労務費(消費賃金・予定賃率) 計算問題 第1問〜第5問

問1

次の資料にもとづき、(1)直接労務費、(2)間接労務費、(3)両者の合計を求めなさい。

必要資料

直接工の当月の作業時間と賃率は次のとおりである。

  • 直接作業時間:1,600時間
  • 間接作業時間:200時間
  • 手待時間:100時間
  • 実際賃率:1,200円/時間
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解答・解説

正答

  • (1) 直接労務費:1,920,000円
  • (2) 間接労務費:360,000円
  • (3) 合計:2,280,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 直接労務費 1,200円×1,600時間 1,920,000
2 間接労務費の対象時間 200時間+100時間 300時間
3 間接労務費 1,200円×300時間 360,000
4 合計 1,920,000+360,000 2,280,000

解説

直接工の賃金であっても、直接作業時間に対応する分だけが直接労務費です。間接作業時間と手待時間に対応する分は間接労務費となり、製造間接費へ集計されます。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
就業時間 1,600+200+100 1,900時間
別経路の合計 1,200円×1,900時間 2,280,000(一致)

この検証の限界:合計の一致は、時間の区分を取り違えていても成立します。仮に手待時間を直接作業時間に含めて1,700時間と200時間に分けても、合計は同じ1,900時間となり2,280,000円に一致します。内訳である直接労務費と間接労務費は誤ったままです。どの時間がどの区分に属するのかを、問題文に戻って確かめる必要があります。


問2

次の資料にもとづき、間接工の当月消費賃金を求めなさい。

必要資料

  • 当月支払額:2,400,000円
  • 前月未払額:300,000円
  • 当月未払額:350,000円
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解答・解説

正答

  • 間接工の当月消費賃金:2,450,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 当月支払額 所与 2,400,000
2 前月未払額の控除 -300,000 2,100,000
3 当月未払額の加算 +350,000 2,450,000

当月消費賃金 = 当月支払額 - 前月未払額 + 当月未払額

解説

賃金の扱いは働いた月で区切ります。当月に支払った2,400,000円のうち300,000円は前月の労働に対するものなので当月の消費から除きます。当月の労働に対する350,000円はまだ支払っていませんが、当月の消費に加えます。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
未払額の増減 350,000-300,000 +50,000
消費額と支払額の差 2,450,000-2,400,000 +50,000(一致)

未払額が50,000円増えた分だけ、消費額が支払額を上回っています。

この検証の限界:この確認は符号を逆にした場合でも形が整います。前月未払額を加え当月未払額を引くと2,350,000円となり、支払額との差は-50,000円で、未払額の増減の符号を逆に読めば一致してしまいます。どちらの未払額が当月の労働に対応するのかを、問題文の記述に戻って確かめる必要があります。


問3

次の資料にもとづき、(1)予定消費賃金、(2)実際消費賃金、(3)賃率差異の金額と有利差異・不利差異の別を求めなさい。

必要資料

  • 予定賃率:1,300円/時間
  • 実際賃率:1,260円/時間
  • 実際直接作業時間:2,000時間
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解答・解説

正答

  • (1) 予定消費賃金:2,600,000円
  • (2) 実際消費賃金:2,520,000円
  • (3) 賃率差異:80,000円の有利差異

計算過程

順 項目 計算 金額
1 予定消費賃金 1,300円×2,000時間 2,600,000
2 実際消費賃金 1,260円×2,000時間 2,520,000
3 賃率差異 (1,300-1,260)×2,000時間 +80,000
4 有利・不利の判定 正なので有利差異 有利差異80,000円

解説

予定賃率のほうが40円高いので、予定で記帳した消費賃金のほうが多かったことになります。正なので有利差異で、賃率差異勘定には貸方に記入します。

解答では金額だけでなく、有利差異か不利差異かも必ず示します。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
別経路の差 2,600,000-2,520,000 80,000(差異と一致)
符号と有利・不利 正 → 有利差異 → 貸方 一致

この検証の限界:別経路の差は、予定消費賃金と実際消費賃金のどちらも同じ2,000時間を掛けているため、独立した確認になりません。時間を取り違えていれば、両方とも同じ誤った時間で計算され、差もその時間に比例した誤った金額になります。どの時間を用いるのかを問題文に戻って確かめる必要があります。


問4

次の資料にもとづき、(1)直接労務費、(2)直接工の間接労務費、(3)間接工の当月消費賃金、(4)間接労務費の合計、(5)当月の労務費の総額を求めなさい。

必要資料

直接工(消費賃金は予定賃率で計算する)

  • 予定賃率:1,400円/時間
  • 直接作業時間:1,500時間
  • 間接作業時間と手待時間の合計:300時間

間接工

  • 当月支払額:900,000円
  • 前月未払額:100,000円
  • 当月未払額:120,000円
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解答・解説

