電験三種(第三種電気主任技術者)「理論」のうち、磁気回路と磁性体の問題です(大分類:電磁気・重要度B)。一問一答5問 → 五肢択一3問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:B 難易度:★☆☆
問1:磁気回路の磁気抵抗は、磁路の断面積に比例する。
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正解:×
磁気抵抗はRm=l/(μS)で、磁路長に比例し、透磁率と断面積に反比例します(電気抵抗R=ρL/Aと同じ形)。
重要度:B 難易度:★☆☆
問2:強磁性体のヒステリシスループ(B-H曲線)で囲まれた面積は、1周期の磁化で単位体積当たりに失われるエネルギー(ヒステリシス損)に対応する。
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正解:○
ヒステリシスループの面積は、1回の磁化の繰り返しで単位体積当たりに熱として失われるエネルギーを表します。面積が小さい材料ほどヒステリシス損が小さくなります。
重要度:B 難易度:★☆☆
問3:永久磁石の材料には、保磁力が小さい材料が適している。
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正解:×
永久磁石には、残留磁気が大きく保磁力が大きい(磁化が失われにくい)材料が適しています。保磁力が小さくヒステリシスループの面積が小さい材料は、変圧器などの鉄心に適しています。
重要度:B 難易度:★☆☆
問4:透磁率の大きい強磁性体で空間を囲むと、外部の磁束の多くが強磁性体の中を通るため、囲まれた内部の磁界が弱まる。
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正解:○
磁気遮へいの原理です。磁束は磁気抵抗の小さい強磁性体の中を通りやすいため、囲まれた内部に入る磁束が少なくなります。
重要度:B 難易度:★☆☆
問5:鉄心が磁気飽和すると、コイルの電流を増やしても、鉄心中の磁束はそれに比例しては増えなくなる。
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正解:○
磁化曲線(B-H曲線)は、磁界を強くしていくと傾きが小さくなり、やがて磁束密度がほとんど増えなくなります(磁気飽和)。このため磁束は電流に比例しなくなります。
五肢択一
重要度:B 難易度:★★☆
問6:平均磁路長0.5m、断面積5cm²、比透磁率1,000の環状鉄心に巻数500のコイルを巻き、1Aの電流を流した。鉄心中の磁束〔mWb〕の値として、最も近いものはどれか。漏れ磁束は無視する。ただし、真空の透磁率をμ0=4π×10⁻⁷H/mとする。
- 0.06
- 0.31
- 0.63
- 1.26
- 6.28
【第6問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
磁気抵抗Rm=l/(μ0μrS)=0.5/(4π×10⁻⁷×1,000×5×10⁻⁴)≒7.96×10⁵A/Wb
磁束Φ=NI/Rm=500×1/(7.96×10⁵)≒6.28×10⁻⁴Wb≒0.63mWb
1:誤り。比透磁率を100とした値です。
2:誤り。平均磁路長を1mとした値です。
3:正しい。
4:誤り。断面積を10cm²とした値です。
5:誤り。断面積の換算を5×10⁻³m²と誤った値です。
重要度:B 難易度:★★☆
問7:図のように、前問と同じ環状鉄心(平均磁路長0.5m、断面積5cm²、比透磁率1,000、巻数500、電流1A)に、長さ1mmのエアギャップ(空げき)を設けた。鉄心中の磁束〔mWb〕の値として、最も近いものはどれか。鉄心部分の磁路長は0.5mのままとし、漏れ磁束とギャップでの磁束の広がりは無視する。ただし、真空の透磁率をμ0=4π×10⁻⁷H/mとする。
(磁気回路の構成)環状鉄心(磁路長0.5m)の1か所に長さ1mmの空げきがあり、鉄心と空げきが直列の磁気回路になっている。断面積はどちらも5cm²である。

- 0.03
- 0.13
- 0.21
- 0.31
- 0.63
【第7問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
鉄心の磁気抵抗 Ri≒7.96×10⁵A/Wb
ギャップの磁気抵抗 Rg=1×10⁻³/(4π×10⁻⁷×5×10⁻⁴)≒1.59×10⁶A/Wb(長さ1mmなのに鉄心の約2倍)
直列なので合成 Ri+Rg≒2.39×10⁶A/Wb
Φ=500/(2.39×10⁶)≒2.09×10⁻⁴Wb≒0.21mWb(ギャップがないときの約1/3)
1:誤り。エアギャップの長さを1cm(10⁻²m)とした値です。
2:誤り。エアギャップを2mmとした値です。
3:正しい。
4:誤り。エアギャップの磁気抵抗だけで計算した値です。
5:誤り。エアギャップを無視した値です。
重要度:B 難易度:★★☆
問8:真空中で、強さ1×10⁻⁴Wbの点磁極から0.1m離れた点の磁界の強さ〔A/m〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、1/(4πμ0)=6.33×10⁴とする。
- 63.3
- 316.6
- 633.3
- 1,266.5
- 63,325.7
【第8問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
H=m/(4πμ0r²)=6.33×10⁴×1×10⁻⁴/0.1²=6.33/0.01=633A/m
1:誤り。距離を2乗し忘れた値です。
2:誤り。1/(8πμ0)を使った値です。
3:正しい。
4:誤り。距離を√0.5倍とした値です。
5:誤り。距離を0.01mとした値です。
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