【2026年度(〜2027年3月31日)受験者向け】
紙媒体の手形は、2027年度の出題区分表改定により日商簿記3級の出題範囲から外れます。このページは 2026年度中に受験する方を対象としています。
共通前提:当社は青森商事株式会社である。仕訳の勘定科目は次の語群から最も適当なものを選ぶこと。
共通語群
現金 / 当座預金 / 受取手形 / 売掛金 / 手形貸付金 / 仕入 / 支払手形 / 買掛金 / 売上
【共通資料】当社の受取手形記入帳(問1〜問3で使用)
| 日付 | 摘要 | 手形種類 | 支払人 | 振出人 | 満期日 | 金額 | てん末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4/15 | 売上 | 約手 | 弘前商店 | 弘前商店 | 7/15 | 391,000 | 7/15 当座預金に入金 |
| 5/8 | 売掛金回収 | 約手 | 八戸商店 | 八戸商店 | 10/8 | 185,000 | |
| 6/25 | 売上 | 約手 | 三沢商店 | 三沢商店 | 10/25 | 381,000 |
重要度:A 論点:受取手形記入帳の行から手形発生時の仕訳を復元する 2026年度のみ
問1(初級)
問題文
共通資料の1行目から、4月15日に行われた仕訳を復元しなさい。
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正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 391,000 | 売上 | 391,000 |
解説
着眼点:この資料は「受取手形記入帳」として示されているため、中心となる手形科目は受取手形です。摘要欄と合わせて相手科目を判断します。
手順:摘要欄が「売上」なので、相手科目は売上です。商品を売って、その代金として手形を受け取った取引だと分かります。
確認ポイント:貸借一致 `391,000 = 391,000` ✓
重要度:A 論点:摘要欄による相手科目の判定(売上と売掛金回収の区別) 2026年度のみ
問2(標準)
問題文
共通資料の2行目から、5月8日に行われた仕訳を復元しなさい。
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正解
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 185,000 | 売掛金 | 185,000 |
解説
着眼点:問1と同じ受取手形記入帳の行なので、中心となる手形科目は受取手形です。違うのは摘要欄です。
手順:摘要が「売掛金回収」なので、相手科目は売上ではなく売掛金です。すでに計上してある売掛金が、受取手形に置き換わります。
誤りとなる処理:貸方を売上とすること。売上は商品を販売した時点で計上済みであり、ここで再び計上すると二重計上になります。
この考え方が誤りである理由:摘要欄の「売掛金回収」を見て借方を売掛金にしてしまう誤りもあります。この資料が受取手形記入帳であることから受取手形を中心に据え、摘要欄は相手科目を判断する手がかりとして読みます。
確認ポイント:貸借一致 `185,000 = 185,000` ✓
重要度:A 論点:てん末欄からの決済仕訳と、基準日時点の未消滅手形による残高計算 2026年度のみ
問3(標準)
問題文
共通資料の1行目のてん末欄から、7月15日に行われた仕訳を復元しなさい。また、9月末時点の受取手形勘定の残高を求めなさい。
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正解
7月15日の仕訳
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 391,000 | 受取手形 | 391,000 |
9月末時点の受取手形勘定の残高:566,000円
解説
着眼点(仕訳):てん末に「当座預金に入金」とあるので、満期日に決済されたということです。手形という債権が消え、当座預金が増えます。
手順(残高):9月末時点で、2行目・3行目はいずれもてん末欄が空欄で、満期日もそれぞれ10月8日・10月25日です。したがって、この2行は9月末時点で未消滅と判断し、合計します。
`185,000(2行目)+ 381,000(3行目)` = 566,000円
誤りとなる処理:`391,000 + 185,000 + 381,000` = 957,000円 とすること。1行目はてん末に記入があり、すでに消滅しているため残高には含めません。
確認ポイント:貸借一致 `391,000 = 391,000` ✓/残高はてん末欄・満期日・基準日の前後関係を合わせて確認する。
重要度:A 論点:帳簿名の推定と、支払側のてん末仕訳 2026年度のみ
問4(標準)
