重要度:A 論点:不法行為
問62:不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- B:不法行為による損害賠償請求権は、不法行為の時から10年を経過したときは、時効によって消滅する。
- C:使用者責任が成立する場合、使用者は被用者に対して求償することが一切できない。
【第62問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:正しい。生命・身体の侵害の場合の主観的起算点からの期間は5年(通常の不法行為は3年)。【試験対策】不法行為の時効=「知った時から3年(生命・身体は5年)」「行為の時から20年」。債務不履行の消滅時効(5年/10年)との数字の対比表を作り、どの場面の数字かを常に確認する。
・B:誤り。客観的起算点からの期間は20年。10年は債務不履行(権利を行使できる時から)の数字との入れ替え。
・C:誤り。使用者は被用者に対し、信義則上相当と認められる限度で求償できる。「一切できない」という全称表現のひっかけ。
重要度:A 論点:弁済①(第三者弁済)
問63:弁済に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:弁済をするについて正当な利益を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。
- B:弁済をするについて正当な利益を有しない第三者は、債務者の意思に反しても常に弁済をすることができる。
- C:弁済をするについて正当な利益を有する第三者であっても、債務者の意思に反するときは弁済をすることができない。
【第63問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:正しい。474条2項。正当な利益のない第三者は、債務者の意思に反して弁済できないが、債権者がその反対意思を知らなかったときは、債務者の意思との関係では弁済を妨げられない。ただし、この第三者は原則として債権者の意思に反して弁済できず、債務の性質が第三者弁済を許さない場合や、当事者が第三者弁済を禁止・制限した場合にも弁済できない(474条3項・4項)。【試験対策】第三者弁済=「正当な利益あり→債務者の意思に反しても可」「正当な利益なし→債務者・債権者の意思による制限あり」と整理する。
・B:誤り。正当な利益を有しない第三者は、原則として債務者の意思に反して弁済できない。「常に」という言い切りのひっかけ。
・C:誤り。正当な利益を有する第三者(物上保証人・担保不動産の第三取得者等)は、債務者の意思に反していても弁済できる(474条2項ただし書の反対解釈)。
重要度:B 論点:弁済②(受領権者としての外観を有する者への弁済)
問64:弁済に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- A:受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、弁済者の善意悪意を問わず有効である。
- B:受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、有効となる。
- C:受取証書の持参人に対する弁済は、弁済者の善意・過失の有無にかかわらず、常に有効である。
【第64問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:誤り。善意無過失が要件(478条)。善意悪意を問わないとする点が誤り。
・B:正しい。478条。受領権者としての外観を有する者(例:偽造の債権証書を持つ者等)への弁済は、弁済者が善意無過失の場合に限り有効。【試験対策】94条2項類推等の「外観保護+善意無過失」パターンと同系統として整理する。
・C:誤り。受取証書の持参人に対する弁済も478条の枠内で判断され、弁済者の善意無過失が必要であり、当然に有効となるわけではない。

コメント