連結会計の基礎と支配獲得日の資本連結 計算問題 第1問〜第4問

問1

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で一括して取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんの償却期間は10年である。支配獲得日の直後であり、取得後の当期純利益や配当はまだ発生していない。

(1)子会社資本の合計、(2)親会社持分を求めなさい。

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解答・解説

  • (1) 子会社資本の合計:5,000,000円
  • (2) 親会社持分:4,000,000円

子会社資本:資本金3,000,000+繰越利益剰余金2,000,000=5,000,000円
親会社持分:5,000,000×80%=4,000,000円

検証:子会社資本は資本金と繰越利益剰余金の両方を足します。一方だけでは合計になりません。親会社持分は、その合計に持分比率を掛けて求めます。


問2

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で一括して取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんの償却期間は10年である。支配獲得日の直後であり、取得後の当期純利益や配当はまだ発生していない。

(1)非支配株主持分、(2)のれんを求めなさい。

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解答・解説

  • (1) 非支配株主持分:1,000,000円
  • (2) のれん:500,000円

非支配株主持分:子会社資本5,000,000×20%=1,000,000円
親会社持分:5,000,000×80%=4,000,000円
のれん:取得原価4,500,000-親会社持分4,000,000=500,000円

検証:親会社持分4,000,000+非支配株主持分1,000,000=5,000,000円で子会社資本と一致します。のれんを求めるとき引く相手は親会社持分です。非支配株主持分1,000,000円を引くと3,500,000円となり誤りです。

のれんの償却期間10年は与えられていますが、この単元は支配獲得日直後の資本連結を扱うため、この時点ではのれんの償却仕訳を行いません。


問3

2027年10月1日、P社はS社の発行済株式の75%を3,400,000円で一括して取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金2,500,000円、繰越利益剰余金1,500,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんの償却期間は10年である。支配獲得日の直後であり、取得後の当期純利益や配当はまだ発生していない。

(1)親会社持分、(2)非支配株主持分、(3)のれんを求めなさい。

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解答・解説

  • (1) 親会社持分:3,000,000円
  • (2) 非支配株主持分:1,000,000円
  • (3) のれん:400,000円

子会社資本:2,500,000+1,500,000=4,000,000円
親会社持分:4,000,000×75%=3,000,000円
非支配株主持分:4,000,000×25%=1,000,000円
のれん:3,400,000-3,000,000=400,000円

検証:3,000,000+1,000,000=4,000,000円で子会社資本と一致し、400,000+3,000,000=3,400,000円で取得原価と一致します。これらは算定の整合を確かめる手がかりです。ただし、親会社持分比率75%と非支配比率25%をそっくり入れ替えた場合は両方の検算を通過してしまうため、比率の帰属は問題文で確認します。


問4

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で一括して取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんの償却期間は10年である。支配獲得日の直後であり、取得後の当期純利益や配当はまだ発生していない。

(1)子会社資本の合計、(2)親会社持分、(3)非支配株主持分、(4)のれんを求め、(5)支配獲得日の連結修正仕訳の借方合計と貸方合計が一致することを検証しなさい。

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解答・解説

  • (1) 子会社資本の合計:5,000,000円
  • (2) 親会社持分:4,000,000円
  • (3) 非支配株主持分:1,000,000円
  • (4) のれん:500,000円
  • (5) 借方合計・貸方合計:ともに5,500,000円

判断根拠

与えられた3つの数値(取得原価4,500,000円、子会社資本5,000,000円、持分比率80%/非支配比率20%)から順に算定します。

順 算定 計算 金額
1 子会社資本の合計 3,000,000+2,000,000 5,000,000
2 親会社持分 5,000,000×80% 4,000,000
3 非支配株主持分 5,000,000×20% 1,000,000
4 のれん 4,500,000-4,000,000 500,000

仕訳に並べると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
資本金 3,000,000 子会社株式 4,500,000
繰越利益剰余金 2,000,000 非支配株主持分 1,000,000
のれん 500,000
合計 5,500,000 合計 5,500,000

検証

検証項目 計算 結果
借方合計 3,000,000+2,000,000+500,000 5,500,000
貸方合計 4,500,000+1,000,000 5,500,000
貸借の一致 5,500,000=5,500,000 一致
持分の按分 親会社持分4,000,000+非支配株主持分1,000,000 5,000,000=子会社資本
のれんの算式 のれん500,000+親会社持分4,000,000 4,500,000=取得原価

貸借の一致に加えて、2つの検算を行うことが重要です。 ただし、これらの検算で見つかる誤りには限界があります。持分の按分の検算は、比率を掛けた結果の合計が子会社資本へ戻らない場合に気づく手がかりになります。のれんの検算は、取得原価から差し引く相手を取り違えた結果、算式の整合が崩れた場合に気づく手がかりになります。親会社持分比率と非支配比率をそっくり入れ替えた場合は、持分合計・のれんの算式・貸借一致の3つすべてを通過することがあるため、比率の帰属を問題文で確認する必要があります。

想定される誤り

のれんを取得原価4,500,000円から非支配株主持分1,000,000円を引いて3,500,000円としてしまうことです。この場合、借方合計は3,000,000+2,000,000+3,500,000=8,500,000円、貸方合計は4,500,000+1,000,000=5,500,000円となり、貸借が一致しないため検算で気づけます。

もう一つは持分比率と非支配比率を取り違え、親会社持分1,000,000円・非支配株主持分4,000,000円としてしまうことです。この誤りは、持分合計・のれんの算式・貸借一致の3つの検算でも見つかりません。 親会社持分1,000,000円と非支配株主持分4,000,000円の合計は5,000,000円のままです。のれんも4,500,000-1,000,000=3,500,000円となり、3,500,000+1,000,000=4,500,000円で取得原価へ戻ってしまいます。この誤った数値で仕訳すると、借方は3,000,000+2,000,000+3,500,000=8,500,000円、貸方も4,500,000+4,000,000=8,500,000円となって一致します。したがって、80%が親会社持分、20%が非支配株主持分であることを問題文に戻って確認する必要があります。

三つ目は、償却期間10年が与えられていることから支配獲得日に償却を行ってしまうことです。支配獲得日にはまだ償却しません。


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