未実現損益の消去(棚卸資産・土地) 一問一答 第6問〜第6問

問6

P社はS社の発行済株式の80%を保有している。当期中、S社は帳簿価額2,500,000円の土地をP社へ2,200,000円で売却し、S社は固定資産売却損300,000円を計上している。P社は期末においてもこの土地を保有している。

土地の未実現損失の消去に関する連結修正仕訳と、非支配株主への影響の組合せとして正しいものを選びなさい。

A. 借方 固定資産売却損300,000円/貸方 土地300,000円、非支配株主持分は60,000円減少する
B. 借方 土地300,000円/貸方 固定資産売却損300,000円、非支配株主への按分は行わない
C. 借方 土地300,000円/貸方 固定資産売却損300,000円、非支配株主持分は240,000円増加する
D. 借方 土地300,000円/貸方 固定資産売却損300,000円、非支配株主持分は60,000円増加する

解答を見る

解答・解説

正答: D

正答理由:S社が計上した固定資産売却損は2,500,000-2,200,000=300,000円です。土地は企業集団の外部へ売られておらず期末もP社が保有しているため、この損失は実現していません。借方に土地、貸方に固定資産売却損を計上して消去すると、土地はP社の帳簿価額2,200,000円から300,000円だけ増え、内部で売買する前のS社の帳簿価額2,500,000円に戻ります。売った側は子会社なので按分が必要です。損失を消去するとS社の調整後の利益は300,000円増えるため、非支配株主に帰属する分は300,000×20%=60,000円の増加になります。

誤答理由

  • A:貸借が逆です。この向きは未実現利益を消去するときのもので、損失を消去する場合は借方に土地を置きます。非支配株主持分も、損失の消去によって子会社の利益が増えるため増加します。
  • B:売った側が子会社なので按分が必要です。按分を行わないのは、売った側が親会社の場合です。
  • C:240,000円は300,000×80%であり、親会社の持分比率を掛けています。非支配株主へ按分するのは非支配比率20%の分です。

判断根拠:3段階で判断します。第1に消去の向きで、消すのは売却損なので、損を取り消す形、すなわち貸方に固定資産売却損、借方に土地を置きます。第2に土地の行き先で、消去後の連結貸借対照表の土地は、内部で売買する前の売った側の帳簿価額に戻ります。第3に按分の向きで、これは子会社の調整後の利益が増えるか減るかに従います。損失の消去は利益を増やす方向に働くため、借方に非支配株主に帰属する当期純利益、貸方に非支配株主持分を置きます。未実現利益の消去とは向きが逆になる点が、この設問の分かれ目です。

検証:消去後の土地は2,200,000+300,000=2,500,000円で、内部売買前のS社の帳簿価額と一致します。按分額60,000円と親会社株主分300,000×80%=240,000円を足すと300,000円になり、消去額の全体と一致します。

ただし、この足し戻しでは20%と80%の取り違えを見つけられません。 60,000+240,000でも240,000+60,000でも合計は300,000円に戻るためです。仕訳の貸借一致も、金額の正しさや向きの正しさを保証しません。どちらが非支配株主の割合か、子会社の利益が増えるのか減るのかを、問題文に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは未実現利益の消去と同じ向きで仕訳を書き、借方に固定資産売却損を置いてしまうことです。ふたつめは按分の向きを逆にし、非支配株主持分を減らしてしまうことです。損失の消去は子会社の利益を増やします。三つめは非支配比率20%と持分比率80%を取り違えて240,000円としてしまうことです。


タイトルとURLをコピーしました