FP技能士2級 実技・事例問題 相続・事業承継 第5問(四肢択一)
設例
2026年4月1日現在の法令等に基づくものとし、以下の設例に基づいて解答すること。
槻岸悠晴朗さんは2026年7月14日に死亡した。妻は先に死亡し、唯一の実子である長女の槻岸緒澄乃さんが全財産を相続した。養子・他の子・代襲者はなく、相続放棄はない。長女は日本国籍を有し国内に居住する居住無制限納税義務者で、被相続人とは別生計であった。土地と家屋は被相続人が単独所有していた。
資料:取得財産・負担(単位:円)
| 項目 | 相続税評価額等 | 前提 |
|---|---|---|
| 自宅敷地 | 68753780 | 367㎡。自用地、1㎡当たり187,340円で均一。小規模宅地等特例による減額前 |
| 自宅家屋 | 15841329 | 土地と別の評価額。専用住宅一戸 |
| 預貯金 | 31642817 | 他の預貯金なし |
| 死亡保険金 | 9468215 | 受取人は長女のみ。被相続人が保険料を全額負担 |
| 確実な借入債務 | 2736918 | 被相続人の現存債務。長女が全額負担 |
| 控除対象の葬式費用 | 947536 | 長女が全額負担。法要・墓碑の費用は含めない |
資料:住居と相続後の状況
| 確認事項 | 状況 |
|---|---|
| 被相続人の住居 | 相続開始直前まで自宅全体に一人で居住。配偶者・同居相続人なし。事業用・貸付用の部分なし |
| 長女の住居 | 2023年7月14日から2026年7月14日までの全期間、無関係の第三者が所有する国内の借家に居住。本人・配偶者・三親等内親族・特別関係法人の所有家屋に居住したことはない |
| 住居の所有歴 | 相続開始時に居住する借家を、相続開始前に長女が所有していた時期は一度もない |
| 保有・帰属 | 相続開始から申告期限2027年5月14日まで敷地全体を保有。財産の帰属確定、未分割財産なし |
| 申告・選択 | 申告期限までに必要書類を添えて小規模宅地等特例を申告し、適用可能な面積を最大限選択する |
申告期限時までの保有・申告状況を含めた設例である。特例の対象となる宅地はこの一筆だけで、併用面積の調整を要する他の宅地はない。他の評価減、退職金、生前贈与加算、他の財産・債務はない。遺産に係る基礎控除を差し引く前の課税価格を求め、相続税額・税額控除は計算しない。
設問
設例の資料を参照して、小規模宅地等の特例を適用した後の課税価格の合計額を選んでください。単位は円。各人の課税価格の1,000円未満を切り捨てて合計します。
- 67,563,000円
- 62,018,000円
- 72,563,000円
- 117,021,000円
正解と解説を見る
正解:1
正答は1。別居親族の条件を資料と照合し、配偶者・同居相続人なし、居住歴・所有歴・期限までの保有を満たす。申告と帰属の条件も充足する。367㎡のうち330㎡について80%減額する。減額は187,340×330×0.8=49,457,760円、特例後の土地は68,753,780−49,457,760=19,296,020円。法定相続人は実子1人、長女の保険金の非課税は500万円。確実な借入と葬式費用だけを控除する。課税価格は19,296,020+15,841,329+31,642,817+(9,468,215−5,000,000)−2,736,918−947,536=67,563,927円。各人の1,000円未満切捨てで67,563,000円。誤答の原因:2の62,018,000円は367㎡全体を80%減額し、土地を13,750,756円として限度面積を超えたもの。3の72,563,000円は死亡保険金の500万円非課税を使わなかったもの。4の117,021,000円は要件を満たす小規模宅地等特例の49,457,760円の減額を行わなかったもの。
※設例に登場する人物・団体はすべて架空のものであり、実在のものとは関係ありません。