電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」のうち、配電線の保護の問題です(大分類:配電・重要度B)。一問一答6問 → 五肢択一2問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:B 難易度:★☆☆
問1:非接地方式の高圧配電線で1線地絡が生じたときの地絡電流は、直接接地方式の場合に比べて大きい。
解答を見る
正解:×
非接地方式には中性点から大地への経路がないため、地絡電流は対地静電容量を通じて流れる小さな電流になります。
重要度:B 難易度:★☆☆
問2:地絡方向継電器は、零相電圧と零相電流の位相関係から、地絡事故が自回線で生じたかどうかを判定する。
解答を見る
正解:○
自回線の地絡と他回線の地絡では、零相電流の向き(零相電圧に対する位相)が逆になるため、その位相関係で事故回線を選択します。
重要度:B 難易度:★☆☆
問3:地絡方向継電器に用いる零相電流は計器用変圧器で、零相電圧は零相変流器で検出する。
解答を見る
正解:×
零相電流は零相変流器(ZCT)で、零相電圧は接地形計器用変圧器(EVT)などで検出します。
重要度:B 難易度:★☆☆
問4:配電線路用遮断器が事故で遮断したあと、自動的に再び投入して送電を再開させることを再閉路という。
解答を見る
正解:○
樹木の接触や雷によるフラッシオーバなどで、アークが消えれば絶縁が回復する事故では、再閉路によって送電を再開できます。電技解釈でも、自動再閉路装置を有する配電線路用遮断器が規定されています。
重要度:B 難易度:★☆☆
問5:高圧電路と低圧電路を結合する変圧器では、高圧と低圧の混触による低圧側の電位上昇を抑えるため、低圧側の中性点(使用電圧300V以下で中性点に施し難いときは低圧側の1端子)にB種接地工事を施す。
解答を見る
正解:○
電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)第24条により、混触時に低圧側の電位が上昇する危険を防ぐため、低圧側の中性点などにB種接地工事を施します。
重要度:B 難易度:★★☆
問6:非接地方式の配電線で1線地絡が生じると、地絡していない健全な回線にも、その回線の対地静電容量を通じて零相電流が流れる。
解答を見る
正解:○
地絡により各回線の対地電圧が偏るため、健全回線の対地静電容量にも零相電流が流れます。この電流は事故回線とは逆向きになるため、地絡方向継電器で区別できます。
五肢択一
重要度:B 難易度:★☆☆
問7:次の文章の空欄(ア)〜(ウ)に当てはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
非接地方式の高圧配電線の1線地絡電流は、直接接地方式に比べて(ア)。地絡方向継電器は、零相電圧を(イ)で、零相電流を(ウ)で検出し、両者の位相関係から事故回線を選択する。
- (ア)大きい (イ)接地形計器用変圧器 (ウ)零相変流器
- (ア)小さい (イ)変流器 (ウ)計器用変圧器
- (ア)小さい (イ)零相変流器 (ウ)接地形計器用変圧器
- (ア)大きい (イ)零相変流器 (ウ)接地形計器用変圧器
- (ア)小さい (イ)接地形計器用変圧器 (ウ)零相変流器
【第7問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
1:誤り。非接地方式の1線地絡電流は小さくなります。
2:誤り。通常の変流器・計器用変圧器では零相分を取り出せません。零相電流は零相変流器、零相電圧は接地形計器用変圧器で検出します。
3:誤り。零相電圧は接地形計器用変圧器で、零相電流は零相変流器で検出します。
4:誤り。(ア)は小さい、(イ)は接地形計器用変圧器、(ウ)は零相変流器です。
5:正しい。
重要度:B 難易度:★★☆
問8:高圧配電線の保護に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 非接地方式の高圧配電線では、1線地絡電流が小さい。
- 配電線路用遮断器が事故で遮断したあと、自動的に再投入して送電を再開させることを再閉路という。
- 高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点などには、混触時の危険を防ぐためにB種接地工事を施す。
- 非接地方式の配電線の1線地絡では、健全回線にも対地静電容量を通じて零相電流が流れる。
- 地絡方向継電器は、零相電流の大きさだけで事故回線を判定する。
【第8問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
1:正しい。地絡電流は対地静電容量を通じて流れる小さな電流です。
2:正しい。
3:正しい。電技解釈第24条の規定です。
4:正しい。この電流は事故回線と逆向きになります。
5:誤り。健全回線にも零相電流が流れるため、大きさだけでは事故回線を区別できません。零相電圧と零相電流の位相関係で判定します。
「配電」の他の論点