論点:総合
問17:労災保険法に定める複数業務要因災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:複数事業労働者の給付基礎日額は、災害が発生した事業場において支払われている賃金額のみにより算定する。
- B:複数事業労働者について、1つの事業の業務上の負荷のみでは業務と傷病との間に因果関係が認められない場合、すべての就業先の業務上の負荷を総合的に評価して労災認定が行われる。
- C:複数業務要因災害に係る給付の名称には「補償」の2字が付される。
- D:複数業務要因災害の対象となる傷病は、業務上の負傷に限られる。
- E:複数事業労働者とは、同一の事業主の複数の事業場に使用される労働者をいう。
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】すべての就業先の事業場において支払われている賃金額を合算して算定する(法8条3項)。
・B
【論点】複数業務要因災害(令和2年9月1日施行)。【考え方】従来は事業場ごとに業務起因性を判断していたため、複数の事業場で働く労働者が、いずれの事業場でも単独では認定基準に達しない場合に救済されない問題があった。そこで、2以上の事業の業務を要因とする傷病等(脳・心臓疾患及び精神障害等)について、すべての就業先の業務上の負荷を総合的に評価して認定する仕組みが設けられた。あわせて、給付基礎日額もすべての就業先の賃金額を合算して算定することとされた点が改正の両輪である。【選択肢解説】すべての就業先の業務上の負荷を総合的に評価するから、本記述は正しい。
・C
【選択肢解説】複数業務要因災害に係る給付は「複数事業労働者療養給付」等であり、「補償」の2字は付されない。
・D
【選択肢解説】対象は脳・心臓疾患及び精神障害等である。
・E
【選択肢解説】複数事業労働者とは、事業主が同一でない2以上の事業に使用される労働者をいう。
論点:総合
問18:労災保険法の適用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:労災保険法には被保険者という概念がない。
- B:1週間の所定労働時間が20時間未満の労働者にも、労災保険は適用される。
- C:労災保険の保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。
- D:労災保険は、国の直営事業及び官公署の事業(非現業の一般職の国家公務員等)には適用されない。
- E:暫定任意適用事業となるのは、労働者を常時5人未満使用する個人経営の農林水産の一部の事業である。
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労働者であれば当然に保護の対象となる。
・B
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】週20時間未満で適用除外となるのは雇用保険である。
・C
【論点】労災保険の保険料負担と被保険者概念。【考え方】労災保険は、労働基準法上の使用者の災害補償責任を保険によって担保する制度であるため、保険料は全額事業主が負担する。また、雇用保険・健康保険・厚生年金保険と異なり「被保険者」という概念が存在せず、労働者であれば当然に保護の対象となる。したがって、パートタイマー、アルバイト、日雇労働者、さらには在留資格のない外国人であっても、労基法上の労働者に該当する限り適用される。【選択肢解説】労災保険の保険料は全額事業主が負担するから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。
・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法3条2項のとおりであり、これらには国家公務員災害補償法等が適用される。
・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】そのとおりである。

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