宅地建物取引士 権利関係 択一式(応用) 第20問〜第22問|物権・登記

重要度:A 論点:物権・登記

問20:Aが自己所有の甲土地をBに売却し、Bがさらに甲土地をCに売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Cは背信的悪意者ではないものとする。

  • A:AB間の売買契約が解除された後にBC間の売買契約が締結された場合、Cは善意で過失がなければ、登記を備えなくてもAに対して甲土地の所有権を主張することができる。
  • B:BC間の売買契約が締結され、Cへの所有権移転登記も完了した後にAB間の売買契約が解除された場合、Aはその解除を理由としてCの所有権を否定することができない。
  • C:BC間の売買契約締結後に、AがBの強迫を理由としてAB間の売買契約を取り消した場合、Cが強迫の事実について善意で過失がなければ、AはCに取消しを対抗することができない。
  • D:AB間の売買契約が解除された時期がBC間の売買契約の前後いずれであっても、AとCの優劣は常に契約締結日の先後だけで決まり、登記の有無は関係しない。
【第20問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】誤り。解除後にBから買い受けたCと、解除によって所有権を回復したAとの関係は対抗問題として扱われるため、Cは登記なくしてAに所有権を主張することはできない。善意・無過失であることだけでは足りない。

・B
【論点】解除と第三者・登記(民法545条1項ただし書、177条・判例)。【選択肢解説】正しい。解除前に権利を取得し登記を備えた第三者Cの権利を、Aはその後の解除によって害することができない。これが正解肢。

・C
【選択肢解説】誤り。民法96条3項が善意無過失の第三者を保護するのは詐欺による意思表示の取消しであり、強迫による取消しには同項の第三者保護規定は適用されない。

・D
【選択肢解説】誤り。解除前に権利を取得した第三者と解除後に権利を取得した第三者とでは法律構成が異なるが、不動産についてはいずれも登記が重要となり、契約日の先後だけで優劣が決まるわけではない。


重要度:A 論点:物権・登記

問21:A所有の甲土地の物権変動に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  • A:甲土地について何らの権限もないBが甲土地をCに売却し、その後にBがAから甲土地を買い受けた場合、CはBC間の売買契約時に遡って甲土地の所有権を取得する。
  • B:DがAに無断で自己名義の虚偽の所有権移転登記をした後、甲土地を善意のEに売却してEへの登記をしたとしても、Eはその登記だけを理由として甲土地の所有権を取得することはできない。
  • C:Gが甲土地の所有権を時効取得した後にAが死亡し、HがAを単独相続した場合、Gは登記を備えていなくてもHに時効取得を対抗することができる。
  • D:Aが甲土地上の立木の所有権を留保して甲土地をJに譲渡し、その後Jが甲土地と立木をKに譲渡した場合、Aが立木の所有権をKに対抗するには、登記または明認方法を備える必要がある。
【第21問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】他人物売買と売主による権利取得(民法561条)。【選択肢解説】誤り。Bが後に甲土地の所有権を取得すればCへ所有権を移転すべきことになるが、Cの取得がBC間の売買契約時まで遡るわけではない。これが正解肢。

・B
【選択肢解説】正しい。不動産登記には公信力がないため、無権利者Dから買い受けたEは、善意で登記を備えても当然には所有権を取得しない。

・C
【選択肢解説】正しい。時効完成後に元所有者Aを相続したHは、Aの包括承継人であって民法177条の第三者には当たらないため、Gは登記なくして時効取得を対抗できる。

・D
【選択肢解説】正しい。土地から独立した立木所有権を土地の転得者に対抗するには、立木登記または明認方法による公示が必要である。


重要度:B 論点:物権・登記

問22:A、B及びCが甲土地を各3分の1の持分で共有しており、共有物を分割しない旨の契約はないものとする。次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  • A:甲土地について無権利のDが自己名義の虚偽の所有権移転登記をした場合、Aは単独でDに対してその登記の抹消を請求することができる。
  • B:Aが甲土地について自己の共有持分を放棄した場合、その持分は国庫に帰属する。
  • C:A、B及びCの各共有者は、共有物を分割しない旨の契約がない限り、原則としていつでも甲土地の分割を請求することができる。
  • D:AがB及びCの同意なく甲土地全部を単独で占有している場合でも、Bは共有者であるというだけで、当然に甲土地全部を自己へ明け渡すようAに請求できるわけではない。
【第22問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】正しい。無権利者名義の登記の抹消請求は共有物の保存行為に当たり、各共有者が単独で行うことができる。

・B
【論点】共有持分の放棄(民法255条)。【選択肢解説】誤り。共有者が持分を放棄したとき、その持分は他の共有者にその持分割合に応じて帰属し、国庫には帰属しない。これが正解肢。

・C
【選択肢解説】正しい。各共有者は原則としていつでも共有物の分割を請求できる。ただし、5年を超えない期間で不分割契約を締結することはできる。

・D
【選択肢解説】正しい。各共有者は共有物全部について使用権限を有するため、他の共有者は、単に自己も共有者であるという理由だけで、占有共有者に対し当然に全部の明渡しを求めることはできない。


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