第2問P03 勘定記入・純資産

1.問題メタデータ

項目 内容
大問 第2問
パターン 当サイトの第2問対策パターン3「勘定記入(純資産)」
当サイト配点 20点(5空欄 × 4点)
重要度 A
難易度 標準
使用勘定科目 資本金、普通預金、損益、繰越利益剰余金
出題方針 増資による資本金の増加、当期純利益の損益振替、繰越利益剰余金の増加、期末純資産のつながりを勘定記入で確認する

公式に定められているのは、商業簿記から3題以内・試験時間60分・合格基準70%以上という条件です。

「第2問」という区分、「パターン3(P03)」という分類、20点という配点は、いずれも当サイトの本試験形式・模擬試験用の設計であり、日本商工会議所が将来にわたり公式の形式・配点として保証しているものではありません。

範囲上の限定:株式発行による払込額は全額を資本金とし、資本準備金への按分は扱いません。また、本問では配当・利益準備金の積立ては生じません


2.問題

当社の会計期間は 4月1日から翌年3月31日 までである。次の資料に基づき、資本金勘定および繰越利益剰余金勘定の空欄 A〜D を埋め、さらに期末の純資産合計 E を求めなさい。

資料

  1. 期首の資本金残高は 2,000,000円 である。
  2. 期首の繰越利益剰余金残高は 480,000円 である。
  3. 9月1日に増資のため新株を 1株2,000円で600株 発行し、払込額の全額が普通預金へ入金された。
  4. 3級の処理として、株式発行による払込額は 全額を資本金 とする。
  5. 決算において、当期の収益総額は 1,760,000円費用総額は 1,400,000円 であり、すべて損益勘定へ振り替え済みである。
  6. 当期純利益または当期純損失を、決算の最後に繰越利益剰余金へ振り替える。
  7. 当期中に配当その他の繰越利益剰余金を減少させる取引はない

資本金勘定

借方 金額 貸方 金額
3/31 次期繰越 B 4/1 前期繰越 2,000,000円
9/1 普通預金 A
合計 B 合計 B

繰越利益剰余金勘定

借方 金額 貸方 金額
3/31 次期繰越 D 4/1 前期繰越 480,000円
3/31 損益 C
合計 D 合計 D

追加設問

期末の純資産が資本金と繰越利益剰余金だけから構成されるものとして、純資産合計を求めなさい。

E =(      )円


3.正解

空欄 正解
A 1,200,000円
B 3,200,000円
C 360,000円
D 840,000円
E 4,040,000円

4.採点基準

採点箇所 内容 点数
A 新株発行による資本金増加額 1,200,000円 4点
B 期末資本金 3,200,000円 4点
C 当期純利益 360,000円 4点
D 期末繰越利益剰余金 840,000円 4点
E 期末純資産合計 4,040,000円 4点
合計 20点

配点検算:4点 × 5か所 = 20点

この配点は当サイトの模擬試験用の設計です。


5.算定過程

① 新株発行による払込総額(A)

1株2,000円で600株を発行しているため、

2,000円 × 600株 = 1,200,000円

本問では資料4のとおり、払込額の全額を資本金とします。仕訳は、

(借)普通預金 1,200,000円 /(貸)資本金 1,200,000円

です(借方1,200,000円 = 貸方1,200,000円)。

資本金は純資産なので、増加は貸方です。したがって資本金勘定の貸方に「9/1 普通預金 1,200,000円」と記入します。

A = 1,200,000円


② 期末資本金(B)

期首資本金2,000,000円に、増資1,200,000円を加えます。

2,000,000円 + 1,200,000円 = 3,200,000円

B = 3,200,000円

締め切りにあたり、この残高を借方に「3/31 次期繰越」として記入します。これにより、借方合計と貸方合計がどちらも3,200,000円で一致します。


③ 当期純利益(C)

収益総額1,760,000円から費用総額1,400,000円を差し引きます。

1,760,000円 − 1,400,000円 = 360,000円

収益が費用を上回っているので、当期純利益360,000円です。決算の最後に、

(借)損益 360,000円 /(貸)繰越利益剰余金 360,000円

と振り替えます(借方360,000円 = 貸方360,000円)。

繰越利益剰余金は純資産なので、増加は貸方です。したがって繰越利益剰余金勘定の貸方に「3/31 損益 360,000円」と記入します。

C = 360,000円


④ 期末繰越利益剰余金(D)

