問6
賃率差異について正しいものを1つ選びなさい。
A. 差異は「(実際賃率-予定賃率)×実際直接作業時間」で求め、正なら有利差異で借方に記入する
B. 差異は「(予定賃率-実際賃率)×就業時間」で求め、正なら有利差異で貸方に記入する
C. 差異は「(予定賃率-実際賃率)×実際直接作業時間」で求め、正なら不利差異で借方に記入する
D. 差異は「(予定賃率-実際賃率)×実際直接作業時間」で求め、正なら有利差異で貸方に、負なら不利差異で借方に記入する
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解答・解説
正答: D
正答理由:賃率差異は次の式で求めます。
賃率差異 = (予定賃率 - 実際賃率)× 実際直接作業時間
計算した値が正なら、予定賃率のほうが実際賃率より高かったことを意味し、有利差異です。賃率差異勘定には貸方に記入します。値が負なら不利差異で借方です。
誤答理由
- A:式の引く順序が逆で、符号が反転します。また有利差異は貸方に記入します。
- B:掛ける時間が就業時間になっています。間接作業時間と手待時間に対応する賃金は間接労務費であり、直接労務費の賃率差異には含めません。実際直接作業時間を掛けます。
- C:式は正しいものの、正の場合を不利差異・借方としています。正は有利差異で貸方です。
問7
間接工の当月消費賃金の求め方として正しいものを1つ選びなさい。
A. 当月支払額 - 前月未払額 + 当月未払額
B. 当月支払額 + 前月未払額 - 当月未払額
C. 当月支払額 + 前月未払額 + 当月未払額
D. 当月支払額のみ(未払額は調整しない)
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解答・解説
正答: A
正答理由:賃金の扱いは働いた月で区切ります。前月未払額は前月の労働に対するもので当月に支払われた分なので、当月の消費から差し引きます。当月未払額は当月の労働に対するものでまだ支払っていない分なので、当月の消費に加えます。
当月消費賃金 = 当月支払額 - 前月未払額 + 当月未払額
誤答理由
- B:符号が逆です。この計算では、前月の労働に対する分を当月の消費に含め、当月の労働に対する未払分を除くことになります。
- C:どちらも加えているため、前月分が二重に含まれます。
- D:支払額と消費額は一致するとはかぎりません。支払いの締切日と会計期間の区切りが異なるため、期間の調整が必要です。
問8
ある工場では、直接工の消費賃金を予定賃率で記帳している。当月、直接工には直接作業時間のほかに間接作業時間と手待時間があり、実際賃率は予定賃率より高かった。また間接工については、当月支払額のほかに前月未払額と当月未払額がある。
このとき、賃率差異の計算に用いる時間・差異の判定・間接工の消費賃金の求め方の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。
A. 就業時間を用いる/有利差異で貸方/当月支払額+前月未払額-当月未払額
B. 就業時間を用いる/不利差異で借方/当月支払額-前月未払額+当月未払額
C. 実際直接作業時間のみを用いる/不利差異で借方/当月支払額-前月未払額+当月未払額
D. 実際直接作業時間のみを用いる/有利差異で貸方/当月支払額+前月未払額-当月未払額
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解答・解説
正答: C
正答理由:3つの判断を別々に行います。
用いる時間:賃率差異は直接労務費について生じるものなので、実際直接作業時間のみを掛けます。間接作業時間と手待時間に対応する賃金は間接労務費であり、この差異には含めません。
差異の判定:(予定賃率 - 実際賃率)× 実際直接作業時間 で、実際賃率のほうが高いので括弧の中は負、差異全体も負です。負は不利差異であり、賃率差異勘定には借方に記入します。
間接工の消費賃金:働いた月で区切るため、前月未払額を差し引き、当月未払額を加えます。
当月支払額 - 前月未払額 + 当月未払額
誤答理由
- A:就業時間を用いており、また実際賃率のほうが高い以上、差異は負で不利差異です。期間調整の符号も逆です。3つとも誤っています。
- B:差異の判定と期間調整は正しいものの、就業時間を用いています。間接作業時間と手待時間に対応する分は間接労務費であり、賃率差異の時間に含めません。
- D:用いる時間は正しいものの、差異を有利差異としており、期間調整の符号も逆です。
判断根拠
3段階で判断します。
第1に、時間の区分と労務費の区分を対応させます。直接作業時間に対応する分だけが直接労務費であり、賃率差異はその直接労務費について生じます。したがって掛ける時間は実際直接作業時間だけです。「直接工の賃金だから全部が直接労務費」と考えると、就業時間を掛けてしまいます。
第2に、差異の式の向きを固定します。予定賃率 - 実際賃率 です。実際賃率のほうが高ければ負となり不利差異、賃率差異勘定は借方です。式を逆にすると符号が反転します。
第3に、期間調整は働いた月を基準に考えます。前月未払額は前月の労働に対するもの、当月未払額は当月の労働に対するものです。当月の消費に含めるべきは後者なので、前者を引いて後者を足します。
この3つは互いに独立した判断です。 一つの結論から他の結論は決まりません。
検証
| 検証項目 | 確認 |
|---|---|
| 時間の区分 | 就業時間=直接作業+間接作業+手待 |
| 賃率差異に用いる時間 | 実際直接作業時間のみ |
| 差異の式 | (予定賃率-実際賃率)×実際直接作業時間 |
| 符号 | 実際賃率>予定賃率 → 負 |
| 有利・不利と記入側 | 負 → 不利差異 → 借方 |
| 期間調整 | 当月支払額-前月未払額+当月未払額 |
この検証の限界:符号と記入側の対応を確かめても、掛ける時間そのものを取り違えていれば誤りは見つかりません。就業時間を掛けても、括弧の中が負である以上、符号判定と記入側の対応は形として整います。予定消費賃金と実際消費賃金の差から求める経路も、どちらも同じ時間を使うため、誤った時間を使えば同じ誤った差異になります。
期間調整についても、前月未払額を足し当月未払額を引く計算は数値としては成立します。どちらが当月の労働に対応するのかを、問題文の記述に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、賃率差異の時間に就業時間を用いることです(選択肢A・B)。ふたつめは、差異の式を「実際賃率-予定賃率」と逆にして符号を取り違えることです(選択肢A・D)。三つめは、期間調整の符号を逆にすることです(選択肢A・D)。