FP技能士2級 実技・事例問題 相続・事業承継 第4問(四肢択一)
設例
2026年4月1日現在の法令等に基づくものとし、以下の設例に基づいて解答すること。
植篠嘉司朗さんは2026年8月26日に死亡した。国内に住所があり、妻と実子2人のほかに子・養子・代襲者はいない。受取人は全員日本国籍を有して国内に居住する居住無制限納税義務者である。
資料:相続と保険金(単位:円)
| 人 | 取得した本来の相続財産 | 死亡保険金 | 相続放棄 |
|---|---|---|---|
| 妻の植篠千緒音さん | 38427611 | 22783214 | なし |
| 長女の植篠歩実乃さん | 45638709 | 0 | なし |
| 長男の植篠泉里央さん | 0 | 8317426 | 2026年9月23日に家庭裁判所への申述が受理済み |
保険は被相続人を被保険者とする生命保険で、保険料を被相続人が全額負担した。各金額は死亡時の相続税評価額で、保険金は契約上の受取人が直接取得する。本来の財産は預貯金・有価証券であり、評価の調整は済んでいる。
資料:費用と負担者(単位:円)
| 項目 | 妻の負担額 | 長女の負担額 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 被相続人の確実な借入金 | 3481237 | 2739518 | 相続開始時に現存。各人が実際に負担 |
| 控除対象の葬式費用 | 824116 | 0 | 通常の葬儀・火葬に直接必要な費用。法要等を含めない |
| 墓碑購入の未払代金 | 260374 | 0 | 被相続人が生前購入した墓碑の代金 |
| 相続人の責任による延滞税 | 0 | 154638 | 長女の責任で生じたもの。被相続人の債務ではない |
遺産の帰属と負担は確定し、遺言・他の遺贈はない。死亡退職金、相続時精算課税・暦年贈与の加算、他の課税財産・債務はない。不動産を取得していないので小規模宅地等の評価減は使わない。本問は遺産に係る基礎控除を差し引く前の各人の課税価格の合計であり、相続税の総額や配偶者・未成年者等の税額控除は計算しない。
設問
設例の資料を参照して、各人の課税価格の合計額を選んでください。単位は円。各人の課税価格を求めて1,000円未満を切り捨てた後、合計してください。
- 98,121,000円
- 84,804,000円
- 93,121,000円
- 92,861,000円
正解と解説を見る
正解:3
正答は3。相続財産と被相続人負担の死亡保険金を区分する。人数は放棄がなかったものとした妻と実子2人の3人なので非課税限度は500万円×3=1,500万円。相続人である妻の保険金からこれを控除するが、放棄した長男には非課税枠を使わない。本人負担の確実な債務と葬式費用を控除する。墓碑代、相続人責任の延滞税は控除しない。被相続人の公租公課に当たる別債務はない。妻は38,427,611+22,783,214−15,000,000−3,481,237−824,116=41,905,472円、長女は45,638,709−2,739,518=42,899,191円、長男は8,317,426円。各人を1,000円未満切捨てし、41,905,000+42,899,000+8,317,000=93,121,000円。誤答の原因:1の98,121,000円は人数から放棄者を外し、限度額を1,000万円としたもの。2の84,804,000円は放棄者の保険金を課税価格から全て除外したもの。4の92,861,000円は墓碑代260,374円を妻の債務控除へ加え、妻の切捨て後を41,645,000円としたもの。
※設例に登場する人物・団体はすべて架空のものであり、実在のものとは関係ありません。