

・A
職務上の創作では、要件を満たせば法人が著作者となる。

・B
共有とする規定はない。要件を満たせば法人に帰属する。

・C
帰属は作成の時点で定まり、退職によって移転することはない。

・D
正しい。プログラムの著作物について、L社の発意に基づき、従業員Mが職務上作成し、契約や勤務規則に別段の定めがないため、L社が著作者となる。プログラムの著作物では、一般の職務著作における法人名義での公表要件は必要とされない。


重要度:C

問18:著作権法上、著作権者の許諾なく行える行為はどれか。

  • A:購入した音楽CDを、自分自身で聴くために自分の再生機器へ複製する行為
  • B:1台用ライセンスの業務用ソフトを、部署の全員のPCへ複製して利用する行為
  • C:社外の記事を全文複製し、社内の全従業員へ電子メールで配布する行為
  • D:他社のWebサイトの文章を、出所を示さずに自社の資料へ転載する行為
【第18問:正解と解説】

正解:A

・A
正しい。個人的に使用するための複製は、私的使用として許諾なく行える。ただし、技術的保護手段の回避を伴う複製などは私的使用でも認められない。

・B
業務での組織的な複製は私的使用に当たらず、許諾されたライセンスの範囲を超える複製は認められない。

・C
社内配布のための全文複製は私的使用の範囲を超え、許諾が必要である。

・D
引用の要件(出所の明示・正当な範囲)を満たしておらず、認められない。


重要度:B

問19:N社の顧客名簿が退職者に持ち出された。しかし名簿は誰でも閲覧できる共有フォルダに置かれ、秘密である旨の表示もアクセス制限もなかった。不正競争防止法上の営業秘密としての保護に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  • A:顧客名簿は事業に有用であるため、管理の状態を問わず営業秘密として保護される。
  • B:持ち出した行為が悪質であれば、管理の状態を問わず営業秘密として保護される。
  • C:秘密管理性の要件を欠き、営業秘密としての保護は受けられないおそれが大きい。
  • D:非公知性の要件を欠くため、営業秘密としての保護は受けられない。
【第19問:正解と解説】

正解:C

・A
有用性だけでは足りず、3要件の全てを満たす必要がある。

・B
行為の悪質さは要件の充足を代替しない。管理の実態が問われる。

・C
正しい。本件では、誰でも閲覧できる共有フォルダに置かれ、秘密表示、アクセス制限その他の管理もないため、従業員が秘密として管理されている情報だと認識できる状況に乏しく、秘密管理性を欠くおそれが大きい。秘密管理性は、表示やアクセス制限の有無だけでなく、情報の性質、規程、周知などを含む管理の実態から判断する。

・D
社外に知られていない名簿であれば非公知性はあり得る。欠けているのは秘密管理性である。


重要度:C

問20:W社は、コピーレフト型のライセンスで公開されているOSSのライブラリを自社製品へ組み込み、製品として顧客へ配布する。ライセンス上の対応として最も適切なものはどれか。

  • A:社内で開発した部分の著作権を放棄し、製品の全体を自由な利用に供する
  • B:ライセンスの条件に従い、著作権表示や対応するソースコードの提供に応じる
  • C:OSSは無償で公開されているため、条件の確認や表示は行わずに配布する
  • D:組み込んだ事実を公表しなければ、ライセンスの条件は適用されない
【第20問:正解と解説】

正解:B

・A
コピーレフトは著作権の放棄ではなく、著作権を前提に条件付きで利用を許諾する仕組みである。

・B
正しい。著作権表示、ライセンス文書の同梱、対応するソースコードの提供など、必要な対応はライセンスの種類・版、ライブラリの組込み方や改変の有無、製品の配布方法によって異なる。対象OSSの正確なライセンスと利用条件を確認し、その条件に従う必要がある。

・C
無償での公開と条件のない利用は別である。条件に反する配布はライセンス違反となる。

・D
公表の有無にかかわらず、配布した時点でライセンスの条件に従う義務が生じる。


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