FP技能士2級 実技・事例問題 相続・事業承継 第11問(四肢択一)
設例
2026年4月1日現在の法令等に基づくものとし、以下の設例に基づいて解答すること。
杜脇輝紀朗さんは2026年9月22日に死亡した。妻は2016年2月24日に死亡しており、唯一の実子である長男の杜脇匡生朗さんが全財産を相続した。養子・他の子・代襲者はなく、相続放棄はない。長男は日本国籍を有して国内に居住する居住無制限納税義務者である。土地と家屋は被相続人が単独所有していた。
資料:取得財産と負担(単位:円)
| 項目 | 金額 | 前提 |
|---|---|---|
| 被相続人の自宅敷地 | 52936842 | 294㎡。自用地で価額は小規模宅地等特例の適用前 |
| 自宅家屋 | 13824169 | 専用住宅。土地とは別評価 |
| 預貯金 | 24183726 | これ以外の預貯金なし |
| 死亡保険金 | 6924715 | 被相続人が保険料全額を負担。長男のみが受取人 |
| 被相続人の借入金 | 3816247 | 相続開始時に現存する確実な債務。長男が全額負担 |
| 控除対象の葬式費用 | 972158 | 長男が全額負担。法要・墓碑代を含めない |
資料:居住歴等
| 確認事項 | 状況 |
|---|---|
| 被相続人 | 自宅全体に一人で居住。相続開始時に配偶者も同居相続人もいない |
| 長男の居住 | 2024年1月16日から相続開始時まで、妻の杜脇遥紗乃さんが所有する国内の家屋に居住。2023年9月22日から相続開始日までの期間中の事実である |
| 長男の所有歴 | 現在住む妻所有の家屋を、長男が過去に所有していたことはない |
| 取得と保有 | 相続財産の帰属は確定し未分割なし。自宅敷地を申告期限2027年7月22日まで保有 |
| 用途等 | 自宅敷地に事業・貸付部分はない。被相続人と長男は別生計であり、他に特例の対象となる宅地はない |
以上の居住歴を変更せずに計算する。他の評価減は使わない。死亡退職金、生前贈与加算、他の財産・債務はない。求める額は遺産に係る基礎控除を差し引く前の課税価格の合計で、税額控除は計算しない。
設問
設例の資料を参照して、各人の課税価格の合計額を選んでください。単位は円。適用できる特例だけを使い、各人の課税価格の1,000円未満を切り捨てて合計してください。
- 45,731,000円
- 88,081,000円
- 93,081,000円
- 89,053,000円
正解と解説を見る
正解:2
正答は2。別居親族は相続開始前3年以内に配偶者所有の国内家屋へ居住していないことが必要。本件の長男はその期間内に妻所有の家屋に住んでおり、居住用宅地の減額は使えない。面積294㎡が限度以内でも、この取得者要件の不足は解消しない。申告・帰属の手続や保有だけでは足りない。放棄のない実子1人の保険非課税は500万円。確実な借入と葬式費用を控除する。52,936,842+13,824,169+24,183,726+(6,924,715−5,000,000)−3,816,247−972,158=88,081,047円、切捨て後は88,081,000円。誤答の原因:1の45,731,000円は取得者の居住歴を無視して土地52,936,842円へ80%減額した値。3の93,081,000円は死亡保険金の非課税500万円を使わなかった値。4の89,053,000円は控除対象の葬式費用972,158円を控除しなかった値。
※設例に登場する人物・団体はすべて架空のものであり、実在のものとは関係ありません。