部門別計算(直接配賦法・相互配賦法・予定配賦) 計算問題 第1問〜第5問

問1

次の資料にもとづき、各部門の共通費配賦額と部門費を求め、部門費の合計も示しなさい。

必要資料

部門個別費

部門 金額
第1製造部門 420,000円
第2製造部門 360,000円
動力部門 180,000円
修繕部門 140,000円
工場事務部門 100,000円

部門共通費:300,000円。床面積の比により、第1製造部門・第2製造部門・動力部門・修繕部門・工場事務部門へ 4:3:1:1:1 で配賦する。

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解答・解説

正答

部門 共通費配賦額 部門費
第1製造部門 120,000円 540,000円
第2製造部門 90,000円 450,000円
動力部門 30,000円 210,000円
修繕部門 30,000円 170,000円
工場事務部門 30,000円 130,000円
合計 300,000円 1,500,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 比の合計 4+3+1+1+1 10
2 第1製造部門への共通費 300,000×4/10 120,000
3 第2製造部門への共通費 300,000×3/10 90,000
4 動力・修繕・工場事務への共通費 300,000×1/10(各) 30,000
5 第1製造部門費 420,000+120,000 540,000
6 第2製造部門費 360,000+90,000 450,000
7 動力部門費 180,000+30,000 210,000
8 修繕部門費 140,000+30,000 170,000
9 工場事務部門費 100,000+30,000 130,000

解説

部門個別費はその部門へ直接集計し、部門共通費は床面積の比で配賦します。配賦基準は問題文で示されたものを用います。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
共通費配賦額の合計 120,000+90,000+30,000×3 300,000(一致)
部門費の合計 540,000+450,000+210,000+170,000+130,000 1,500,000
別経路 個別費合計1,200,000+共通費300,000 1,500,000(一致)

この検証の限界:部門費の合計が一致することは、配賦の比を取り違えていても成立します。比を4:3:1:1:1 以外に変えても、配賦額の合計は300,000円のままです。配賦基準と比を、問題文に戻って確かめる必要があります。


問2

次の資料にもとづき、直接配賦法により補助部門費を配賦し、最終製造部門費と合計を求めなさい。

必要資料

配賦前の部門費

部門 金額
第1製造部門 500,000円
第2製造部門 400,000円
動力部門 300,000円
修繕部門 240,000円

用役の消費割合(製造部門のみ)

  • 動力部門の用役:第1製造部門と第2製造部門で 3:2
  • 修繕部門の用役:第1製造部門と第2製造部門で 1:3
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解答・解説

正答

項目 第1製造部門 第2製造部門
動力部門費の配賦 180,000円 120,000円
修繕部門費の配賦 60,000円 180,000円
最終製造部門費 740,000円 700,000円

合計:1,440,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 動力→第1製造 300,000×3/5 180,000
2 動力→第2製造 300,000×2/5 120,000
3 修繕→第1製造 240,000×1/4 60,000
4 修繕→第2製造 240,000×3/4 180,000
5 最終第1製造部門費 500,000+180,000+60,000 740,000
6 最終第2製造部門費 400,000+120,000+180,000 700,000

解説

直接配賦法なので、補助部門費は製造部門だけへ配賦します。動力部門と修繕部門のあいだで用役のやりとりがあっても、それは無視します。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
補助部門費の残高 300,000-180,000-120,000/240,000-60,000-180,000 ともに0
最終製造部門費合計 740,000+700,000 1,440,000
配賦前の全部門費合計 500,000+400,000+300,000+240,000 1,440,000(一致)

この検証の限界:総額の保存は、製造部門間の配分比を取り違えていても成立します。動力部門費を2:3で配分しても合計は1,440,000円のままです。補助部門費残高が0になることも同様です。配賦比を、問題文に戻って確かめる必要があります。


問3

次の資料にもとづき、直接配賦法により補助部門費を配賦し、最終製造部門費と合計を求めなさい。

必要資料

配賦前の部門費

部門 金額
第1製造部門 640,000円
第2製造部門 560,000円
動力部門 360,000円
修繕部門 240,000円

用役の消費量

用役 第1製造部門 第2製造部門 動力部門 修繕部門
動力部門の用役 6,000 3,000 — 1,000
修繕部門の用役 1,000 3,000 500 —
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解答・解説

