重要度:A 論点:不動産登記法
問84:相続による所有権の移転の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権移転登記を申請しなければならない。
- B:相続人が遺産分割前に一定の事項を登記官に申し出た場合(相続人申告登記)であっても、相続登記の申請義務を履行したことにはならない。
- C:正当な理由がないにもかかわらず相続登記の申請義務に違反した者は、5万円以下の過料に処される。
- D:相続登記の申請義務は、施行日(令和6年4月1日)より前に相続が開始していた不動産には適用されない。
【第84問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】相続登記の申請義務(不動産登記法76条の2第1項)。【選択肢解説】正しい。相続(相続人に対する遺贈を含む。)により所有権を取得した者は、自己のために相続開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければならない。これが正解肢。
・B
【選択肢解説】誤り。相続人申告登記の申出を申請期間内にした者は、相続登記の基本的な申請義務を履行したものとみなされる。ただし、相続人申告登記は所有権や法定相続分を登記する手続ではなく、遺産分割成立後の追加的な登記義務まで履行したことになるものではない。
・C
【選択肢解説】誤り。申請義務違反の過料は「10万円以下」であり、「5万円以下」ではない(164条1項)。
・D
【選択肢解説】誤り。相続登記の申請義務は、施行日前に相続が開始していた不動産についても、経過措置(施行日又は相続を知った日のいずれか遅い日から3年以内等)により適用される。
重要度:A 論点:不動産登記法
問85:所有権の登記名義人の氏名、名称又は住所の変更登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:変更登記の申請義務は自然人だけに課され、法人の名称や本店所在地の変更には適用されない。
- B:所有権の登記名義人は、氏名、名称又は住所の変更日から2年以内に変更登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象となる。令和8年4月1日より前に生じた未登記の変更についても、原則として令和10年3月31日までに申請する必要がある。
- C:住所等の変更登記の申請義務は、抵当権者、賃借権者その他の所有権以外の登記名義人にも同じように課される。
- D:検索用情報を一度も申し出ていない者でも、法務局が住所変更を把握した時点で当然に申請義務を履行したものとみなされる。
【第85問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】誤り。申請義務は自然人だけでなく、会社その他の法人である所有権の登記名義人にも適用される。
・B
【論点】住所等変更登記の申請義務(不動産登記法76条の5)。【選択肢解説】正しい。令和8年4月1日から変更日後2年以内の申請が義務化され、施行日前の未登記変更にも経過措置が適用される。これが正解肢。
・C
【選択肢解説】誤り。義務化の対象は所有権の登記名義人であり、所有権以外の権利の登記名義人一般に課されるものではない。
・D
【選択肢解説】誤り。法務局による職権の変更登記を利用するには、スマート変更登記の前提となる検索用情報等の申出をする必要がある。

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