為替予約(振当処理) 仕訳問題 第1問〜第5問

問1

振当処理による。2級では為替予約差額を期間配分しない。 青森商事株式会社は、USD10,000 の商品を掛けで輸出した。この取引より前に為替予約を付しており、予約レートは1ドル ¥142 である。なお、取引日の直物レートは1ドル ¥140 であった。取引時の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

売掛金/買掛金/仕入/売上/為替差損益/普通預金

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解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 1,420,000 売上 1,420,000

計算過程

売掛金 = USD10,000 × ¥142(予約レート)= ¥1,420,000

検算

  • 借方 1,420,000 = 貸方 1,420,000 ✓
  • ¥1,420,000 ÷ USD10,000 = ¥142 = 予約レート ✓

解説

取引より前に予約があるため、取引時から予約レートで計上します。

取引日の直物レート ¥140 は使いません。 直物レートで ¥1,400,000 を計上してから差額 ¥20,000 を調整する処理も行いません。

この時点で為替差損益は生じません。


問2

振当処理による。2級では為替予約差額を期間配分しない。 青森商事株式会社について、次の(1)(2)の仕訳を示しなさい。

資料

  • USD10,000 の商品を掛けで輸出した。取引日の直物レートは1ドル ¥140
  • この取引の後に為替予約を付した。予約レートは1ドル ¥138

設問
(1) 取引時の仕訳
(2) 予約時の仕訳

使用可能勘定科目

売掛金/買掛金/仕入/売上/為替差損益/普通預金

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解答・解説

正答

(1) 取引時

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 1,400,000 売上 1,400,000

(2) 予約時

借方科目 金額 貸方科目 金額
為替差損益 20,000 売掛金 20,000

計算過程

(1) 売掛金 = USD10,000 × ¥140 = ¥1,400,000
(2) 予約後の円貨額 = USD10,000 × ¥138 = ¥1,380,000
    差額 = ¥1,380,000 - ¥1,400,000 = △¥20,000
    債権の減少 → 損(借方に為替差損益)

検算

  • (1) 借方 1,400,000 = 貸方 1,400,000 ✓
  • (2) 借方 20,000 = 貸方 20,000 ✓
  • 調整後の売掛金 = ¥1,400,000 - ¥20,000 = ¥1,380,000 = USD10,000 × ¥138 ✓

解説

取引が先であるため、まず取引日の直物レートで計上します。

予約後は帳簿価額を予約レートの金額へ調整します。差額 ¥20,000 は債権の減少であり、損です。

差額は期間配分せず、一括して為替差損益とします。


問3

振当処理による。2級では為替予約差額を期間配分しない。 青森商事株式会社について、次の(1)(2)の仕訳を示しなさい。

資料

  • USD8,000 の商品を掛けで輸入した。取引日の直物レートは1ドル ¥142
  • この取引の後に為替予約を付した。予約レートは1ドル ¥145

設問
(1) 取引時の仕訳
(2) 予約時の仕訳

使用可能勘定科目

売掛金/買掛金/仕入/売上/為替差損益/普通預金

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解答・解説

正答

(1) 取引時

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 1,136,000 買掛金 1,136,000

(2) 予約時

借方科目 金額 貸方科目 金額
為替差損益 24,000 買掛金 24,000

計算過程

(1) 買掛金 = USD8,000 × ¥142 = ¥1,136,000
(2) 予約後の円貨額 = USD8,000 × ¥145 = ¥1,160,000
    差額 = ¥1,160,000 - ¥1,136,000 = +¥24,000
    債務の増加 → 損(借方に為替差損益)

検算

  • (1) 借方 1,136,000 = 貸方 1,136,000 ✓
  • (2) 借方 24,000 = 貸方 24,000 ✓
  • 調整後の買掛金 = ¥1,136,000 + ¥24,000 = ¥1,160,000 = USD8,000 × ¥145 ✓

解説

債務の場合、予約レートが取引日レートを上回ると買掛金が増加します。

支払う円が増えるため損です。債権の場合とは向きが逆になります。

対象 損になる場合
債権(売掛金) 予約レートが取引日レートを下回る
債務(買掛金) 予約レートが取引日レートを上回る

問4

振当処理による。2級では為替予約差額を期間配分しない。 青森商事株式会社は、USD6,000 の買掛金について、取引日の直物レート1ドル ¥146 で ¥876,000 を計上したのち、為替予約を付し予約レート1ドル ¥142 で帳簿価額を調整済みである。本日、予約レートで決済し、普通預金口座から支払った。決済時の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

