重要度:A 論点:不動産の見方
第1問
【事例】
【頻度注記】EX-E-012は公的土地評価・登記・鑑定評価等を含む広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。登記記録の読解という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。
【設問】
蓮沼直人さんは、購入を検討している土地の登記事項証明書を取り寄せた。下記<資料>は、その登記記録の一部を抜粋したものである。この資料から読み取れる内容として、正しいものはどれか。
<資料:土地の登記記録(抜粋)>
【表題部】 ・所在:〇〇市△△町三丁目 ・地番:14番8 ・地目:宅地 ・地積:186.42平方メートル
【権利部(甲区)】 ・順位番号1 所有権移転 原因:売買 所有者:柚木政義
【権利部(乙区)】 ・順位番号1 抵当権設定 債権額:3,200万円 抵当権者:〇〇信用金庫
- この土地の現在の所有者は〇〇信用金庫である
- この土地には抵当権が設定されており、その債権額は3,200万円である
- 登記記録に柚木政義さんが所有者として記録されていることにより、柚木さんが真の所有者であることが登記によって保証されている
【第1問:正解と解説】
正解:2(この土地には抵当権が設定されており、その債権額は3,200万円である)
- 何を判断するか:登記記録から読み取れる内容
- 使用するルール:表題部には土地・建物の物理的状況等、権利部甲区には所有権に関する事項、権利部乙区には抵当権等の所有権以外の権利に関する事項が記録される。
- 当てはめ:所有者は甲区に記録された柚木政義さん。抵当権は乙区に記録され、債権額は3,200万円。
- 結論:選択肢2が正しい
間違いやすい点
・選択肢1:乙区に記録された抵当権者を所有者と取り違えた誤り。所有権に関する事項は甲区に記録されるため、この資料の所有者は柚木政義さんです。甲区と乙区の役割の取り違えです。 ・選択肢3:登記に公信力があるという誤解。登記には第三者に対抗するための効力はありますが、登記の内容を信頼して取引したというだけで権利取得が当然に保護される公信力は原則としてありません。したがって登記記録の記載が真の権利者であることを保証するものではありません。
地積186.42平方メートルや地目は表題部に記録される物理的状況です。権利関係を確認する際は、甲区・乙区のどちらに記録されているかを意識して読み取ってください。
重要度:A 論点:不動産の見方
第2問
【事例】
【頻度注記】EX-E-012は公的土地評価・登記・鑑定評価等を含む広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。公的土地価格資料という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。
【設問】
保科あかりさんは、所有する土地の価格水準を調べるため、FPに公的な土地の価格について質問した。下記<資料>の空欄(ア)(イ)にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
<資料:公的な土地の価格>
| 名称 | 実施主体等 | 基準日 |
|---|---|---|
| 公示価格 | 国土交通省土地鑑定委員会 | (ア) |
| 基準地価格 | 都道府県 | (イ) |
- (ア)毎年1月1日 (イ)毎年7月1日
- (ア)毎年7月1日 (イ)毎年1月1日
- (ア)毎年1月1日 (イ)毎年1月1日
【第2問:正解と解説】
正解:1((ア)毎年1月1日 (イ)毎年7月1日)
- 何を判断するか:公示価格と基準地価格の基準日
- 使用するルール:地価公示による公示価格の基準日は毎年1月1日であり、国土交通省土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を公示する。都道府県地価調査による基準地価格の基準日は毎年7月1日である。
- 当てはめ:(ア)は公示価格の基準日で毎年1月1日、(イ)は基準地価格の基準日で毎年7月1日。
- 結論:選択肢1が正しい
間違いやすい点
・選択肢2:公示価格と基準地価格の基準日を入れ替えた誤り。両者の基準日の対応を取り違えたものです。 ・選択肢3:基準地価格の基準日を公示価格と同じ1月1日としてしまった誤り。相続税路線価の基準日が公示価格と同じ1月1日であることから、公的価格の基準日をすべて1月1日と一般化してしまう誤解に対応しています。
相続税・贈与税の土地評価に用いる相続税路線価の基準日も毎年1月1日です。公的な土地の価格のうち、基準日が7月1日であるのは基準地価格である点を押さえてください。
重要度:A 論点:不動産の見方
第3問
【事例】
【頻度注記】EX-E-012は公的土地評価・登記・鑑定評価等を含む広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。鑑定評価手法という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。
【設問】
峰岸多恵子さんは、賃貸に出しているアパート1棟の価格について不動産鑑定士に評価を依頼することにした。下記<資料>の説明にあてはまる鑑定評価の手法として、正しいものはどれか。
<資料:鑑定評価の手法に関する説明> ・対象となる不動産が将来生み出すと見込まれる純収益等を基に、その不動産の価格を求める手法である。 ・賃貸用不動産のように、収益性が価格に大きく影響する不動産の評価において用いられる。
- 原価法
- 取引事例比較法
- 収益還元法
【第3問:正解と解説】
正解:3(収益還元法)
- 何を判断するか:資料の説明にあてはまる鑑定評価の手法
- 使用するルール:原価法は再調達原価を基礎に減価修正等を行って価格を求める手法、取引事例比較法は類似不動産の取引事例を比較・補正して価格を求める手法、収益還元法は対象不動産が将来生み出す純収益等を基に価格を求める手法。
