前提:会計期間は4月1日から翌年3月31日まで、決算日は3月31日とします。
現金過不足の役割と一時性、期中に原因が判明したときの処理は C04-T01(現金と現金過不足)、仮払金・仮受金の意味と前払金・前受金との区別は C05-T08(仮払金・仮受金)、当座借越の定義と期中処理は C04-T03(当座借越) で確認してください。ここでは、決算日に残ってしまった残高をどう始末するかだけを扱います。
重要度:A 論点:原因不明額の振替先は残高の側で決まる
問1(分類)
決算日まで原因が判明しなかった現金過不足について、残高が借方の場合と貸方の場合の振替先を、それぞれ答えなさい。
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正解
| 現金過不足の残高 | 振替先 |
|---|---|
| 借方残高 | 雑損 |
| 貸方残高 | 雑益 |
解説
振替先は、残高がどちら側にあるかだけで決まります。
| 残高 | 発見時の状態 | 意味 | 振替先 |
|---|---|---|---|
| 借方 | 帳簿 > 実際 | 現金が足りなかった | 雑損(費用) |
| 貸方 | 実際 > 帳簿 | 現金が多かった | 雑益(収益) |
現金が足りなかったまま原因が分からなければ会社の損失、多かったまま分からなければ利益、という対応です。
仕訳では、残高がある側と反対側に現金過不足を記入して消します。借方残高なら貸方で消し、その相手が雑損になります。
「現金過不足は雑損になる」と覚えてはいけません。 雑損になるか雑益になるかは残高の側で決まります。
重要度:A 論点:仮払金・仮受金の振替先は問題文の判明内容からしか決まらない
問2(○×)
決算整理前残高試算表に仮払金や仮受金が残っていれば、問題文に内容の説明がなくても、内容として適当と思われる費用や収益へ振り替えてよい。
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正解:×
解説
仮払金・仮受金は、中身が確定していないから一時的に使っている勘定です。したがって、振替先を決められるのは、問題文でその中身が判明したと示されている場合だけです。
| 状況 | 決算整理 |
|---|---|
| 問題文で内容が判明している | 判明した内容に応じた科目へ振り替える |
| 問題文に内容の説明がない | 推測で振り替えない |
振替の向きは次のとおりです。
| 勘定科目 | 分類 | 決算整理での位置 |
|---|---|---|
| 仮払金 | 資産 | 貸方で取り崩す |
| 仮受金 | 負債 | 借方で取り崩す |
仮払金が出張旅費と判明していれば(借)旅費交通費/(貸)仮払金、仮受金が売掛金の回収と判明していれば(借)仮受金/(貸)売掛金となります。
なお、このとき入金や支払いをもう一度記帳してはいけません。現金や預金の増減は取引時にすでに記録済みで、決算整理で行うのは相手科目の置き換えだけです。
重要度:A 論点:当座預金貸方残高の振替方向
問3(二択)
決算日に当座預金が貸方残高となっている。本教材の決算整理で用いる仕訳として適切なのはどちらか。
A:借方「当座預金」・貸方「当座借越」 B:借方「当座借越」・貸方「当座預金」
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正解:A。
解説
当座預金が貸方残高になっているのは、銀行から資金を借りている状態です。本教材の基本ケースでは、その貸方残高を資産としてそのまま表示せず、決算で負債へ振り替えます。
- 借方に当座預金:貸方残高になっている当座預金を、借方に記入して0に戻す
- 貸方に当座借越:借りている状態を負債として計上する
B が誤りである理由:貸方残高となっている当座預金を貸方でさらに増やす向きになり、決算時の振替方向が逆だからです。
振替先の科目
本教材では、使用勘定科目マスタのA列正式科目である 当座借越 を公開正答に使用します。公式の標準・許容勘定科目表には別表記もありますが、本教材では正答表記を統一します。
重要度:A 論点:翌期首の再振替は決算整理仕訳の反対仕訳
問4(○×)
前期末に当座預金の貸方残高を当座借越へ振り替えた場合、翌期首の再振替は、前期末と同じ向きの仕訳で行う。
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正解:×
解説
翌期首の再振替は、前期末の決算整理仕訳を取り消すための処理です。したがって、借方と貸方を入れ替えた反対仕訳を行います。
| 時点 | 仕訳 |
|---|---|
| 前期末(決算整理) | (借)当座預金 /(貸)当座借越 |
| 翌期首(再振替) | (借)当座借越 /(貸)当座預金 |
再振替をすると、当座借越(負債)が消え、当座預金は再び貸方残高に戻ります。これは、翌期の入出金を当座預金勘定で続けて処理できる状態にするためです。戻したあとに入金があれば、その入金によって貸方残高が解消されていきます。
同じ向きで仕訳を繰り返すと、当座借越という負債が二重に計上されることになります。

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