電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」のうち、架空送電線路の構成と電線の問題です(大分類:送電・重要度A)。一問一答8問 → 五肢択一4問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:鋼心アルミより線(ACSR)は、外側の鋼線で張力を受け持ち、中心のアルミ線で電流を流す構造である。
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正解:×
ACSRは、中心の鋼線で張力を受け持ち、その外側にアルミ線をより合わせて電流を流す構造です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:多導体方式の送電線は、同じ断面積の単導体方式に比べて、1相当たりのインダクタンスが小さく、静電容量が大きい。
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正解:○
多導体方式では1相の等価半径が大きくなるため、インダクタンスが小さく、静電容量が大きくなります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:多導体方式は、単導体方式に比べて電線表面の電位の傾きが大きくなるため、コロナ放電が発生しやすい。
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正解:×
多導体方式は等価半径が大きく、電線表面の電位の傾きが小さくなるため、コロナ放電が発生しにくくなります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:アークホーンは、フラッシオーバが生じたときのアークをがいしの表面から離し、がいしの破損を防ぐために取り付ける。
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正解:○
アークホーンはがいし装置の両端に取り付ける金具で、アークをホーンの間に導き、がいしをアークの熱から守ります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:スペーサは、電線の微風振動のエネルギーを吸収して振動を抑えるために、電線の支持点付近に取り付ける。
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正解:×
微風振動を抑えるのはダンパです。スペーサは、多導体の素導体どうしが接触しないよう間隔を保つための金具です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:ねん架は、三相送電線の各相の電線の配置を区間ごとに入れ替えて、各相の線路定数を平衡させるために行う。
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正解:○
電線の配置によって各相のインダクタンスや静電容量に差が出るため、配置を入れ替えて平衡させます。誘導障害の軽減にも役立ちます。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:送電線のインダクタンスは、電線(導体)の間隔が大きいほど小さくなる。
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正解:×
インダクタンスは ln(D/r)(D:導体の間隔、r:導体の半径)に比例するため、導体の間隔が大きいほど大きくなります。
重要度:A 難易度:★★☆
問8:懸垂がいし連を構成する各がいしの電圧分担は一様ではなく、電線に近いがいしほど大きい。
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正解:○
各がいしには、がいしどうしの静電容量のほかに鉄塔(大地)や電線との間の静電容量があるため、電圧分担は一様にならず、電線側のがいしほど大きくなります。
五肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問9:架空送電線路の構成と電線の性質に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 送電線の静電容量は、電線(導体)の間隔が大きいほど大きくなる。
- 架空送電線路のがいしには、懸垂がいし、長幹がいし、ラインポストがいしなどがある。
- 架空地線は、送電線の上部に張って、電線を直撃雷から遮へいする。
- 電線の太さは、許容電流、電圧降下、機械的強度、コロナ、経済性を考えて選ぶ。
- 交流では表皮効果により、電線の実効抵抗は直流抵抗より大きくなる。
【第9問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。
1:誤り。静電容量は 1/ln(D/r) に比例するため、導体の間隔Dが大きいほど小さくなります。
2:正しい。架空送電線路の代表的ながいしです。
3:正しい。架空地線は電線の上部に張り、雷を電線より先に受けて電線を遮へいします。
4:正しい。電線の太さはこれらの条件を考えて選びます。
5:正しい。交流電流は導体の表面に集まって流れる(表皮効果)ため、実効抵抗が直流抵抗より大きくなります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問10:次の文章の空欄(ア)〜(ウ)に当てはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
鋼心アルミより線は、中心の(ア)で張力を受け持つ。多導体方式の送電線では、素導体どうしの間隔を保つために(イ)を取り付け、微風振動を抑えるために(ウ)を取り付ける。
- (ア)アルミ線 (イ)スペーサ (ウ)ダンパ
- (ア)鋼線 (イ)ダンパ (ウ)スペーサ
- (ア)鋼線 (イ)スペーサ (ウ)ダンパ
- (ア)アルミ線 (イ)ダンパ (ウ)スペーサ
- (ア)鋼線 (イ)アークホーン (ウ)スペーサ
【第10問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
1:誤り。鋼心アルミより線で張力を受け持つのは中心の鋼線です。
2:誤り。素導体の間隔を保つのはスペーサ、微風振動を抑えるのはダンパです。
3:正しい。
4:誤り。(ア)は鋼線、(イ)はスペーサ、(ウ)はダンパです。
5:誤り。アークホーンはアークからがいしを守る金具で、素導体の間隔を保つものではありません。微風振動を抑えるのはダンパです。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:架空送電線路の電線と線路定数に関する記述として、正しいものはどれか。
- ケルビンの法則は、電線の許容電流だけから電線の太さを決める考え方である。
- 架空地線を設けると、地絡時に通信線へ生じる電磁誘導障害が大きくなる。
- ねん架を行うと、各相のインダクタンスや静電容量の不平衡が大きくなる。
- 電線(導体)の半径を大きくすると、送電線のインダクタンスは小さくなる。
- 交流電流が流れると、表皮効果により電流は導体の中心部に集中して流れる。
【第11問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
1:誤り。ケルビンの法則は、電線の建設費の年経費と、電力損失による年間の損失費が等しくなるように電線の太さを選ぶと最も経済的になる、という経済性の考え方です。
2:誤り。架空地線には地絡電流の一部が流れ、通信線への電磁誘導を打ち消す向きに働くため、誘導障害の軽減に役立ちます。
3:誤り。ねん架は各相の線路定数を平衡させるために行います。
4:正しい。インダクタンスは ln(D/r) に比例するため、半径rが大きいほど小さくなります。
5:誤り。表皮効果では、電流は導体の表面近くに集中して流れます。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:多導体方式と送電線の静電容量に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 多導体方式は、単導体方式に比べて1相当たりのインダクタンスを小さくできる。
- 多導体方式は、単導体方式に比べて1相当たりの静電容量が大きくなる。
- 多導体方式は、リアクタンスが小さくなるため、送電容量を大きくできる。
- 三相送電線の1線当たりの作用静電容量は、対地静電容量に線間静電容量の3倍を加えたものである。
- 電線(導体)の半径を大きくすると、送電線の静電容量は小さくなる。
【第12問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
1:正しい。等価半径が大きくなるため、インダクタンスが小さくなります。
2:正しい。等価半径が大きくなるため、静電容量は大きくなります。
3:正しい。リアクタンスが小さくなると、P=VsVr·sinδ/X より送電容量が大きくなります。
4:正しい。線間静電容量をΔ−Y換算すると3倍になるため、作用静電容量=対地静電容量+3×線間静電容量 です。
5:誤り。静電容量は 1/ln(D/r) に比例するため、半径rが大きいほど大きくなります。
「送電」の他の論点
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