材料費②(消費額の計算・予定消費価格・棚卸減耗) 一問一答 第6問〜第8問

問6

材料消費価格差異について正しいものを1つ選びなさい。

A. 差異は「(実際価格-予定価格)×実際消費量」で求め、正なら有利差異で借方に記入する
B. 差異は「(予定価格-実際価格)×受入数量」で求め、正なら有利差異で貸方に記入する
C. 差異は「(予定価格-実際価格)×実際消費量」で求め、正なら不利差異で借方に記入する
D. 差異は「(予定価格-実際価格)×実際消費量」で求め、正なら有利差異で貸方に、負なら不利差異で借方に記入する

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解答・解説

正答: D

正答理由:材料消費価格差異は次の式で求めます。

材料消費価格差異 = (予定価格 - 実際価格)× 実際消費量

計算した値が正なら、予定価格のほうが実際価格より高かったことを意味し、有利差異です。材料消費価格差異勘定には貸方に記入します。値が負なら不利差異で借方です。

誤答理由

  • A:式の引く順序が逆で、符号が反転します。また有利差異は貸方に記入します。
  • B:掛ける数量が受入数量になっています。差異が生じるのは消費した分についてなので、実際消費量を掛けます。
  • C:式は正しいものの、正の場合を不利差異・借方としています。正は有利差異で貸方です。

問7

正常な範囲の棚卸減耗費の扱いとして正しいものを1つ選びなさい。

A. 適用単価×(帳簿数量-実地数量)で計算し、間接費として製造原価に算入する
B. 適用単価×(実地数量-帳簿数量)で計算し、材料勘定の借方に記入する
C. 適用単価×実地数量で計算し、製造原価には算入しない
D. 金額を計算せず、帳簿数量を実地数量に書き換えるだけでよい

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解答・解説

正答: A

正答理由:棚卸減耗費は、帳簿数量と実地数量の差に適用単価を掛けて求めます。

棚卸減耗費 = 適用単価 × (帳簿数量 - 実地数量)

問題文で正常な範囲とされたものは、間接費として製造原価に算入します。仕訳では借方に棚卸減耗費、貸方に材料を記入します。

誤答理由

  • B:引く順序が逆で、帳簿より実地が少ない通常の場合に負の値になってしまいます。また材料は減るので貸方に記入します。
  • C:実地数量に単価を掛けたものは期末の実地有高であり、減耗の金額ではありません。また正常な範囲のものは製造原価に算入します。
  • D:金額を計算せず数量を書き換えるだけでは、減った分の金額が原価に反映されません。

問8

ある会社は材料について継続記録法を採用し、払出しは予定価格で記帳している。期末に実地棚卸を行ったところ、実地数量は帳簿数量より少なく、その差は正常な範囲であった。また当期の実際価格は予定価格より高かった。

このとき、棚卸減耗数量の扱いと材料消費価格差異の判定の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。

A. 棚卸減耗数量を払出数量に加えて消費量とし、差異は有利差異で貸方に記入する
B. 棚卸減耗数量を払出数量に加えて消費量とし、差異は不利差異で借方に記入する
C. 棚卸減耗数量は払出数量と区別して棚卸減耗費として処理し、差異は不利差異で借方に記入する
D. 棚卸減耗数量は払出数量と区別して棚卸減耗費として処理し、差異は有利差異で貸方に記入する

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解答・解説

正答: C

正答理由:2つの判断を別々に行います。

棚卸減耗数量の扱い:継続記録法では払出しを記録しているため、払出数量から消費量が分かり、帳簿期末数量と実地期末数量の差が棚卸減耗数量として別に把握できます。この差を払出数量に加えてはいけません。二重に数えることになります。 正常な範囲なので棚卸減耗費として処理し、間接費として製造原価に算入します。

差異の判定:材料消費価格差異 = (予定価格 - 実際価格)× 実際消費量 で、実際価格のほうが高いので括弧の中は負、差異全体も負です。負は不利差異であり、材料消費価格差異勘定には借方に記入します。

誤答理由

  • A:棚卸減耗数量を払出数量に加えており、二重計上になります。また実際価格のほうが高い以上、差異は負で不利差異です。
  • B:差異の判定は正しいものの、棚卸減耗数量を払出数量に加えています。継続記録法では両者を区別します。
  • D:棚卸減耗の扱いは正しいものの、差異を有利差異・貸方としています。実際価格のほうが高いので負となり不利差異です。

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、採用している方法を確かめます。継続記録法か棚卸計算法かで、棚卸減耗数量を区別できるかどうかが変わります。本問は継続記録法なので区別できます。棚卸計算法であれば消費と減耗が分離されないため、そもそもこの問いが成り立ちません。

第2に、数量の扱いと金額の判定を切り離します。棚卸減耗の処理は数量の話、差異の判定は単価の話です。一方の結論からもう一方は決まりません。 この2つを1つの判断だと考えると、選択肢BやDのように片方だけ正しい組合せを選んでしまいます。

第3に、差異の式の向きを固定します。予定価格 - 実際価格 です。実際価格のほうが高ければ負となり不利差異、材料消費価格差異勘定は借方です。

検証

検証項目 確認
採用方法 継続記録法 → 帳簿期末数量が求まる
棚卸減耗数量 帳簿期末数量 - 実地期末数量
二重計上の有無 払出数量に減耗数量を加えていない
減耗の性質 正常 → 間接費として製造原価へ算入
差異の式 (予定価格 - 実際価格)× 実際消費量
符号 実際価格>予定価格 → 負
有利・不利と記入側 負 → 不利差異 → 借方

この検証の限界:符号と記入側の対応を確かめても、実際価格そのものを誤って求めていれば誤りは見つかりません。実際価格は受払記録から計算するものであり、単価の計算方法(先入先出法か平均法か)を取り違えれば別の金額になります。そこから求めた差異も符号判定としては形が整ってしまいます。

また、数量の照合(期首+受入=消費+期末)も、消費量に減耗数量を含めてしまった場合には成立してしまいます。含めた分だけ期末数量が減るためです。払出しの記録と実地棚卸の数量を、それぞれどこから取ったのかを問題文に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、棚卸減耗数量を払出数量に加えて消費量としてしまうことです(選択肢A・B)。継続記録法では両者を区別します。ふたつめは、差異の式を「実際価格-予定価格」と逆にして符号を取り違えることです(選択肢A・D)。三つめは、数量の扱いと差異の判定を1つの判断だと考え、片方の結論からもう片方を決めてしまうことです。


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