ケース2 共通資料
当工場は補助部門費の配賦に相互配賦法(簡便法・2回配賦)を採用している。当月の資料は次のとおりである。
配賦前の部門費
| 部門 | 金額 |
|---|---|
| 第1製造部門 | 520,000円 |
| 第2製造部門 | 380,000円 |
| 動力部門 | 300,000円 |
| 修繕部門 | 240,000円 |
第1次配賦の用役消費割合
| 用役 | 第1製造部門 | 第2製造部門 | 他の補助部門 |
|---|---|---|---|
| 動力部門の用役 | 50% | 30% | 修繕部門 20% |
| 修繕部門の用役 | 25% | 50% | 動力部門 25% |
問1
第1次配賦の配賦額を求め、第1次配賦後の各製造部門費と、各補助部門が受け入れた金額を示しなさい。
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正答
第1次配賦
| 配賦元 | 第1製造部門 | 第2製造部門 | 他の補助部門 |
|---|---|---|---|
| 動力部門費300,000円 | 150,000円 | 90,000円 | 修繕部門へ 60,000円 |
| 修繕部門費240,000円 | 60,000円 | 120,000円 | 動力部門へ 60,000円 |
- 第1次配賦後の製造部門費:第1製造部門 730,000円/第2製造部門 590,000円
- 補助部門の受入額:動力部門 60,000円/修繕部門 60,000円
解説
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 動力→第1製造 | 300,000×50% | 150,000 |
| 2 | 動力→第2製造 | 300,000×30% | 90,000 |
| 3 | 動力→修繕 | 300,000×20% | 60,000 |
| 4 | 修繕→第1製造 | 240,000×25% | 60,000 |
| 5 | 修繕→第2製造 | 240,000×50% | 120,000 |
| 6 | 修繕→動力 | 240,000×25% | 60,000 |
| 7 | 第1次配賦後の第1製造部門費 | 520,000+150,000+60,000 | 730,000 |
| 8 | 第1次配賦後の第2製造部門費 | 380,000+90,000+120,000 | 590,000 |
第1次配賦では補助部門どうしの用役のやりとりを認識します。 動力部門費は修繕部門へ、修繕部門費は動力部門へも配賦されます。
動力部門が受け入れたのは修繕部門からの60,000円、修繕部門が受け入れたのは動力部門からの60,000円です。たまたま同額ですが、それぞれ別の配賦元から生じた金額です。
配点
動力部門費の配賦150,000円・90,000円・60,000円、修繕部門費の配賦60,000円・120,000円・60,000円、第1次配賦後の製造部門費730,000円・590,000円がすべて示されていれば正答とする。
採点要素
- 動力部門費の配賦 150,000円/90,000円/修繕部門へ60,000円
- 修繕部門費の配賦 60,000円/120,000円/動力部門へ60,000円
- 第1次配賦後の第1製造部門費 730,000円
- 第1次配賦後の第2製造部門費 590,000円
- 補助部門の受入額 動力部門60,000円・修繕部門60,000円
部分点
YES
部分点の取扱い
採点要素 の5要素を各1点、計5点満点とする。要素1・2は3つの配賦額すべてが正しい場合に限り加点する。他の補助部門への配賦を省いた場合は当該要素を0点とする。要素3・4は指定の金額が示された場合に限り加点する。要素5は両補助部門の受入額がともに示された場合に限り加点する。
問2
第2次配賦の配賦額を求め、最終製造部門費を示しなさい。分母に用いた割合も示しなさい。
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正答
第2次配賦
| 配賦元 | 分母 | 第1製造部門 | 第2製造部門 |
|---|---|---|---|
| 動力部門 60,000円 | 50+30=80 | 37,500円 | 22,500円 |
| 修繕部門 60,000円 | 25+50=75 | 20,000円 | 40,000円 |
- 最終製造部門費:第1製造部門 787,500円/第2製造部門 652,500円
解説
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 動力の分母 | 50+30(修繕部門向け20%は除外) | 80 |
| 2 | 動力→第1製造 | 60,000×50/80 | 37,500 |
| 3 | 動力→第2製造 | 60,000×30/80 | 22,500 |
| 4 | 修繕の分母 | 25+50(動力部門向け25%は除外) | 75 |
| 5 | 修繕→第1製造 | 60,000×25/75 | 20,000 |
| 6 | 修繕→第2製造 | 60,000×50/75 | 40,000 |
| 7 | 最終第1製造部門費 | 730,000+37,500+20,000 | 787,500 |
| 8 | 最終第2製造部門費 | 590,000+22,500+40,000 | 652,500 |
第2次配賦で配賦するのは、第1次配賦で受け入れた金額だけです。動力部門も修繕部門も受入額は60,000円ですが、配賦の割合が異なるため配賦額は違います。
分母には製造部門の割合だけを用います。 動力部門なら 50+30=80、修繕部門なら 25+50=75 です。他の補助部門向けの割合は除外します。第2次配賦では補助部門どうしのやりとりを再び認識しません。
