宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第56問〜第58問|債権

重要度:A 論点:履行遅滞の起算点

問56:履行遅滞に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:確定期限のある債務は、債務者が履行の請求を受けた時から遅滞となる。
  • B:履行期限の定めのない債務は、債務者が履行の請求を受けた時から遅滞となる。
  • C:不確定期限のある債務は、期限が到来した時から当然に遅滞となる。
【第56問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。確定期限のある債務は期限が到来した時から遅滞となる。請求は不要であり、類型間の入れ替え。
・B:正しい。期限の定めのない債務は請求を受けた時から遅滞。【試験対策】起算点3類型=「確定期限:期限到来時」「不確定期限:期限到来後の請求時または債務者が期限到来を知った時の早い方」「定めなし:請求時」。3つを縦に並べて、どの類型の起算点を他の類型のものに差し替えているかを見抜く。
・C:誤り。不確定期限では、到来しただけでは遅滞とならず、到来後の請求または債務者の了知が必要。


重要度:A 論点:契約の解除

問57:債務不履行による契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:催告後相当期間が経過すれば、債務の不履行がその契約および取引上の社会通念に照らして軽微であっても、債権者は契約を解除することができる。
  • B:契約を解除するためには、債務者の責めに帰すべき事由が必要である。
  • C:債務の全部の履行が不能であり、その不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものでない場合、債権者は催告をすることなく、直ちに契約を解除することができる。
【第57問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。不履行が軽微であるときは、催告解除はできない。軽微性の制限を無視した結論の向きのひっかけ。
・B:誤り。令和2年改正により、解除に債務者の帰責事由は不要となった。損害賠償(帰責事由必要)との要件の混同を誘う旧法トラップ型のひっかけ。
・C:正しい。債務の全部の履行が不能であれば、原則として無催告解除ができる(542条1項1号)。ただし、不履行が債権者の責めに帰すべき事由による場合、債権者は解除できない(543条)。【試験対策】解除の改正3点=「帰責事由不要」「無催告解除の明文化(全部不能・明確な拒絶等)」「軽微な不履行では解除不可」。ただし、債権者側の帰責事由による不履行では解除できない。


重要度:A 論点:契約不適合責任

問58:売買の目的物が種類・品質に関して契約の内容に適合しない場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:買主が代金減額請求をするには、原則として催告は不要である。
  • B:買主は、不適合を知った時から2年以内にその旨を売主に通知しなければ、責任を追及できない。
  • C:買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由による場合を除き、売主に帰責事由がなくても、目的物の修補などの追完を請求することができる。
【第58問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。代金減額請求は原則として相当期間を定めた催告が必要(追完不能・明確な拒絶等の場合は無催告可)。原則と例外の入れ替え。
・B:誤り。通知期間は「知った時から1年以内」。2年は宅建業法8種制限の特約(引渡しから2年以上)との混同を誘う数字の入れ替え。民法と業法の数字を分けて覚える。
・C:正しい。追完請求に売主の帰責事由は不要。ただし、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、追完請求をすることができない(562条2項)。【試験対策】追完・代金減額・解除は売主の帰責事由不要/損害賠償のみ売主の帰責事由が必要。ただし、買主側の帰責事由による不適合では、追完・代金減額は認められず、解除もできない。


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