問6
2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で一括して取得し、代金は現金で支払って支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんの償却期間は10年である。支配獲得日の直後であり、取得後の当期純利益や配当はまだ発生していない。
(1)P社の個別帳簿に記帳する仕訳と、(2)支配獲得日の連結修正仕訳を、それぞれ区別して示しなさい。
使用可能勘定科目
子会社株式/のれん/非支配株主持分/資本金/繰越利益剰余金/現金
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解答・解説
正答
(1) P社の個別帳簿に記帳する仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 子会社株式 | 4,500,000 | 現金 | 4,500,000 |
(2) 支配獲得日の連結修正仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 資本金 | 3,000,000 | 子会社株式 | 4,500,000 |
| 繰越利益剰余金 | 2,000,000 | 非支配株主持分 | 1,000,000 |
| のれん | 500,000 |
解説
判断根拠:2つの仕訳は書く場所が違います。
(1)は P社が実際に行った取引です。株式を買って現金を払ったので、P社の帳簿に記帳します。この段階ではのれんも非支配株主持分も現れません。P社から見れば、子会社株式という資産を4,500,000円で取得しただけだからです。
(2)は連結財務諸表を作るための調整です。P社とS社を1つの企業集団として見ると、P社の「子会社株式」とS社の資本は企業集団内部の投資と資本の関係なので、連結上で相殺します。S社資本は全額を消去し、親会社以外の株主の分を非支配株主持分として表示し、取得原価と親会社持分との差額をのれんとします。
この(2)は、P社の帳簿にもS社の帳簿にも記帳しません。 連結ワークシート上の調整です。したがって(1)の子会社株式4,500,000円は、P社の個別貸借対照表には残ったままです。連結貸借対照表を作る過程で消えます。
検証:(1)は借方4,500,000円=貸方4,500,000円。(2)は借方3,000,000+2,000,000+500,000=5,500,000円、貸方4,500,000+1,000,000=5,500,000円でいずれも一致します。
(2)で消される子会社株式4,500,000円は、(1)で計上した金額と同額です。親会社持分4,000,000円+非支配株主持分1,000,000円=子会社資本5,000,000円、のれん500,000円+親会社持分4,000,000円=取得原価4,500,000円という2つの検算もともに成り立ちます。
想定される誤り:連結修正仕訳をP社の帳簿に記帳してしまうことです。個別帳簿と連結ワークシートは別のものです。もう一つは、(1)の個別取得仕訳にのれんや非支配株主持分を書き込んでしまうことで、これらは連結の手続で初めて認識されます。三つ目は、(2)で子会社株式の消去額に持分比率を掛けてしまうことで、消すのは(1)で計上した取得原価の全額です。