正答

項目 第1製造部門 第2製造部門
動力部門費の配賦 240,000円 120,000円
修繕部門費の配賦 60,000円 180,000円
最終製造部門費 940,000円 860,000円

合計:1,800,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 動力の分母 6,000+3,000(修繕向け1,000は除外) 9,000
2 動力→第1製造 360,000×6,000/9,000 240,000
3 動力→第2製造 360,000×3,000/9,000 120,000
4 修繕の分母 1,000+3,000(動力向け500は除外) 4,000
5 修繕→第1製造 240,000×1,000/4,000 60,000
6 修繕→第2製造 240,000×3,000/4,000 180,000
7 最終第1製造部門費 640,000+240,000+60,000 940,000
8 最終第2製造部門費 560,000+120,000+180,000 860,000

解説

直接配賦法では、補助部門向けの用役消費量を分母から除外します。 動力部門の用役は修繕部門も1,000消費していますが、分母は 6,000+3,000=9,000 です。

仮に10,000で割ると、動力→第1製造は 360,000×6,000/10,000=216,000円、動力→第2製造は108,000円となり、合計324,000円で36,000円が配賦されずに残ってしまいます。補助部門費を配賦しきれません。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
動力部門費の残高 360,000-240,000-120,000 0
修繕部門費の残高 240,000-60,000-180,000 0
最終製造部門費合計 940,000+860,000 1,800,000
配賦前の全部門費合計 640,000+560,000+360,000+240,000 1,800,000(一致)

この検証の限界:残高が0になることは、分母を正しく取った場合には有効な確認になります。分母に補助部門向けを含めると残高が残るため、この誤りは検出できます。

しかし製造部門間の配分比を誤った場合には残高0のままです。6,000と3,000を入れ替えても残高は0で、合計も1,800,000円のままです。どの製造部門がどれだけ消費したかを、資料に戻って確かめる必要があります。


問4

次の資料にもとづき、相互配賦法(簡便法・2回配賦)により補助部門費を配賦し、第1次配賦後の製造部門費・補助部門の受入額、第2次配賦額、最終製造部門費と合計を求めなさい。

必要資料

配賦前の部門費

部門 金額
第1製造部門 500,000円
第2製造部門 400,000円
動力部門 300,000円
修繕部門 200,000円

第1次配賦の用役消費割合

  • 動力部門の用役:第1製造部門50%、第2製造部門30%、修繕部門20%
  • 修繕部門の用役:第1製造部門20%、第2製造部門60%、動力部門20%
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解答・解説

正答

第1次配賦

配賦元 第1製造部門 第2製造部門 他の補助部門
動力部門費300,000円 150,000円 90,000円 修繕へ 60,000円
修繕部門費200,000円 40,000円 120,000円 動力へ 40,000円
  • 第1次配賦後の製造部門費:第1製造部門 690,000円/第2製造部門 610,000円
  • 補助部門の受入額:動力部門 40,000円/修繕部門 60,000円

第2次配賦

配賦元 第1製造部門 第2製造部門
動力部門 40,000円 25,000円 15,000円
修繕部門 60,000円 15,000円 45,000円
  • 最終製造部門費:第1製造部門 730,000円/第2製造部門 670,000円
  • 合計:1,400,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 動力→第1製造(1次) 300,000×50% 150,000
2 動力→第2製造(1次) 300,000×30% 90,000
3 動力→修繕(1次) 300,000×20% 60,000
4 修繕→第1製造(1次) 200,000×20% 40,000
5 修繕→第2製造(1次) 200,000×60% 120,000
6 修繕→動力(1次) 200,000×20% 40,000
7 1次後の第1製造部門費 500,000+150,000+40,000 690,000
8 1次後の第2製造部門費 400,000+90,000+120,000 610,000
9 動力→第1製造(2次) 40,000×50/(50+30) 25,000
10 動力→第2製造(2次) 40,000×30/(50+30) 15,000
11 修繕→第1製造(2次) 60,000×20/(20+60) 15,000
12 修繕→第2製造(2次) 60,000×60/(20+60) 45,000
13 最終第1製造部門費 690,000+25,000+15,000 730,000
14 最終第2製造部門費 610,000+15,000+45,000 670,000

