ケース1
共通資料
以下の資料は、この問題の4つの設問に共通して用いる。
【2027年度専用】
会計期間は2027年4月1日から2028年3月31日まで、表示単位は円とする。
決算整理前残高試算表(一部)
| 科目 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 売掛金 | 2,500,000 | |
| 繰越商品 | 560,000 | |
| 建物 | 2,400,000 | |
| 貸倒引当金 | 40,000 | |
| 支払リース料 | 1,200,000 |
繰越商品560,000円は期末商品の帳簿棚卸高(800個、原価@700円)である。建物は2027年4月1日に取得したもので、決算整理前の減価償却累計額はない。支払リース料は事務所として賃借している建物の賃借料で、2027年10月1日に2027年10月1日から2028年9月30日までの12か月分1,200,000円を支払ったものである。
決算整理事項
- 掛売上300,000円が未記帳であった。これ以外の未処理・訂正事項はない。
- 支払リース料のうち翌期分を前払計上する。
- 期末商品の実地棚卸数量は760個、正味売却価額は@650円である。
- 売掛金の期末残高に対して2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する(個別評価の債権はない)。
- 建物は残存価額0、耐用年数4年の定額法により、間接法で12か月分を償却する。
問1
共通資料にもとづき、支払リース料について(1)当期に属する金額、(2)前払分の金額を求めなさい。
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解答・解説
正答
- (1) 当期に属する金額:600,000円
- (2) 前払分:600,000円
解説
支払った12か月分のうち、当期は2027年10月から2028年3月までの6か月です。1,200,000×6/12=600,000円が当期分、残りの600,000円が翌期分の前払いです。前払分は前払費用(資産)として計上します。
配点:2つの金額がともに一致すること。
採点要素:当期分 600,000/前払分 600,000
部分点:NO
部分点の取扱い:採点要素 がすべて一致した場合のみ正解とする。
問2
共通資料にもとづき、(1)訂正後の売掛金残高、(2)貸倒引当金の必要額、(3)貸倒引当金繰入を求めなさい。
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解答・解説
正答
- (1) 訂正後の売掛金:2,800,000円
- (2) 必要額:56,000円
- (3) 貸倒引当金繰入:16,000円
解説
2,500,000+300,000=2,800,000円。必要額2,800,000×2%=56,000円。繰入56,000-40,000=16,000円。整理事項1を先に処理してから率を掛けます。
配点:3つの金額がすべて一致すること。
採点要素:訂正後売掛金 2,800,000/必要額 56,000/繰入 16,000
部分点:NO
部分点の取扱い:採点要素 がすべて一致した場合のみ正解とする。訂正前残高で計算した50,000/10,000は不正解。
問3
共通資料にもとづき、(1)棚卸減耗損、(2)商品評価損、(3)期末商品の貸借対照表価額を求めなさい。
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解答・解説
正答
- (1) 棚卸減耗損:28,000円
- (2) 商品評価損:38,000円
- (3) 期末商品の貸借対照表価額:494,000円
解説
減耗損:(800-760)×700=28,000円。評価損:760×(700-650)=38,000円。貸借対照表価額:560,000-28,000-38,000=494,000円(=760×650)。
配点:3つの金額がすべて一致すること。
採点要素:棚卸減耗損 28,000/商品評価損 38,000/貸借対照表価額 494,000
部分点:NO
部分点の取扱い:採点要素 がすべて一致した場合のみ正解とする。
問4
共通資料にもとづき、(1)決算整理後残高試算表における次の科目の残高を示し、(2)賃借料の前払分の計上に用いる科目名とその理由を述べなさい。
対象科目:売掛金/貸倒引当金/繰越商品/前払費用/建物減価償却累計額/支払リース料/棚卸減耗損/商品評価損/貸倒引当金繰入/減価償却費
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解答・解説
正答
| 科目 | 整理後残高 | 借/貸 |
|---|---|---|
| 売掛金 | 2,800,000 | 借 |
| 貸倒引当金 | 56,000 | 貸 |
| 繰越商品 | 494,000 | 借 |
| 前払費用 | 600,000 | 借 |
| 建物減価償却累計額 | 600,000 | 貸 |
| 支払リース料 | 600,000 | 借 |
| 棚卸減耗損 | 28,000 | 借 |
| 商品評価損 | 38,000 | 借 |
| 貸倒引当金繰入 | 16,000 | 借 |
| 減価償却費 | 600,000 | 借 |
(2) 科目名は前払費用。賃借料の前払分は、他の費用の前払いと同じく一般の経過勘定の科目で処理する。賃借料に固有の名前を付けた科目は、問題文で指定されない限り用いない。
判断根拠:順序は1(未処理事項)→3(商品)→4(貸倒引当金)→6(減価償却)→10(経過勘定)です。貸倒引当金は訂正後の売掛金を基準にします。減価償却は取得が期首なので12か月分600,000円(2,400,000÷4)で、累計額は当期分のみです。支払リース料は前払分600,000円を除いた600,000円が当期の費用です。
検証:売掛金の増加300,000円は掛売上の訂正と一致します。貸倒引当金56,000円は2,800,000×2%と一致します。繰越商品494,000円は760×650と一致します。前払費用600,000+支払リース料600,000=1,200,000円で支払額と一致します。減価償却費600,000円と累計額600,000円は、取得初年度で一致します。
想定される誤り:訂正前の売掛金で貸倒引当金を計算すること、前払分を支払リース料に残したまま1,200,000円を当期費用とすること、賃借料の前払分に固有の名前の科目を用いることです。
配点:(1)は10科目の残高と借貸がそれぞれ正しいこと。(2)は前払費用という科目名と、一般の経過勘定と同じ科目を用いるという理由が示されていること。
採点要素
- E1 売掛金 2,800,000(借)
- E2 貸倒引当金 56,000(貸)
- E3 繰越商品 494,000(借)
- E4 前払費用 600,000(借)
- E5 建物減価償却累計額 600,000(貸)
- E6 支払リース料 600,000(借)
- E7 棚卸減耗損 28,000/商品評価損 38,000/貸倒引当金繰入 16,000/減価償却費 600,000(借)
- E8 科目名 前払費用 と理由
部分点:YES
部分点の取扱い:E1〜E6 各1点、E7 は4科目各1点(計4点)、E8 2点(科目名1点・理由1点)、計12点満点とする。借貸の誤りは当該要素の失点とする。E4 に固有の名前の科目を用いた場合は E4・E8 とも失点とする。