この単元で身につけること
- 法令基準日という考え方を説明できる。
- 改正の公表・成立と施行を区別できる。
- 基準日時点で施行済みの改正と未施行の改正を判定できる。
- 未施行の改正値を先取りしないという原則を守れる。
全体像
税制は毎年度改正されます。重要なのは、基準日時点でどの値が現行制度かを判定することです。
そのために用いるのが法令基準日です。本教材では2026年4月1日を法令基準日とし、この日時点で施行されている制度を現行として扱います。
用語の説明
法令基準日:どの時点の法令に基づいて学習・出題するかを定めた日。本教材では2026年4月1日です。
公表・成立:改正内容が明らかにされ、法律として成立すること。
施行:成立した法律の効力が実際に生じること。公表・成立とは別の時点です。
未施行:成立しても効力が生じていない状態。
基本ルール
判定の原則:現行制度として扱うかどうかは、施行日が法令基準日以前かどうかで判定します。公表・成立の有無では判定しません。
令和7年度の所得税改正:基礎控除の見直し、給与所得控除の最低保障額65万円、扶養親族等の合計所得金額の要件58万円、特定親族特別控除は、2026年4月1日基準で現行制度として扱います。いずれもD03・D05で学習した内容です。
令和8年度の所得税改正:基礎控除・給与所得控除・扶養等の所得要件に関する改正は原則2026年12月1日施行です。2026年4月1日時点では未施行であり、改正後の値を現行値として使用しません。
重要な数字
・法令基準日:2026年4月1日 ・令和8年度所得税改正の主要項目の原則施行日:2026年12月1日 ・令和7年度改正のうち現行扱いのもの:給与所得控除の最低保障額65万円、扶養親族等の所得要件58万円ほか
令和8年度改正の改正後の金額は基準日時点で現行値ではないため扱いません。
具体例
判定例です。
・施行日が2025年12月1日の改正 → 基準日以前に施行済み → 現行として扱う ・施行日が2026年12月1日の改正 → 基準日より後 → 現行として扱わない
同じ「改正」でも施行日の違いで扱いが正反対になります。
計算のしかた
計算ではなく判定の手順を確認します。
- その改正の施行日を確認する(公表日・成立日ではありません)。
- 施行日と法令基準日2026年4月1日を比較する。
- 施行日が基準日以前 → 現行値として使用する。
- 施行日が基準日より後 → 現行値として使用しない。
- 判定結果を、根拠資料の施行日とともに記録する。
この手順は基準日が更新された場合にもそのまま使えます。
よくある間違い
- 公表・成立と施行の混同:公表・成立していても、施行前であれば現行値ではありません。
- 改正値の先取り:将来施行される値を基準日時点の学習や解答に用いてはいけません。
- 改正の新しさで判断する:新しい改正が常に現行とは限りません。基準は施行日です。
- 基準日の確認漏れ:教材や問題集の基準日を確認せずに数値を覚える誤りです。
試験での出題のされ方
本単元は、当該Unitおよび全Question_Slotについて過去問頻度を直接付与していない管理状態(UNVERIFIED)にあります。これは管理上の状態であり、出題可能性の否定ではありません。
試験は特定の基準日に基づいて出題されるため、基準日と施行日の関係の理解はどの単元にも関わる基礎的な視点です。
まとめ
・現行かどうかは施行日と法令基準日の比較で判定し、公表・成立では判定しません。 ・本教材の法令基準日は2026年4月1日です。 ・令和7年度の所得税改正(最低保障額65万円、所得要件58万円ほか)は現行扱いです。 ・令和8年度改正の主要項目は原則2026年12月1日施行のため、基準日時点では現行値として使用しません。
練習のしかた
- 改正が現行制度かどうかは公表日・成立日・施行日のどれで判定するか。
- 本教材の法令基準日はいつか。
- 令和8年度所得税改正の主要項目の原則的な施行日はいつか。
- 基準日より後に施行される改正の値を基準日時点の解答に用いてよいか。
(答え:1 施行日/2 2026年4月1日/3 2026年12月1日/4 用いてはいけない)
FP2級へのつながり
FP2級でも、どの基準日に立っているかの確認は毎年度必要です。判定の手順は級を問わず共通します。

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