重要度:A 論点:総則
問13:代理権の濫用、自己契約および双方代理に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:代理人が自己の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合、その目的を相手方が知っていても、行為は常に本人に対して有効である。
- B:代理人が自己または第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をし、相手方がその目的を知り、または知ることができたときは、その行為は無権代理人がした行為とみなされる。
- C:自己契約または双方代理による行為は、本人があらかじめ許諾していた場合でも、常に無効となる。
- D:債務の履行として行う自己契約も、例外なく無権代理行為とみなされる。
【第13問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】誤り。相手方が代理人の濫用目的を知り、または知ることができた場合には、107条により無権代理行為とみなされる。
・B
【論点】代理権濫用(107条)。【選択肢解説】正しい。行為自体が代理権の範囲内でも、代理人の利益目的と相手方の悪意または有過失があると、無権代理として扱われる。
・C
【選択肢解説】誤り。自己契約・双方代理は原則として無権代理行為とみなされるが、本人があらかじめ許諾した行為は例外である(108条1項ただし書)。
・D
【選択肢解説】誤り。債務の履行は、本人の利益を害するおそれが通常ないため、自己契約・双方代理の禁止の例外とされる(108条1項ただし書)。
重要度:A 論点:総則
問14:時効の承認による更新に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:権利の承認によって時効が更新されるためには、承認者が相手方の権利を処分するための完全な行為能力または権限を有していなければならない。
- B:権利の承認があっても、時効期間は従前の起算点から引き続き進行し、承認時から新たに進行することはない。
- C:権利の承認があったときは、時効はその時から新たに進行を始める。
- D:承認による時効更新の効力は、更新事由の当事者だけでなく、すべての第三者に対して当然に及ぶ。
【第14問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】誤り。承認には、相手方の権利の処分について行為能力の制限を受けていないことや処分権限があることを要しない(152条2項)。
・B
【選択肢解説】誤り。承認は時効の更新事由であり、承認時から新たな時効期間が進行する。
・C
【論点】承認による時効の更新(152条)。【選択肢解説】正しい。債務の一部弁済、利息の支払い、支払猶予の申入れ等は、権利の存在を認める行為として承認に当たり得る。
・D
【選択肢解説】誤り。承認による時効更新は、更新事由が生じた当事者およびその承継人の間においてのみ効力を有する(153条3項)。
重要度:A 論点:総則
問15:制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 成年被後見人がした法律行為は、成年後見人の同意を得ていた場合でも、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、取り消すことができる。
イ 被保佐人が不動産を売却するには原則として保佐人の同意が必要であるが、保佐人に代理権が当然に付与されるわけではない。
ウ 被補助人がした法律行為は、家庭裁判所の審判の内容にかかわらず、すべて取り消すことができる。
エ 未成年者は、単に権利を得、または義務を免れる法律行為を、法定代理人の同意を得ずに単独ですることができる。
- A:一つ
- B:二つ
- C:三つ
- D:四つ
【第15問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】正しいものは三つであるため、「一つ」は誤り。
・B
【選択肢解説】正しいものは三つであるため、「二つ」は誤り。
・C
【論点】制限行為能力者の制度比較。【選択肢解説】ア・イ・エが正しく、正しいものは三つである。ア:正しい。成年後見人の同意は成年被後見人の行為を確定的に有効にするものではなく、日常生活行為を除き取消しの対象となる(9条)。イ:正しい。不動産の権利得喪は保佐人の同意を要する行為だが、保佐人に代理権が当然に生じるわけではなく、家庭裁判所の審判による代理権付与が必要である(13条、876条の4)。ウ:誤り。被補助人の行為で取り消せるのは、家庭裁判所が補助人の同意を要すると定めた特定の行為を、同意等なく行った場合である(17条)。エ:正しい。未成年者は、単に権利を得、または義務を免れる法律行為を単独で行える(5条1項ただし書)。
・D
【選択肢解説】ウが誤りであるため、「四つ」ではない。

コメント