- 当てはめ:資料は「将来生み出すと見込まれる純収益等を基に価格を求める」と述べており、収益還元法の説明にあたる。
- 結論:収益還元法
間違いやすい点
・選択肢1(原価法):再調達原価を基礎に減価修正等を行う手法であり、将来の純収益を基礎とするものではありません。価格を求める基礎となるものの取り違えです。 ・選択肢2(取引事例比較法):類似不動産の取引事例を比較・補正する手法であり、将来の純収益を基礎とするものではありません。同じく基礎となるものの取り違えです。
鑑定評価では、評価の目的や対象となる不動産の性格に応じて手法が選ばれます。本問は資料の説明から手法を判断するもので、具体的な評価額の算出や各手法の専門的な適用手順は本単元の範囲外です。
重要度:A 論点:不動産の取引
第4問
【事例】
【頻度注記】EX-E-013は賃貸・借地借家・不動産所得等を具体例に適用する広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。定期借地権の類型判断という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。
【設問】
土地を所有する黒木さちさんは、その土地を事業者へ賃貸することを検討しており、FPに相談した。下記<資料>は、黒木さんが検討している契約の条件をまとめたものである。この条件に該当する借地権の類型として、正しいものはどれか。
<資料:黒木さんが検討している契約条件> ・土地の利用目的:借主が専ら事業の用に供する建物(店舗)を所有すること。居住用建物は含まない。 ・契約期間:25年 ・契約の方式:公正証書によって契約する ・契約の更新および建物の再築による期間の延長は行わないものとする
- 一般定期借地権
- 建物譲渡特約付借地権
- 事業用定期借地権
【第4問:正解と解説】
正解:3(事業用定期借地権)
- 何を判断するか:資料の条件に該当する借地権の類型
- 使用するルール:事業用定期借地権は、専ら事業用の建物を所有する目的で、存続期間が10年以上50年未満、公正証書によって契約する。一般定期借地権は存続期間50年以上。建物譲渡特約付借地権は設定後30年以上経過した日に建物を譲渡する特約による。
- 当てはめ:利用目的は専ら事業用の建物の所有であり、契約期間25年は10年以上50年未満の範囲内、方式は公正証書。3つの要件がいずれも事業用定期借地権に合致する。
- 結論:事業用定期借地権
間違いやすい点
・選択肢1(一般定期借地権):一般定期借地権の存続期間は50年以上であり、契約期間25年はこれを満たしません。期間要件の判定誤りです。 ・選択肢2(建物譲渡特約付借地権):建物譲渡特約付借地権は設定後30年以上経過した日に建物を譲渡する特約を伴うものであり、契約期間25年は30年以上という期間を満たしません。また資料には建物譲渡の特約が示されていません。
事業用定期借地権は、書面であればよいのではなく公正証書によることが必要である点が他の類型と異なります。また利用目的が専ら事業用の建物の所有に限られるため、居住用建物を所有する目的では利用できません。本問は類型の判断のみを扱い、地代や権利金の計算は行いません。
重要度:A 論点:不動産の取引
第5問
【事例】
【頻度注記】EX-E-013は賃貸・借地借家・不動産所得等を具体例に適用する広い実技出題枠であり、上記頻度(3/3・100%・A)は枠全体の観測値です。建物賃貸借の類型判断という個別サブ論点が毎回出題されたことを意味しません。
【設問】
所有するマンションの1室を賃貸に出すことにした結城ひとみさんは、下記<資料>の条件で入居希望者と契約することを考えている。この契約に関する記述として、正しいものはどれか。
<資料:結城さんが予定している契約条件> ・契約は書面によって行う。 ・契約期間:3年 ・契約に先立ち、賃貸人である結城さんが、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明する。 ・期間満了後に入居者が引き続き居住を希望する場合は、あらためて契約を締結するものとする。
- この契約は普通建物賃貸借であり、期間満了時に賃貸人が更新を拒絶するには正当事由が必要である
- この契約は定期建物賃貸借であり、契約の更新はなく、継続する場合は再契約となる
- この契約は契約期間を3年としているため、期間の定めがないものとみなされる
【第5問:正解と解説】
正解:2(この契約は定期建物賃貸借であり、契約の更新はなく、継続する場合は再契約となる)
- 何を判断するか:資料の条件に該当する建物賃貸借の類型とその効果
- 使用するルール:定期建物賃貸借は、書面または電磁的記録による契約が必要であり、賃貸人はあらかじめ契約の更新がなく期間の満了により終了する旨を説明する必要がある。契約の更新はなく、継続する場合は再契約となる。
- 当てはめ:資料では書面による契約、事前の書面交付による説明、期間満了後は再契約という条件がそろっており、定期建物賃貸借に該当する。
- 結論:選択肢2が正しい
間違いやすい点
・選択肢1:資料の条件は定期建物賃貸借に該当するため、普通建物賃貸借とする点が誤りです。なお、賃貸人による更新拒絶に正当事由が必要となるのは普通建物賃貸借の場合であり、類型の判定を誤ると結論も変わります。 ・選択肢3:期間の定めがないものとみなされるのは、普通建物賃貸借で期間を1年未満と定めた場合です。契約期間3年は1年未満ではなく、またこの契約は定期建物賃貸借であるため、この扱いにはあたりません。期間要件の適用対象を取り違えた誤りです。
定期建物賃貸借では、書面等による契約と事前の説明という2つの手続が必要です。いずれかが欠ける場合の効果は本単元の範囲を超えるため扱いませんが、両方がそろっていることを確認する視点を持ってください。本問は類型と基本的な効果の判断のみを扱います。

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