株式会社の設立と株式の発行(増資を含む) 仕訳問題【全4問】

共通前提

  • 各問とも、払い込まれた金額の全額を資本金とする

共通語群(各問、この中から勘定科目を選ぶこと)

現金 / 普通預金 / 当座預金 / 資本金 / 繰越利益剰余金 / 借入金 / 売上

注意:まず、取引の原因が株式発行による払込みかどうかを確認してください。本教材で扱う3級の基本形では、その払込額を資本金として処理します。


重要度:A 難易度:初級 論点:設立時の株式発行(払込総額が与えられている基本形)

問1(初級)

会社の設立にあたり株式を発行し、払込金 ¥1,900,000 が普通預金口座に振り込まれた。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 1,900,000 資本金 1,900,000

検算:借方 1,900,000 = 貸方 1,900,000 ✓

解説

  • 取引の読み取り:会社をつくるにあたって、株主から元手を払い込んでもらった場面です。
  • 借方の理由:普通預金(資産)が ¥1,900,000 増えました。資産の増加は借方です。
  • 貸方の理由:株式発行による払込みを、本教材で扱う3級の基本形に従って資本金として記録します。資本金(純資産)の増加なので貸方です。

注意したい科目

科目 なぜ違うのか
借入金 返す義務があるお金に使う科目です。本問は株式の発行による払込みなので、返す義務はありません。
売上 商品の販売など営業活動による収益に使う科目です。株式発行による払込みは収益になりません。
  • 使用科目:普通預金/資本金

重要度:A 難易度:初級 論点:増資(設立後の株式発行)/資本金と繰越利益剰余金の判別

問2(初級)

会社の設立後、事業拡大のためあらたに株式を発行し、払込金 ¥1,100,000 を現金で受け取った。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,100,000 資本金 1,100,000

検算:借方 1,100,000 = 貸方 1,100,000 ✓

解説

  • 取引の読み取り:会社をつくったあとに、あらためて株式を発行して払込みを受けた場面(増資)です。
  • 借方の理由:現金(資産)が ¥1,100,000 増えました。
  • 貸方の理由:本教材で扱う増資でも、株式発行による払込みを資本金として記録します。資本金(純資産)の増加なので貸方です。

問1との違い:場面は「設立」と「増資」で違いますが、仕訳の形は同じです。変わったのは借方の科目(普通預金→現金)だけで、貸方はどちらも資本金です。

注意したい科目:繰越利益剰余金

繰越利益剰余金も純資産で、増えるときは貸方です。しかし、3級の基本的な決算処理では、繰越利益剰余金は当期純利益を損益勘定から振り替えるときに増えます。

増える原因
資本金 株式発行による払込み(本問)
繰越利益剰余金 当期純利益の振替による利益の蓄積

本問は株式発行による払込みを受けた場面なので、繰越利益剰余金ではありません。

  • 使用科目:現金/資本金

重要度:A 難易度:標準 論点:株式数×1株あたりの払込額から払込総額を求めて仕訳する

問3(標準)

あらたに株式 40株を1株あたり ¥65,000 で発行し、払込金の全額が普通預金口座に振り込まれた。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 2,600,000 資本金 2,600,000

検算:借方 2,600,000 = 貸方 2,600,000 ✓

解説

手順1 払込みの総額を計算する

本問は金額がそのまま書かれていません。株式数と1株あたりの金額から計算します。

1株あたりの払込額 × 発行した株式数 = 払込総額

¥65,000 × 40株 = ¥2,600,000

手順2 仕訳を書く

計算した ¥2,600,000 が、普通預金(資産)の増加であり、同時に資本金(純資産)の増加です。

注意したい点

  • 1株あたりの金額(¥65,000)をそのまま仕訳の金額にしない。 仕訳に書くのは払込みの総額です。
  • 株式数(40株)は仕訳に書かない。 金額を計算するための情報であり、仕訳に登場するのは計算後の金額だけです。
  • 使用科目:普通預金/資本金

重要度:A 難易度:応用 論点:受け取り方が複数ある場合の複合仕訳(借方2行・貸方1行)

問4(応用)

会社の設立にあたり株式を発行し、払込金の総額 ¥3,100,000 を受け取った。このうち ¥1,400,000 は現金で受け取り、残額は当座預金口座に振り込まれた。

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正解

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,400,000 資本金 3,100,000
当座預金 1,700,000

検算:借方 1,400,000 + 1,700,000 = 3,100,000 = 貸方 3,100,000 ✓

解説

手順1 当座預金の金額を求める

「残額」と書かれているので、総額から現金で受け取った分を引きます。

3,100,000 − 1,400,000 = ¥1,700,000

手順2 借方を2行に分けて書く

受け取り方が2つに分かれているので、借方は現金と当座預金の2行になります。

手順3 同じ貸方科目は総額でまとめる

受け取り方がいくつに分かれても、本教材の基本形では株式発行による払込総額を資本金として記録します。同じ資本金という科目なので、本教材では総額を1行にまとめます。

金額 説明
借方 現金 1,400,000 現金で受け取った分
借方 当座預金 1,700,000 残額(3,100,000 − 1,400,000)
貸方 資本金 3,100,000 払込みの総額

注意したい点

  • 同じ資本金を金額ごとに分けず、総額でまとめる。 受け取り方が分かれているのは借方の資産科目です。本教材では、増加する資本金を払込総額 ¥3,100,000 で1行にまとめます。
  • 貸方に総額を書くこと。 現金分の ¥1,400,000 だけを資本金にすると、払込額の一部が記録されないままになります。
  • 使用科目:現金/当座預金/資本金


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