宅地建物取引士 権利関係 択一式(応用) 第16問〜第17問|物権・登記

重要度:A 論点:物権・登記

問16:Aは、自己所有の甲土地をBに売却した後、さらに同じ甲土地をCにも売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  • A:Bは、先に売買契約を締結した者であるから、登記を備えなくても、Cに対して甲土地の所有権を主張することができる。
  • B:Cが、Bへの売却の事実を知りながら甲土地を買い受けた背信的悪意者に当たる場合、Bは登記なくしてCに対抗することができる。
  • C:B・Cのいずれも登記を備えていない場合、先に代金を支払った者が優先して所有権を主張することができる。
  • D:Cが背信的悪意者に当たり、さらにCから甲土地を買い受けて登記を備えたDが背信的悪意者と評価されない場合でも、DはBに対して甲土地の所有権を主張することができない。
【第16問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】誤り。対抗要件主義(177条)により、単なる悪意の第二譲受人に対しても、登記なくして対抗することはできないのが原則。

・B
【論点】二重譲渡と背信的悪意者(177条・判例)。【考え方】背信的悪意者は自由競争の範囲を逸脱し、信義則上登記の欠缺を主張することが許されない者であり、これに対しては登記なくして対抗できる。【選択肢解説】正しい。これが正解肢。

・C
【選択肢解説】誤り。対抗要件はあくまで登記であり、代金支払いの先後は関係ない。

・D
【選択肢解説】誤り。判例上、背信的悪意者からの転得者であっても、その転得者自身が第一譲受人との関係で背信的悪意者と評価されない限り、登記を備えることにより所有権取得を対抗することができる。


重要度:A 論点:物権・登記

問17:甲土地をA、B、Cが持分3分の1ずつで共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  • A:甲土地に第三者Dのために抵当権を設定するには、A、B、C全員の同意が必要である。
  • B:甲土地について期間5年の賃貸借契約(短期賃貸借)をEとの間で締結するには、A、B、C全員の同意が必要である。
  • C:甲土地の現状を維持するための修繕(保存行為)は、Aが単独で行うことができる。
  • D:A、B、Cは、5年を超えない期間内であれば、共有物を分割しない旨の契約をすることができる。
【第17問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】正しい(=正解肢ではない)。抵当権設定等の処分行為は共有者全員の同意が必要(251条1項)。

・B
【論点】共有物の管理行為(252条4項)。【考え方】土地について5年以内の短期賃貸借の設定は「管理に関する事項」として、各共有者の持分の価格の過半数で決することができ、全員の同意までは不要。【選択肢解説】誤り。これが正解肢。

・C
【選択肢解説】正しい(=正解肢ではない)。保存行為は各共有者が単独で行うことができる(252条5項)。

・D
【選択肢解説】正しい(=正解肢ではない)。共有物の不分割特約は5年以内の期間に限り可能(256条1項ただし書、更新も可能)。


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