正答

  • (1) 直接労務費:2,100,000円
  • (2) 直接工の間接労務費:420,000円
  • (3) 間接工の当月消費賃金:920,000円
  • (4) 間接労務費の合計:1,340,000円
  • (5) 労務費の総額:3,440,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 直接労務費 1,400円×1,500時間 2,100,000
2 直接工の間接労務費 1,400円×300時間 420,000
3 間接工の当月消費賃金 900,000-100,000+120,000 920,000
4 間接労務費の合計 420,000+920,000 1,340,000
5 労務費の総額 2,100,000+1,340,000 3,440,000

解説

間接労務費は2つの経路から生じます。ひとつは直接工の間接作業時間・手待時間に対応する分、もうひとつは間接工の賃金の全額です。どちらも製造間接費へ集計されます。

間接工については、支払額に期間のずれを調整して消費額を求めます。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
直接工の賃金合計 1,400円×(1,500+300)時間=1,400×1,800 2,520,000
別経路 2,100,000+420,000 2,520,000(一致)
総額 2,520,000+920,000 3,440,000(一致)

この検証の限界:直接工の賃金合計の一致は、時間の内訳を取り違えていても成立します。1,500時間と300時間の配分を誤っても、合計1,800時間が同じなら賃金合計は2,520,000円のままです。内訳である直接労務費と間接労務費は誤ったままになります。時間の区分を問題文に戻って確かめる必要があります。


問5

次の資料にもとづき、(1)予定直接労務費、(2)実際直接労務費、(3)賃率差異の金額と有利差異・不利差異の別、(4)間接工の当月消費賃金を求めなさい。

必要資料

直接工(消費賃金は予定賃率で記帳している)

  • 予定賃率:1,500円/時間
  • 実際賃率:1,540円/時間
  • 実際直接作業時間:2,400時間

間接工

  • 当月支払額:1,200,000円
  • 前月未払額:140,000円
  • 当月未払額:160,000円
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解答・解説

正答

  • (1) 予定直接労務費:3,600,000円
  • (2) 実際直接労務費:3,696,000円
  • (3) 賃率差異:96,000円の不利差異
  • (4) 間接工の当月消費賃金:1,220,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 予定直接労務費 1,500円×2,400時間 3,600,000
2 実際直接労務費 1,540円×2,400時間 3,696,000
3 賃率差異 (1,500-1,540)×2,400時間 -96,000
4 有利・不利の判定 負なので不利差異 不利差異96,000円
5 間接工の当月消費賃金 1,200,000-140,000+160,000 1,220,000

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、直接工と間接工を別々に扱います。直接工については賃率と時間から金額を求め、間接工については支払額に期間のずれを調整して消費額を求めます。与件と計算方法が異なるため、区別して求めます。

第2に、賃率差異の式の向きを固定します。予定賃率 - 実際賃率 です。1,500-1,540=-40円で負、これに実際直接作業時間2,400時間を掛けて-96,000円です。負なので不利差異、賃率差異勘定には借方に記入します。

第3に、期間調整は働いた月を基準にします。前月未払額140,000円は前月の労働に対するものなので差し引き、当月未払額160,000円は当月の労働に対するものなので加えます。

検証

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
別経路の差異 3,696,000-3,600,000 96,000(一致)
符号と有利・不利 負 → 不利差異 一致
有利・不利と記入側 不利差異 → 賃率差異は借方 一致
未払額の増減 160,000-140,000 +20,000
消費額と支払額の差 1,220,000-1,200,000 +20,000(一致)

この検証の限界:2つの確認はいずれも独立した検証になっていません。

差異の別経路は、予定直接労務費と実際直接労務費のどちらも同じ2,400時間を掛けているため、時間を取り違えていれば同じ誤りを引き継ぎます。仮に間接作業時間などを加えた時間を用いても、引き算としては成立し、符号判定と記入側の対応も形が整います。

期間調整の確認も、符号を逆にした場合に形が整います。前月未払額を加え当月未払額を引くと1,180,000円となり、支払額との差は-20,000円で、未払額の増減の符号を逆に読めば一致してしまいます。

どの時間を用いるのか、どちらの未払額が当月の労働に対応するのかを、問題文の記述に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、賃率差異の時間に直接作業時間以外を含めることです。ふたつめは、差異の式を「実際賃率-予定賃率」と逆にして有利差異としてしまうことです。三つめは、期間調整の符号を逆にして1,180,000円としてしまうことです。四つめは、直接工の計算と間接工の計算を取り違え、間接工にも賃率×時間の形をあてはめようとすることです。間接工については賃率と時間が与えられておらず、支払額の期間調整で求めます。


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