電験三種(第三種電気主任技術者)「理論」のうち、電界・電位と導体の問題です(大分類:静電気・重要度A)。一問一答9問 → 五肢択一5問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:真空中の点電荷Qから距離rの点の電界の強さは、距離rに反比例する。
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正解:×
電界の強さE=Q/(4πε0r²)は、距離の2乗に反比例します。距離に反比例するのは電位V=Q/(4πε0r)です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:無限遠を電位の基準(0V)とすると、真空中の点電荷Qから距離rの点の電位は、距離rに反比例する。
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正解:○
無限遠を0Vとすると、電位V=Q/(4πε0r)は距離に反比例します。電位は基準のとり方で定数だけずれるため、基準を決めて考えます。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:複数の点電荷がある場合、ある点の電位は、各電荷による電位をベクトルとして合成して求める。
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正解:×
電位は向きをもたないスカラー量なので、各電荷による電位を符号を含めた代数和として求めます。ベクトルとして合成するのは電界や力です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:電荷がなく、電界の強さが0でない点では、電気力線は交わったり枝分かれしたりしない。
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正解:○
電気力線の接線の向きが電界の向きを表します。電界が0でない点では電界の向きが1つに決まるので、電気力線は交わったり枝分かれしたりしません。(電界が0の点、例えば等しい同符号の2つの点電荷の中点では、電界の向きが定まらないため除きます。電気力線は正の電荷から出て、負の電荷に入るか、無限遠へ向かいます)
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:電気力線は等電位面と平行である。
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正解:×
電気力線は等電位面と直交します。等電位面に沿って電荷を動かしても仕事をしないので、電界(電気力線)は等電位面に垂直です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:静電平衡の状態にある導体では、導体内部の電界は0で、導体全体が等電位である。
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正解:○
導体内部に電界があると自由電子が動き続けるため、静電平衡では内部の電界は0になります。電界が0なので、導体内のどの2点の間にも電位差はなく、導体全体が等電位です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:電気素量をe〔C〕とすると、静止していた電子を電位差V〔V〕で加速したとき、電子が得る運動エネルギーはeV〔J〕である。
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正解:○
電荷qが電位差Vを移動するときに電界がする仕事はqVです。電子ではe×V〔J〕で、1Vで加速したときのエネルギーを1eV(約1.60×10⁻¹⁹J)といいます。
重要度:A 難易度:★☆☆
問8:電界は、電位の低い点から高い点に向かう向きをもつ。
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正解:×
電界は電位の高い点から低い点に向かう向きをもちます。正の電荷は電界の向きに力を受け、電位の低い方へ動きます。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:電界の強さがE〔V/m〕の点では、電界に垂直な面1m²あたりE本の割合で電気力線を描くものとする。このとき、真空中で正の電荷Q〔C〕から出る電気力線の総数は、Q/ε0本である(ε0は真空の誘電率)。
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正解:○
ガウスの法則で、閉曲面を貫く電気力線の総数は、内部の電荷の和をε0で割った値です。点電荷を中心とする球面では、E×4πr²=Q/(4πε0r²)×4πr²=Q/ε0本になります。
五肢択一
重要度:A 難易度:★☆☆
問10:真空中で、1×10⁻⁸Cの点電荷から0.3m離れた点の電界の強さ〔V/m〕の値として、正しいものはどれか。ただし、真空の誘電率をε0とし、1/(4πε0)=9×10⁹N·m²/C²とする。
- 300
- 1,000
- 2,000
- 4,000
- 10,000
【第10問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
E=9×10⁹×1×10⁻⁸/0.3²=90/0.09=1,000V/m
1:誤り。距離を2乗し忘れた値(電位〔V〕の値)です。
2:正しい。
3:誤り。比例定数を1/(2πε0)とした値です。
4:誤り。距離を半分(0.15m)とした値です。
5:誤り。比例定数を9×10¹⁰と、1桁大きく誤った値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:真空中で、点Aに+2×10⁻⁹C、点Bに−1×10⁻⁹Cの点電荷を0.6m離して置いた。線分ABの中点Mの電位〔V〕の値として、正しいものはどれか。ただし、無限遠を電位0とし、真空の誘電率をε0とし、1/(4πε0)=9×10⁹N·m²/C²とする。
- −30
- 30
- 60
- 90
- 100
【第11問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
電位はスカラーなので、各電荷による電位を符号を含めて足します。中点Mは両方の電荷から0.3mです。
点Aの電荷による電位:9×10⁹×2×10⁻⁹/0.3=60V
点Bの電荷による電位:9×10⁹×(−1×10⁻⁹)/0.3=−30V
合計 60−30=30V
1:誤り。点Bの電荷による電位だけの値です。
2:正しい。
3:誤り。点Aの電荷による電位だけの値です。
4:誤り。負の電荷の電位を正として、電荷の大きさの和で計算した値です。
5:誤り。距離を2乗して(電界の式で)計算した値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:真空中にある半径0.09mの孤立した導体球の静電容量〔pF〕の値として、正しいものはどれか。ただし、真空の誘電率をε0とし、1/(4πε0)=9×10⁹N·m²/C²とする。
- 5.0
- 10.0
- 20.0
- 100.0
- 1,000.0
【第12問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
導体球に電荷Qを与えると、表面の電位はV=Q/(4πε0a)です。
C=Q/V=4πε0a=a÷(9×10⁹)=0.09/(9×10⁹)=1×10⁻¹¹F=10.0pF
1:誤り。C=2πε0aとした値です。
2:正しい。
3:誤り。C=8πε0aとした値です。
4:誤り。半径を0.9mとした値です。
5:誤り。半径9cmをメートルに換算せず、9として計算した値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問13:真空中(空気中とみなす)にある半径0.1mの孤立した導体球に電荷を与える。導体球の表面の電界の強さが3×10⁶V/mを超えると周囲の空気が絶縁破壊するものとすると、絶縁破壊しない最大の電荷〔μC〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、真空の誘電率をε0とし、1/(4πε0)=9×10⁹N·m²/C²とする。
- 33.3
- 6.7
- 3.3
- 1.7
- 0.3
【第13問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
導体球の表面の電界は、中心に電荷Qがあるときと同じで E=Q/(4πε0a²)
Q=E×a²÷(9×10⁹)=3×10⁶×0.1²/(9×10⁹)≒3.33×10⁻⁶C≒3.3μC
1:誤り。半径を2乗し忘れた値です。
2:誤り。比例定数を1/(8πε0)とした値です。
3:正しい。
4:誤り。比例定数を1/(2πε0)とした値です。
5:誤り。半径を3乗した値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問14:電界・電位・電気力線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 電気力線の密度が大きいところほど、電界は弱い。
- 電気力線の接線の向きは、その点の電界の向きを表す。
- 電気力線は等電位面と直交する。
- 静電平衡にある導体の内部には電気力線が存在しない。
- 電界は電位の高い点から低い点へ向かう向きをもつ。
【第14問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。
1:誤り。電気力線の密度(単位面積を貫く本数)は電界の強さを表すので、密度が大きいほど電界は強くなります。
2:正しい。電気力線は電界の向きをつないだ線です。
3:正しい。等電位面上では電界の成分がないためです。
4:正しい。導体内部の電界は0なので電気力線はありません。
5:正しい。正の電荷は電位の高い方から低い方へ力を受けます。
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