宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第91問〜第93問|賃貸借・借地借家法

重要度:A 論点:原状回復義務(通常損耗)

問91:賃貸借終了時の原状回復義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:賃借人の原状回復義務は、賃借人の責めに帰することができない事由による損傷についても及ぶ。
  • B:賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷について、通常の使用及び収益によって生じた損耗を含め、原状に復する義務を負う。
  • C:賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷であっても、通常の使用及び収益によって生じた損耗及び経年変化については、原状回復義務を負わない。
【第91問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。621条ただし書により、賃借人の責めに帰することができない事由による損傷は原状回復義務の対象外。
・B:誤り。通常損耗・経年変化は原状回復義務の対象外(621条)。「含め」とする点が誤り。
・C:正しい。621条本文・ただし書。通常損耗・経年変化は賃料に織り込み済みと考えられるため、原状回復義務の対象から除外される(判例法理を明文化)。


重要度:A 論点:転貸借①(転借人の直接義務)

問92:適法に転貸借がされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:転借人は、賃貸人と賃借人(転貸人)との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。
  • B:転借人は、賃貸人と賃借人(転貸人)との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を超えて、賃貸人に対して転貸借の債務を負う。
  • C:賃貸人と賃借人が賃貸借契約を合意解除した場合、賃貸人は、原則としてその解除を転借人に対抗することができる。
【第92問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:正しい。613条1項。転借人は、原賃貸借の賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対し転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う(賃料の直接請求等)。
・B:誤り。転借人の賃貸人に対する直接の義務は、原賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲が上限となる(613条1項)。「超えて」負うとする点が誤り。
・C:誤り。賃貸人・賃借人間の合意解除は、原則として転借人に対抗できない(613条3項本文)。ただし解除時に賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していた場合は対抗できる。


重要度:B 論点:転貸借②(賃借人の債務不履行解除と転借人)

問93:賃借人の債務不履行を理由に賃貸人が賃貸借契約を解除する場合に関する次の記述のうち、判例によれば、正しいものはどれか。

  • A:賃貸人は、賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除する場合、必ず転借人に代わって賃料を支払う機会を与えなければ解除できない。
  • B:賃貸人は、賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除する場合、転借人への通知等は不要であり、解除をもって転借人に対抗することができる。
  • C:賃貸人は、賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除する場合、転借人に通知等をして催告する機会を与える必要がある。
【第93問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。判例上、賃借人の債務不履行による解除に際し、転借人に賃料代払いの機会を与える義務はない。過剰要件のひっかけ。
・B:正しい。賃借人の債務不履行に基づく解除は、転貸借の存続の基礎を失わせるものであり、賃貸人は転借人に対して格別の催告等をすることなく解除をもって対抗できる(判例)。
・C:誤り。判例上、賃借人の債務不履行による解除の場合、転借人への通知や催告の機会付与は不要とされる(合意解除の場合と異なる扱い)。


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