共通の前提:金額は円単位です。当社は取引銀行と当座借越契約を結んでおり、以下の取引はいずれも借越限度額の範囲内です。決算振替の仕訳はまだ行いません。
この単元の計算ルール
借方合計 = 期首の借方残高 + 期中の入金額 貸方合計 = 期中の支払額 貸方合計 > 借方合計 のとき、その差額が当座預金の貸方残高(=実質的な借越額) 検算:借方合計 + 貸方残高 = 貸方合計
難易度:初級/重要度:A 論点:当座預金勘定から貸方残高を算定する
問1【初級】
次の当座預金勘定の資料から、当座預金の貸方残高を求めなさい。
期首の当座預金残高(借方):200,000円 当座預金への入金:30,000円 当座預金からの支払い①:140,000円 当座預金からの支払い②:130,000円
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正解
- 借方合計:230,000円
- 貸方合計:270,000円
- 当座預金の貸方残高:40,000円
算定過程
- 借方合計 = 200,000 + 30,000 = 230,000円
- 貸方合計 = 140,000 + 130,000 = 270,000円
- 貸方合計のほうが大きいので、当座預金は貸方残高
- 貸方残高 = 270,000 − 230,000 = 40,000円
- 検算:230,000 + 40,000 = 270,000 ✓
解説
- 着眼点:当座預金勘定の借方記入は増加、貸方記入は減少です。まず両側の合計を出してから比べます。
- 手順①:期首の借方残高と入金を足して借方合計を求めます。期首残高を足し忘れないでください。
- 手順②:支払いをすべて足して貸方合計を求めます。
- 手順③:貸方合計が大きいので、その差額が貸方残高です。
- 意味:この40,000円が、当座借越契約により銀行から借り入れている金額、つまり実質的な借越額です。
- よくある誤り:「残高」という言葉だけで借方残高と決めつけてしまうこと。どちらの側が大きいかを必ず確認してください。
難易度:標準/重要度:A 論点:貸方残高=実質的な借越額
問2【標準】
次の当座預金勘定の資料から、当座預金の貸方残高と、実質的な借越額を求めなさい。
期首の当座預金残高(借方):60,000円 当座預金への入金①:25,000円 当座預金への入金②:15,000円 当座預金からの支払い①:70,000円 当座預金からの支払い②:50,000円
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正解
- 借方合計:100,000円
- 貸方合計:120,000円
- 当座預金の貸方残高:20,000円
- 実質的な借越額:20,000円
算定過程
- 借方合計 = 60,000 + 25,000 + 15,000 = 100,000円
- 貸方合計 = 70,000 + 50,000 = 120,000円
- 貸方残高 = 120,000 − 100,000 = 20,000円
- 検算:100,000 + 20,000 = 120,000 ✓
解説
- 着眼点:入金が複数あっても、やることは変わりません。入金はすべて借方側、支払いはすべて貸方側に集めてから比べます。
- 貸方残高と借越額の関係:当座預金の貸方残高は、そのまま実質的な借越額を表します。同じ金額を、勘定の側から見るか(貸方残高)、銀行との関係から見るか(借越額)の違いです。
- よくある誤り:入金と支払いを1件ずつ差し引きしていって計算を複雑にすること。両側の合計を先に出したほうが確実です。
難易度:応用/重要度:A 論点:入金による残高の向きの変化と借越の解消
問3【応用】
当座預金勘定について、期中の記入は次のとおりであった。
期首の当座預金残高(借方):100,000円 当座預金への入金:50,000円 当座預金からの支払い①:80,000円 当座預金からの支払い②:95,000円
(1)この時点の当座預金の残高を求め、借方残高・貸方残高のいずれかを明らかにしなさい。
(2)(1)の状態のまま、売掛金 68,000円 が当座預金口座へ入金された。入金後の残高を求め、借方残高・貸方残高のいずれかを明らかにしなさい。
(3)(2)の入金によって、銀行から借りていた金額はいくら返済されたことになるか答えなさい。
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正解
- (1)貸方残高 25,000円
- (2)借方残高 43,000円
- (3)25,000円
算定過程
- (1)借方合計 = 100,000 + 50,000 = 150,000円
貸方合計 = 80,000 + 95,000 = 175,000円 貸方合計のほうが大きいので 貸方残高 175,000 − 150,000 = 25,000円 検算:150,000 + 25,000 = 175,000 ✓
- (2)入金後の借方合計 = 150,000 + 68,000 = 218,000円
貸方合計は 175,000円のまま 借方合計のほうが大きいので 借方残高 218,000 − 175,000 = 43,000円 別の求め方:68,000 − 25,000 = 43,000円(同じ結果)✓
- (3)入金68,000円のうち、まず貸方残高25,000円が解消される。したがって返済されたのは 25,000円
検算:25,000(返済分)+ 43,000(会社の預金になった分)= 68,000 ✓
解説
- 着眼点:入金があると残高の向きそのものが変わることがあります。金額だけでなく、借方残高なのか貸方残高なのかまで答えます。
- 手順:入金は借方側に加えるだけです。加えたうえで、あらためて両側の合計を比べます。
- (2)の2つの解き方:合計をやり直す方法と、入金額から貸方残高を差し引く方法(68,000 − 25,000)のどちらでも同じ答えになります。片方で求め、もう片方で検算すると確実です。
- (3)の考え方:借越の状態にある口座への入金は、まず銀行への返済に充てられ、残りが会社の預金になります。仕訳自体は「当座預金/売掛金」という通常の入金と同じで、返済のための特別な仕訳は必要ありません。
- よくある誤り:入金額68,000円をそのまま借方残高としてしまうこと。入金前が貸方残高25,000円だったため、借方残高になるのは差額の43,000円です。

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