問題文
次は、ある手形記入帳の一部(1行)である。①この記入帳の名称を答え、②てん末欄から9月30日に行われた仕訳を復元しなさい。
| 日付 | 摘要 | 手形種類 | 受取人 | 振出人 | 満期日 | 金額 | てん末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6/30 | 買掛金支払 | 約手 | 秋田商店 | 当社 | 9/30 | 318,000 | 9/30 当座預金から支払い |
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正解
① 支払手形記入帳
② 9月30日の仕訳
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 支払手形 | 318,000 | 当座預金 | 318,000 |
解説
着眼点(①):判断の手がかりは3つあります。
- 本問の様式では相手を示す欄が「受取人」である
- 振出人が当社である=当社が振り出した手形
- てん末が「当座預金から支払い」=当社がお金を払った
いずれも当社が支払う側であることを示しています。したがって支払手形記入帳です。
手順(②):てん末の記載どおり、当座預金から支払って手形という債務が消えました。借方が支払手形(負債の減少)、貸方が当座預金(資産の減少)です。
確認ポイント:本問では「当座預金から支払い」というお金の向き、振出人が当社であること、欄名を組み合わせて帳簿名を判断します。貸借一致 `318,000 = 318,000` ✓
重要度:A 論点:券面から当社の立場を判断し、発生の原因に応じた相手科目を選ぶ 2026年度のみ
問5(応用)
問題文
次の2つの資料について、それぞれ当社の仕訳を示しなさい。
資料1 当社の手元にある約束手形
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 宛名 | 青森商事株式会社 御中 |
| 金額 | 646,000円 |
| 満期日 | ×2年11月20日 |
| 振出人 | 大館商店 |
この手形は、商品販売の代金として受け取ったものである。受け取ったときの仕訳を示しなさい。
資料2 当社が保管する約束手形の控え
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 宛名 | 能代商店 御中 |
| 金額 | 528,000円 |
| 満期日 | ×2年12月10日 |
| 振出人 | 青森商事株式会社 |
この手形は、買掛金の支払いのために振り出したものである。振り出したときの仕訳を示しなさい。
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正解
資料1
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 646,000 | 売上 | 646,000 |
資料2
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 528,000 | 支払手形 | 528,000 |
解説
着眼点:券面を読むときは、まず当社の名前がどこにあるかから受取側/振出側という立場を確認し、次に問題文の発生原因を確認して勘定科目を決めます。
| 資料 | 当社の位置 | 当社の立場 | 問題文の発生原因まで確認した本問の手形科目 |
|---|---|---|---|
| 資料1 | 宛名(御中) | 受け取る側 | 受取手形 |
| 資料2 | 振出人 | 支払う側 | 支払手形 |
手順(資料1):当社が宛名にあるので受け取る側です。商品販売の代金として受け取ったので、相手科目は売上になります。
手順(資料2):当社が振出人なので支払う側です。買掛金の支払いのために振り出したので、すでに計上してある買掛金が支払手形に置き換わります。仕入は過去に計上済みなので、ここで仕入を再び計上しません。
誤りとなる処理:資料2で「(借)仕入/(貸)支払手形」とすること。商品を仕入れると同時に手形を振り出した場合はこの仕訳になりますが、本問は買掛金の支払いのためなので、借方は買掛金です。問題文で何のための手形かを確認してください。
確認ポイント:券面から読めるのは、誰が誰に・いくらを・いつ支払うかなどの情報です。何のための手形かは問題文の指示から判断します。券面に書かれていない事実を補ってはいけません。また、本問では満期日が示されているだけで決済の事実は示されていません。いずれも手形が生じたときの仕訳です。
貸借一致:資料1 `646,000 = 646,000` ✓/資料2 `528,000 = 528,000` ✓

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