① このページで学ぶこと
このページでは、取引を見てどの補助簿へ記入するかを判断する方法を整理します。
C11-T02では補助記入帳、C11-T03では補助元帳を学びました。ここでは、それぞれの帳簿を個別に覚え直すのではなく、取引の中にある管理対象を見つけて、関係する補助簿を選ぶ練習につなげます。
ポイントは、1つの取引が複数の補助簿に関係することもあれば、本教材で扱う補助簿には該当しないこともあるという点です。
② この単元で使う9冊の補助簿
両年度共通の学習では、次の9冊を使って考えます。
補助記入帳
- 現金出納帳
- 当座預金出納帳
- 小口現金出納帳
- 仕入帳
- 売上帳
補助元帳
- 売掛金元帳
- 買掛金元帳
- 商品有高帳
- 固定資産台帳
各帳簿の細かな記入方法は、それぞれの本編単元で扱います。この単元では、どの帳簿が関係するかという判断に集中します。
③ 補助簿を選ぶ3ステップ
ステップ1 取引内容を把握し、仕訳を整理する
まず、何が増え、何が減った取引なのかを確認します。必要なら頭の中で仕訳まで整理します。
ステップ2 取引に含まれる管理対象を確認する
仕訳に登場する科目だけでなく、商品そのものが増減したか、固定資産を取得したかなども確認します。
商品有高帳はこの確認が特に重要です。三分法では商品を売買しても「商品」という勘定科目が仕訳に出ないため、仕訳科目だけを機械的に置き換える方法では見落とすことがあります。
ステップ3 関係する補助簿を漏れなく選ぶ
最後に、管理対象に対応する補助簿を選びます。1取引で2冊以上に関係することもあります。
④ 取引と補助簿の対応
| 取引・管理対象 | 関係する補助簿 |
|---|---|
| 現金の増減 | 現金出納帳 |
| 当座預金の増減 | 当座預金出納帳 |
| 小口現金の増減 | 小口現金出納帳 |
| 商品の仕入れ・仕入返品 | 仕入帳 |
| 商品の売上げ・売上返品 | 売上帳 |
| 売掛金の増減 | 売掛金元帳 |
| 買掛金の増減 | 買掛金元帳 |
| 商品の受入れ・払出し・返品 | 商品有高帳 |
| 固定資産の取得・売却など | 固定資産台帳 |
ここで大切なのは、帳簿名を取引の見た目だけで決めないことです。
たとえば備品を買っても、それは販売目的の商品を仕入れた取引ではないため、仕入帳の対象にはなりません。
⑤ 複数の補助簿に関係する例
商品150,000円を売り上げ、50,000円を現金で受け取り、残額100,000円を掛けとしたとします。
仕訳は、
(借)現金 50,000円、売掛金 100,000円 / (貸)売上 150,000円
です。
この取引では、
- 商品を売った → 売上帳
- 現金が増えた → 現金出納帳
- 売掛金が増えた → 売掛金元帳
- 商品を払い出した → 商品有高帳
が関係します。
1つの取引でも、管理する内容が複数あれば、複数の補助簿へつながります。
⑥ 該当する補助簿がない例
従業員への給料を普通預金口座から支払ったとします。
仕訳は、
(借)給料 / (貸)普通預金
です。
この取引では、本教材で扱う9冊の補助簿の中に、給料や普通預金だけを記録する専用帳簿はありません。
したがって、この9冊の中では該当なしと判断します。
「取引があればどれか1冊を選ぶ」と決めつけず、対象となる補助簿があるかを取引ごとに確認します。
⑦ 返品・回収・固定資産で迷わないために
売上返品
掛売上した商品について返品を受けた場合は、
- 売上帳
- 売掛金元帳
- 商品有高帳
が関係します。
返品でも商品が戻ってくるため、商品有高帳の対象になります。具体的な商品有高帳への記入額・記入方法はC03-T04/T05で扱います。
売掛金の回収
売掛金を回収しただけなら、新たな商品の売上げではありません。したがって、売上帳や商品有高帳へ売上取引として再記入するものではありません。
回収方法が当座預金なら当座預金出納帳、売掛金の減少については売掛金元帳が関係します。
普通預金へ入金された場合は、本教材で扱う9冊の中には普通預金専用の出納帳を置いていないため、売掛金元帳を確認します。
備品の購入
事務用の机やパソコンなどを取得した場合は、販売目的の商品ではありません。
したがって仕入帳ではなく、固定資産台帳を確認します。
⑧ 年度差と本試験形式の扱い
このページの本文と一問一答は、2026年度・2027年度の両方で使える共通部分に絞っています。
2026年度では紙媒体の手形に対応する手形記入帳を扱う場面がありますが、2027年度ではその年度限定部分を使用しません。
本サイトでは、年度差を含む完全な補助簿選択の第2問形式は、E-T05「第2問P04 補助簿の選択」で分けて扱います。
⑨ 主な間違いやすいポイント
1.1取引につき1冊だと思う
同じ取引に、現金・商品売買・売掛金など複数の管理対象が含まれれば、複数の補助簿が関係します。
2.仕訳科目だけを見て商品有高帳を落とす
三分法では、商品売買でも「商品」勘定が仕訳に出ないことがあります。商品そのものが動いたかを別に確認します。
3.「買った取引だから仕入帳」と考える
仕入帳は販売目的の商品を仕入れた取引を記録する帳簿です。備品など固定資産の取得とは区別します。
4.普通預金を当座預金と同じように扱う
本教材で扱う9冊では、当座預金には当座預金出納帳がありますが、普通預金専用の出納帳は置いていません。
⑩ まとめ
補助簿の選択は、次の順番で考えます。
- 取引内容を把握し、仕訳を整理する
- 商品の増減など、取引に含まれる管理対象を確認する
- 対応する補助簿を漏れなく選ぶ
特に、
- 1取引から複数の補助簿が選ばれることがある
- 商品有高帳は「商品が動いたか」を確認する
- 本教材の9冊では該当する補助簿がない取引もある
- 個別帳簿の詳細記入と、本単元の「選択判断」を混同しない
という4点を押さえておきましょう。

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