売掛金/買掛金/仕入/売上/為替差損益/普通預金

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解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 852,000 普通預金 852,000

計算過程

調整後の買掛金 = USD6,000 × ¥142 = ¥852,000
決済額 = USD6,000 × ¥142 = ¥852,000

検算

  • 借方 852,000 = 貸方 852,000 ✓
  • 決済額 ¥852,000 = 調整後の買掛金 ¥852,000 ✓(差額なし)

解説

すでに予約レートの金額へ調整済みであるため、決済時に追加の為替差損益は生じません。

帳簿価額と決済額がいずれも ¥852,000 で一致するためです。

なお予約時の調整は、¥876,000 から ¥852,000 への ¥24,000 の減少でした。債務の減少であるため益です。この調整はすでに済んでいます。

決済の仕訳では買掛金を全額取り消し、同額を支払います。


問5

振当処理による。2級では為替予約差額を期間配分しない。 青森商事株式会社(会計期間は2027年4月1日から2028年3月31日まで)について、次の(1)〜(4)の処理を答えなさい。仕訳が不要な場合は「仕訳なし」と答えなさい。

資料

  • USD10,000 の商品を掛けで輸出した。取引日の直物レートは1ドル ¥140
  • この取引の後に為替予約を付した。予約レートは1ドル ¥138
  • 決算日(2028年3月31日)のレートは1ドル ¥150。決算日時点で未決済である
  • 後日、予約レートで決済し、普通預金口座に入金された

設問
(1) 取引時の仕訳
(2) 予約時の仕訳
(3) 決算時の処理
(4) 決済時の仕訳

使用可能勘定科目

売掛金/買掛金/仕入/売上/為替差損益/普通預金

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解答・解説

正答

(1) 取引時

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 1,400,000 売上 1,400,000

(2) 予約時

借方科目 金額 貸方科目 金額
為替差損益 20,000 売掛金 20,000

(3) 決算時:仕訳なし

(4) 決済時

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 1,380,000 売掛金 1,380,000

判断根拠

予約後は決算日のレートで換算し直さないため、(3)は仕訳なしとなります。

手順 内容 金額
① 取引時(10,000 × ¥140) 1,400,000
② 予約時の調整(1,380,000 - 1,400,000) △20,000(損)
③ 予約後の帳簿価額 1,380,000
④ 決算:再換算しない 1,380,000 のまま
⑤ 決済(10,000 × ¥138) 1,380,000

計算過程

(1) 売掛金 = USD10,000 × ¥140 = ¥1,400,000
(2) 予約後の円貨額 = USD10,000 × ¥138 = ¥1,380,000
    差額 = ¥1,380,000 - ¥1,400,000 = △¥20,000(債権の減少 → 損)
(3) 予約後は決算日のレートで換算しないため、処理は不要
(4) 決済額 = USD10,000 × ¥138 = ¥1,380,000

検算

  • (1) 借方 1,400,000 = 貸方 1,400,000 ✓
  • (2) 借方 20,000 = 貸方 20,000 ✓
  • (4) 借方 1,380,000 = 貸方 1,380,000 ✓
  • 調整後の売掛金 ¥1,380,000 = USD10,000 × ¥138 ✓
  • 期末帳簿価額 ¥1,380,000 = 決済額 ¥1,380,000 ✓(差額が生じない)
  • 決算時・決済時の追加の為替差損益 = ¥0 ✓

想定される誤り

第1に、(3)で決算日のレート ¥150 により換算し直してしまう誤りです。USD10,000 × ¥150 = ¥1,500,000 とし、差額 ¥120,000 を益として計上する処理は行いません。振当処理では予約後に再換算しません。

第2に、(4)で追加の為替差損益を計上してしまう誤りです。すでに予約レートの金額へ調整済みであるため、帳簿価額と決済額が一致し差額は生じません。

第3に、(2)の差額を期間配分してしまう誤りです。2級では差額の全額を予約時に一括して処理します。

「期末帳簿価額 = 決済額 = 外貨額 × 予約レート」を確認すると、これらの誤りに気づけます。


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