配点
動力の分母80と配賦額37,500円・22,500円、修繕の分母75と配賦額20,000円・40,000円、最終製造部門費787,500円・652,500円がすべて示されていれば正答とする。
採点要素
- 動力部門の分母を 50+30=80 とし、修繕部門向け20%を除外していること
- 動力部門からの配賦額 37,500円/22,500円
- 修繕部門の分母を 25+50=75 とし、動力部門向け25%を除外していること
- 修繕部門からの配賦額 20,000円/40,000円
- 最終第1製造部門費 787,500円
- 最終第2製造部門費 652,500円
部分点
YES
部分点の取扱い
採点要素 の6要素を各1点、計6点満点とする。分母に100(他の補助部門向けを含む)を用いた場合は要素1・3を0点とし、要素2・4も0点とする。第2次配賦で他の補助部門へも配賦した場合は要素1〜4をすべて0点とする。要素5・6は指定の金額が示された場合に限り加点する。
問3
(1)最終製造部門費の合計を求め、配賦前の全部門費合計と別の経路で照合しなさい。(2)配賦後の補助部門費の残高を示しなさい。(3)第2次配賦で補助部門どうしのやりとりを再び認識しない理由を説明しなさい。
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正答
- (1) 最終製造部門費の合計:787,500+652,500=1,440,000円/配賦前の全部門費合計:520,000+380,000+300,000+240,000=1,440,000円(一致する)
- (2) 動力部門費の残高:0円/修繕部門費の残高:0円
- (3) 再び認識すると補助部門に金額が残り続け、2回の配賦で完結しなくなるため
解説
判断根拠
3段階で判断します。
第1に、2つの経路で総額を照合します。経路1は最終製造部門費の積み上げで787,500+652,500=1,440,000円、経路2は配賦前の全部門費の合計で520,000+380,000+300,000+240,000=1,440,000円です。経路2は配賦の計算を一切使いません。両者が一致します。
第2に、補助部門費の残高を確かめます。動力部門は第1次配賦で300,000円をすべて配賦し、第2次配賦で受入額60,000円を37,500円と22,500円に配賦したので残高0円です。修繕部門も同様に0円です。
第3に、第2次配賦で相互のやりとりを認識しない理由を考えます。仮に第2次配賦でも補助部門どうしへ配賦すると、動力部門は修繕部門へ、修繕部門は動力部門へ配賦することになり、また両部門に金額が残ります。その金額をまた配賦すれば第3次、第4次と続き、2回では終わりません。簡便法として2回で完結させるために、第2次配賦は製造部門へのみ行います。
検証
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 経路1(最終製造部門費の合計) | 787,500+652,500 | 1,440,000 |
| 経路2(配賦前の全部門費合計) | 520,000+380,000+300,000+240,000 | 1,440,000 |
| 両経路の一致 | 1,440,000=1,440,000 | 一致 |
| 動力部門費の残高 | 60,000-37,500-22,500 | 0 |
| 修繕部門費の残高 | 60,000-20,000-40,000 | 0 |
| 第2次配賦の配賦先 | 製造部門のみ | 補助部門への配賦なし |
この検証の限界:総額の保存は、製造部門間の配分比を取り違えていても成立します。第2次配賦で動力部門の60,000円を50:30ではなく30:50で配分し、22,500円と37,500円としても、合計は1,440,000円のままで残高も0です。
この検証が有効なのは、第2次配賦で補助部門どうしへ配賦してしまった誤りに対してです。その場合は補助部門に金額が残り、残高が0になりません。
また第1次配賦の割合を誤った場合も、第1次配賦後の製造部門費と補助部門の受入額が変わりますが、総額は保存されたままです。
第1次と第2次それぞれの配賦割合と分母を、共通資料に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、第2次配賦でも補助部門どうしへ配賦してしまうことです。ふたつめは、第2次配賦の分母に他の補助部門向けの割合を含めてしまうことです。三つめは、第2次配賦で補助部門のもともとの部門費まで配賦してしまうことです。第1次配賦で配賦済みです。
配点
(1)最終製造部門費合計1,440,000円と配賦前の全部門費合計1,440,000円の一致、(2)両補助部門の残高0円、(3)2回で完結させるためという理由がすべて示されていれば正答とする。
採点要素
- 最終製造部門費の合計 1,440,000円(787,500+652,500)
- 配賦前の全部門費合計 1,440,000円(520,000+380,000+300,000+240,000)
- 両者が一致することを示していること
- 動力部門費の残高0円および修繕部門費の残高0円
- 第2次配賦で相互のやりとりを認識すると補助部門に金額が残り、2回で完結しなくなる旨
部分点
YES
部分点の取扱い
採点要素 の5要素を各1点、計5点満点とする。要素3は要素1・2の双方が示された場合に限り加点する。要素4は両補助部門の残高がともに0円と示された場合に限り加点する。要素5は「2回で完結しなくなる」または「金額が残り続ける」という趣旨が示されていれば加点し、単に「簡便法だから」とのみ述べた解答は0点とする。