期首繰越利益剰余金480,000円に、当期純利益360,000円を加えます。本問では配当その他の減少取引はありません

480,000円 + 360,000円 = 840,000円

D = 840,000円

この残高を借方に「3/31 次期繰越」として記入し、貸借を一致させます。


⑤ 期末純資産合計(E)

本問では、期末純資産は資本金と繰越利益剰余金だけで構成されます。

資本金 3,200,000円 + 繰越利益剰余金 840,000円 = 4,040,000円

E = 4,040,000円


6.解説

着眼点

資本金と繰越利益剰余金はどちらも純資産ですが、増える理由が異なります

勘定 増える理由
資本金 株主からの払込み(元手)
繰越利益剰余金 事業活動で生じた当期純利益(儲け)

手順

手順 内容
新株発行の払込総額を「1株当たり払込額 × 株式数」で求め、期首資本金へ加えて期末資本金を確定する
収益総額 − 費用総額で当期純利益を求め、損益勘定から繰越利益剰余金へ振り替える
期首繰越利益剰余金へ当期純利益を加えて期末残高を求め、期末資本金と合計して純資産総額を確認する

勘定記入の位置

勘定 日付・摘要 記入する側 理由
資本金 4/1 前期繰越 貸方 純資産の期首残高
資本金 9/1 普通預金 貸方 増資による増加
資本金 3/31 次期繰越 借方 締切りのため、貸方残高を借方に記入して一致させる
繰越利益剰余金 4/1 前期繰越 貸方 純資産の期首残高
繰越利益剰余金 3/31 損益 貸方 当期純利益の振替による増加
繰越利益剰余金 3/31 次期繰越 借方 締切りのため

次期繰越の意味

資本金・繰越利益剰余金は、純資産の残高勘定です。

収益・費用のように、期末に損益勘定へ振り替えて残高をゼロにする科目ではありません。 残高はそのまま次期へ繰り越します。「次期繰越」は、その残高を確定させて帳簿を締め切るための記入です。

よくある誤り

誤り 正しい扱い
株式発行による払込額を売上や借入金とする 株主からの払込みなので資本金(本問では全額)
当期純利益を資本金へ振り替える 当期純利益は (借)損益 /(貸)繰越利益剰余金資本金へは振り替えません(元手と儲けは別の勘定)
3級の本問で資本準備金への按分を持ち込む 本問は払込額の全額を資本金とする条件です
「次期繰越」を貸方に書く 貸方残高の勘定なので、締切りの記入は借方です

7.検算

資本金勘定

項目 金額
期首資本金 2,000,000
増資 +1,200,000
期末資本金 3,200,000

貸借の一致:借方(次期繰越)3,200,000円 = 貸方(前期繰越2,000,000円 + 普通預金1,200,000円)3,200,000円

当期純利益

1,760,000円 − 1,400,000円 = 360,000円

繰越利益剰余金勘定

項目 金額
期首残高 480,000
当期純利益 +360,000
期末残高 840,000

貸借の一致:借方(次期繰越)840,000円 = 貸方(前期繰越480,000円 + 損益360,000円)840,000円

純資産(2つの経路で確認)

経路 計算 金額
縦(期末残高の合計) 資本金 3,200,000 + 繰越利益剰余金 840,000 4,040,000
横(期首+増減) 期首純資産(2,000,000 + 480,000 = 2,480,000)+ 増資 1,200,000 + 当期純利益 360,000 4,040,000

2つの経路が同じ 4,040,000円 に着地すれば、途中の計算ミスを自分で検知できます。


8.年度・範囲確認

項目 内容
使用勘定科目 資本金・普通預金・損益・繰越利益剰余金(いずれも両年度共通
株式発行 払込額の全額を資本金として処理
資本準備金 扱っていない
配当・利益準備金 扱っていない(本問では減少取引なし)
紙媒体の手形・小切手 使用していない
2027年度限定論点 使用していない
範囲 3級範囲の資本金・損益振替・繰越利益剰余金の勘定記入に限定

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