解説

第1次配賦では、補助部門どうしの用役のやりとりを認識します。動力部門費は修繕部門へも、修繕部門費は動力部門へも配賦されます。

第2次配賦で配賦するのは、第1次配賦で受け入れた金額だけです。動力部門は修繕部門から40,000円、修繕部門は動力部門から60,000円を受け入れています。この金額を製造部門へ配賦します。

分母は製造部門の割合だけです。動力部門なら 50+30=80、修繕部門なら 20+60=80 を分母とします。第2次配賦では補助部門どうしのやりとりを再び認識しません。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
第2次配賦後の動力部門費 40,000-25,000-15,000 0
第2次配賦後の修繕部門費 60,000-15,000-45,000 0
最終製造部門費合計 730,000+670,000 1,400,000
配賦前の全部門費合計 500,000+400,000+300,000+200,000 1,400,000(一致)

この検証の限界:総額の保存と残高0は、第2次配賦で補助部門どうしのやりとりを再認識した場合には成立しません(金額が残り続けます)。その点では有効な確認です。

しかし製造部門間の配分比を誤った場合には、どちらも成立したままです。第2次配賦で50:30ではなく30:50としても、合計も残高も変わりません。第1次と第2次それぞれの分母を、方法に戻って確かめる必要があります。


問5

次の資料にもとづき、各製造部門の(1)予定配賦率と(2)予定配賦額、(3)両部門の予定配賦額の合計を求めなさい。

必要資料

部門 部門費予算 基準操業度 実際操業度 配賦基準
第1製造部門 4,800,000円 16,000時間 14,000時間 機械運転時間
第2製造部門 3,600,000円 12,000時間 10,000時間 直接作業時間
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解答・解説

正答

  • (1) 予定配賦率:第1製造部門 300円/時間/第2製造部門 300円/時間
  • (2) 予定配賦額:第1製造部門 4,200,000円/第2製造部門 3,000,000円
  • (3) 合計:7,200,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 第1製造部門の予定配賦率 4,800,000÷16,000時間 300
2 第2製造部門の予定配賦率 3,600,000÷12,000時間 300
3 第1製造部門の予定配賦額 300円×14,000時間 4,200,000
4 第2製造部門の予定配賦額 300円×10,000時間 3,000,000
5 合計 4,200,000+3,000,000 7,200,000

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、部門ごとに率を求めます。予算も基準操業度も部門によって異なるため、部門ごとに割り算をします。工場全体の予算8,400,000円を全体の基準操業度28,000時間で割ってはいけません。それでは部門別に計算した意味がなくなります。

第2に、配賦基準が部門で異なることを確かめます。第1製造部門は機械運転時間、第2製造部門は直接作業時間です。単位が同じ「時間」でも、測っている対象が違います。 部門をまたいで時間を合算することはできません。

第3に、掛ける操業度は実際操業度です。基準操業度を掛けると予算額そのものに戻ってしまいます。

本問では両部門の率がたまたま同じ300円になりますが、これは予算と基準操業度の比が偶然一致したためです。部門ごとに独立して計算した結果として同じ値になっただけで、率が共通であることを前提にしてはいけません。

検証

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
第1製造部門の率の逆算 4,200,000÷14,000時間 300円(一致)
第2製造部門の率の逆算 3,000,000÷10,000時間 300円(一致)
第1製造部門の予算の逆算 300円×16,000時間 4,800,000円(一致)
第2製造部門の予算の逆算 300円×12,000時間 3,600,000円(一致)
合計 4,200,000+3,000,000 7,200,000円

この検証の限界:率の逆算は、掛けた操業度を取り違えていても成立します。基準操業度を掛けて4,800,000円としても、16,000時間で割れば300円に戻ります。

また両部門の率が同じであることを利用して、全体の実際操業度24,000時間に300円を掛けても7,200,000円になります。この一致は本問の数値では成り立ちますが、率が部門で異なる場合には成り立ちません。部門ごとに計算したかを、資料に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、工場全体の予算を全体の基準操業度で割って1つの率を求めてしまうことです。ふたつめは、配賦基準が異なる時間を合算してしまうことです。三つめは、基準操業度を掛けて配賦額を求めてしまうことです。


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