重要度:A 論点:FP関連法規・職業倫理
問1:税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーの行為に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1:顧客から依頼を受け、顧客に代わって所得税の確定申告書を作成した。
- 2:市民向けセミナーで、所得税の基本的な仕組みについて一般的な解説を行った。
- 3:報酬を受け取らなければ、顧客の個別具体的な税務相談に応じることができる。
【第1問:正解と解説】
正解:2
税務代理・税務書類の作成・個別具体的な税務相談は税理士の独占業務であり、税理士資格のないFPは行えない。
この禁止は有償・無償を問わない点が重要である。
一方、税制の一般的な仕組みの解説や、仮定の数値を用いた計算例の紹介は、個別の税務相談にあたらず、FPが行うことができる。
・1
不適切。確定申告書の作成は税理士法上の「税務書類の作成」にあたり、税理士資格のないFPは顧客に代わって行うことができない。
・2
適切。税制の一般的な仕組みを不特定の相手に解説することは、個別具体的な税務相談にあたらず、税理士資格がなくても行うことができる。
・3
不適切。税理士業務の制限は有償・無償を問わないため、無報酬であっても個別具体的な税務相談に応じることはできない。
間違いやすい点
「無償なら税務相談をしてもよい」という誤解が最も多い。税理士業務の禁止は報酬の有無と関係がない点を確実に押さえる。
重要度:B 論点:ライフプランニングの考え方
問2:一般的なライフステージと、そのステージにおける資金計画上の代表的なテーマの組合せとして、最も適切なものはどれか。
- 1:就職直後の独身期においては、一般に、住宅ローンの完済と遺産分割への備えが最優先のテーマとなる。
- 2:子育て期においては、一般に、子の教育資金の準備が代表的なテーマとなる。
- 3:退職後の期間においては、一般に、老後資金の取崩しよりも子の教育資金の積立てが中心的なテーマとなる。
【第2問:正解と解説】
正解:2
ライフステージごとに資金計画の中心テーマは変化する。子育て期は子の成長に伴い教育資金の準備が代表的なテーマとなるため、2が最も適切である。
・1
不適切。就職直後の独身期は、一般に生活基盤づくりや結婚資金・自己啓発資金などの準備が中心であり、住宅ローンの完済や遺産分割への備えは通常より後のステージのテーマである。
・2
適切。子育て期は、子の進学に備えた教育資金の準備が代表的なテーマである。
・3
不適切。退職後は、それまでに形成した資産を計画的に取り崩して生活費に充てることが中心的なテーマであり、子の教育資金の積立ては一般に子育て期のテーマである。
間違いやすい点
各ステージの「代表的な」テーマを問うており、例外的な個別事情を持ち込むと判断を誤る。一般的な流れ(独身期→家族形成期→子育て期→退職準備期→退職後)で整理する。
重要度:A 論点:ライフプラン計算
問3:毎年一定額を積み立てながら一定の利率で複利運用した場合の、一定期間経過後の元利合計額(将来の積立総額)を求める際に用いる係数として、最も適切なものはどれか。
- 1:終価係数
- 2:減債基金係数
- 3:年金終価係数
【第3問:正解と解説】
正解:3
「毎年一定額を積み立てた場合の将来の積立総額」を求める係数は年金終価係数である。毎年のお金(年金型)を将来の額(終価)へ進める係数、と整理するとよい。
・1
不適切。終価係数は、現在の一括の元本を複利運用した場合の将来額を求める係数であり、毎年の積立てには用いない。
・2
不適切。減債基金係数は、将来の目標額を準備するために毎年必要な積立額を求める係数であり、求める方向が本問と逆である。
・3
適切。年金終価係数は、毎年一定額を積み立てた場合の将来の積立総額を求める係数である。
間違いやすい点
年金終価係数と減債基金係数は「毎年の積立て」に関する点が共通するため混同しやすい。積立額から将来額を求めるのが年金終価係数、将来額から積立額を求めるのが減債基金係数である。
重要度:B 論点:社会保険
問4:わが国の社会保険制度と、その主な役割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1:介護保険は、労働者の業務上の事由による負傷や疾病に対して保険給付を行う制度である。
- 2:雇用保険は、労働者が失業した場合などに、生活の安定と再就職の促進のために必要な給付を行う制度である。
- 3:労災保険は、加齢に伴って要介護状態となった者に対して、介護サービスに係る給付を行う制度である。
【第4問:正解と解説】
正解:2
社会保険制度は、公的医療保険(病気・けが)、介護保険(要介護状態)、労災保険(業務・通勤災害)、雇用保険(失業等)というように、備えるリスクごとに役割が分かれている。雇用保険の役割を正しく述べた2が最も適切である。
・1
不適切。業務上の事由による負傷・疾病に対して保険給付を行うのは労災保険である。介護保険は、加齢に伴う要介護状態等に対して介護サービスに係る給付を行う制度である。
・2
適切。雇用保険は、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、生活の安定と再就職の促進を図る制度である。
・3
不適切。要介護状態となった者に介護サービスに係る給付を行うのは介護保険である。労災保険は、業務災害・通勤災害等に対して保険給付を行う制度である。
間違いやすい点
介護保険と労災保険のように、制度名と給付の対象となるリスクを入れ替えた誤りに注意する。「何のリスクに備える制度か」を軸に整理すると判断しやすい。
重要度:B 論点:社会保険
問5:次に掲げる者のうち、国民健康保険の被保険者となる者として、最も適切なものはどれか。なお、いずれの者も日本国内に住所を有し、記載のない事項は考慮しないものとする。
- 1:健康保険の被保険者である会社員に扶養されている、健康保険の被扶養者である配偶者
- 2:後期高齢者医療制度の被保険者である者
- 3:他の医療保険制度に加入しておらず、生活保護を受けていない自営業者
【第5問:正解と解説】
正解:3
国民健康保険は、他の医療保険制度(被用者保険・後期高齢者医療制度)に加入していない住民を基本的な対象とする制度である。他の医療保険制度に加入しておらず、生活保護を受けていない自営業者は国民健康保険の被保険者となるため、3が最も適切である。
・1
不適切。健康保険の被扶養者は、健康保険の制度によって保障される者であり、国民健康保険の被保険者とはならない。
・2
不適切。後期高齢者医療制度の被保険者は、国民健康保険の被保険者とはならない。
・3
適切。他の医療保険制度に加入しておらず、生活保護受給者等の除外要件にも該当しない住民は、国民健康保険の被保険者となる。自営業者はその代表例である。
間違いやすい点
国民健康保険を「自営業者の保険」とだけ覚えていると、被扶養者や後期高齢者医療制度の被保険者の扱いを判断できない。「他の医療保険制度に加入していない住民が対象」という原則と除外要件から判断する。

コメント