社会保険労務士 労災保険法 択一式(応用) 第1問〜第2問|総合

論点:総合

問1:労災保険法に定める通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • A:通勤の途中で日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のものを行った場合、当該逸脱又は中断の間を除き、合理的な経路に復した後の移動は通勤となる。
  • B:通勤の途中で日常生活上必要な行為を行った場合、当該逸脱又は中断の間も通勤とされる。
  • C:経路の途中で経路近くの公衆トイレを使用する行為は、逸脱又は中断に当たる。
  • D:要介護状態にある配偶者の兄弟姉妹の介護は、厚生労働省令で定める日常生活上必要な行為に含まれる。
  • E:事業主の提供する専用の交通機関を利用して行う出退勤の際に被った災害は、通勤災害となる。
【第1問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】逸脱・中断と通勤の復活(法7条3項ただし書)。【考え方】逸脱・中断があった場合、原則としてその間及びその後の移動は通勤とならない。ただし、厚生労働省令で定める日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のものであるときは、逸脱・中断の「間」を除き、合理的な経路に復した「後」の移動は通勤となる。すなわち「間は通勤でない/復した後は通勤に戻る」という構造を正確に押さえることが肝要である。省令で定める行為は、日用品の購入、教育訓練の受講、選挙権の行使、病院での診察・治療、要介護状態にある一定の親族の介護(継続的又は反復的なもの)の5つである。【選択肢解説】逸脱・中断の間を除き、合理的な経路に復した後の移動は通勤となるから、本記述は正しい。

・B
【選択肢解説】逸脱・中断の「間」は通勤とならない。通勤に戻るのは合理的な経路に復した後である。

・C
【選択肢解説】ごく短時間の些細な行為は逸脱・中断とならず、その間も通勤とされる。

・D
【選択肢解説】介護の対象となる親族は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及び配偶者の父母である。配偶者の兄弟姉妹は含まれない。

・E
【選択肢解説】これは「業務の性質を有するもの」として通勤から除かれ、業務災害となる。


論点:総合

問2:労災保険法に定める業務災害及び通勤災害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • A:通勤災害により療養給付を受ける労働者からは、原則として200円を超えない範囲内で一部負担金が徴収される。
  • B:通勤災害により療養のため休業する期間及びその後30日間は、労働基準法19条の解雇制限が適用される。
  • C:出張中は、その全過程について事業主の支配下にあると認められ、宿泊先での就寝中の災害も業務災害となり得る。
  • D:休憩時間中の災害であっても、事業場の施設又は設備の欠陥に起因するものは業務災害となる。
  • E:複数事業労働者の給付基礎日額は、すべての就業先の事業場において支払われている賃金額を合算して算定する。
【第2問:正解と解説】

正解:B

・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法31条2項のとおりである。業務災害の療養補償給付には一部負担金はない。

・B
【論点】業務災害と通勤災害の取扱いの違い。【考え方】業務災害と通勤災害には3つの違いがある。①給付の名称(業務災害は「療養補償給付」等、通勤災害は「療養給付」等で「補償」の2字がない)②一部負担金(通勤災害の療養給付を受ける労働者からのみ、原則200円を徴収)③労働基準法19条の解雇制限(業務上の傷病による休業にのみ及び、通勤災害には及ばない)。通勤災害は事業主の災害補償責任に基づくものではないため、労基法上の保護は及ばないという理解が根底にある。【選択肢解説】通勤災害には労基法19条の解雇制限は及ばないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。

・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】積極的な私的行為による場合を除き、出張中は業務遂行性が認められる。

・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】休憩時間中の私的行為による災害は業務災害とならないが、施設の欠陥に起因する場合は業務災害となる。

・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法8条3項のとおりであり、令和2年9月施行の改正による。


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