宅地建物取引士 権利関係 択一式(初級) 第40問〜第42問|担保物権

重要度:A 論点:抵当権の効力・物上代位

問40:Aは、Bに対する債務を担保するため、自己所有の甲土地に抵当権を設定した。この場合に関する次の記述のうち、判例によれば、正しいものはどれか。

  • A:甲土地の上にA所有の乙建物がある場合、甲土地の抵当権の効力は乙建物にも及ぶ。
  • B:Bは、被担保債権の不履行後に生じた甲土地の賃料債権に対して物上代位権を行使できるが、賃料の払渡し前に差押えをしなければならない。
  • C:Bは、賃料がAに支払われた後であっても、物上代位権を行使してその金銭の引渡しを請求できる。
【第40問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。土地と建物は別個の不動産であり、土地の抵当権は建物に及ばない。効力の及ぶ範囲の定番のひっかけ。
・B:正しい。抵当権は、被担保債権の不履行後に生じた抵当不動産の果実に及び、賃料債権にも物上代位できるが、払渡し前の差押えが要件となる。【試験対策】物上代位の確認点=「不履行後に生じた賃料にも行使できる」+「払渡し・引渡しの前に差押え」。どちらか一方を欠けさせる肢が出題される。
・C:誤り。払渡し後は物上代位できない。金銭がAの一般財産に混入した後では特定性が失われるため。


重要度:A 論点:法定地上権

問41:法定地上権の成立に関する次の記述のうち、判例によれば、正しいものはどれか。

  • A:更地に抵当権が設定された後、抵当権者の承諾を得て建物が建築された場合、競売により土地と建物の所有者が異なるに至ったときは、法定地上権が成立する。
  • B:抵当権設定当時に土地と建物の所有者が異なっていた場合でも、その後同一人に帰属すれば、法定地上権が成立する。
  • C:抵当権設定当時に土地の上に建物が存在し、土地と建物が同一の所有者に属していた場合において、競売により所有者が異なるに至ったときは、法定地上権が成立する。
【第41問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:誤り。更地への設定後に建物が建てられても法定地上権は成立しない(抵当権者の承諾があっても同じ)。抵当権者は更地としての価値を把握しているため。
・B:誤り。要件の判定基準時は「抵当権設定当時」。設定当時に別人所有であれば、その後同一人になっても成立しない。判定時点のずらし。
・C:正しい。①設定時に建物存在、②設定時に同一所有者、③抵当権実行、④競売で所有者分離、の要件を満たす。【試験対策】法定地上権は「設定当時」がキーワード。肢を読んだら真っ先に「設定時に建物はあったか」「設定時に同一所有者か」の2点をチェックする型を身につける。


重要度:B 論点:根抵当権

問42:元本確定前の根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  • A:被担保債権の範囲を変更するには、後順位抵当権者の承諾を得なければならない。
  • B:根抵当権者と設定者の合意により、後順位抵当権者の承諾を得ることなく、被担保債権の範囲および債務者を変更することができる。
  • C:極度額を変更する場合も、利害関係人の承諾は不要である。
【第42問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:誤り。被担保債権の範囲の変更に後順位者の承諾は不要。極度額の枠内での変更は後順位者を害さないため。
・B:正しい。元本確定前は、根抵当権者と設定者の合意により、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得ずに被担保債権の範囲・債務者を変更できる。ただし、元本確定前に変更の登記をしなければ、その変更をしなかったものとみなされる。【試験対策】根抵当権の変更は「範囲・債務者の変更は第三者の承諾不要だが、元本確定前の登記が必要」「極度額の変更は利害関係人の承諾が必要」と整理する。
・C:誤り。極度額の変更には利害関係人の承諾が必要。担保の枠が変わり後順位者等に影響するため。承諾の要否の入れ替え。


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